めんこい通信2026年2月25日号
◉トランプのしっちゃかめっちゃかとタカイチの絶叫
ベネズエラの大統領拉致を始め、ミネソタの市民銃殺やら、地球温暖化なんて嘘っぱちだあ、ベネズエラもグリーンランドも俺のもんだあ、あの国のボスは気に入らないので関税かけちゃうもんね、自分と違う考えを持つ人間は信じられない、そういう奴は皆裁判にかけろ、追放しろ、死んでも気にしない、やられたらやり返すんだあ、などなど、なんやらかんやら、もう、どうにも止まらないトランプのしっちゃかめっちゃかがますます酷くなり、それに同調する人間も多数いて、これまで人類がかろうじて共有していたかに思えた民主主義やら国際法やら国連やら科学的合理主義やら倫理やら論理やらが幻想でしかなかったかのカオス的世界に見えるこの頃ですが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。ロシアのウクライナ侵攻やイスラエルのガザ侵攻などもいつ終わるのか誰も予想がつきません。これから世界は一体どうなっていくのか。自称ジョブレスミュージシャンで余生もあまり残されていないワダスは、社会との接点も薄れ、淡々と日々を送りつつぼんやりと、せめて生きている間は現在の淡々生活が続いてほしいと願望するしかありません。そうこうしているうちに、トランプの暴走を追いかけるように高市ジミントーが選挙で大勝ちし、国債ガンガン刷るもんね、積極だもんね、憲法改正するもんね、医者通いの年寄りにはもっとゼニ払ってもらって防衛費大幅に増やすもんね、原発やるもんね、スパイ防止法もやるもんね、うまくいけば原子力潜水艦や核兵器だって作るもんねなどと絶叫し、それを誰も止められなくなりつつあるようにも見えます。もおお、こうなったらギョーザもラーメンもステーキもメンチカツも食いまくったるてな気分になるのでした。そんなことないですか、皆さん。
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===これまでの出来事===
◉11月30日(日)/風の舞塾(TonPlacer)カレープチ忘年会/風の舞塾 、神戸/参加者:下田展久、角正之+敦子夫妻、東仲一矩+田村珠紀、久田舜一郎+遅れて娘さんの陽春子さん、HIROS、和田忠
9月の神戸酒心館ホール公演でご一緒した小鼓の久田さんのリクエストで久しぶりにカレーを作りました。一つはココナツミルクを使ったタイ風の海老カレー、もう一つはHIROS風チキンカレー。10月にもこのスタジオでカレーを作っているので第2弾のカレー宴会でした。好評のうちにカレー摂食が終わった後、いきなり久田さんと角さんがパフォーマンスを始め、それにつられて、どういうわけかギターを持ってきていた下田さんが弾き語りを披露し、うーむ、じゃあ、とワダスが秋田長持唄を歌ったのでした。
◉12月7日(日)/マーヴェリックの足跡 ~ダニエル・レンツ追悼~/ジーベック・ホール、神戸/藤枝守、下田展久:対談
7月に亡くなったアメリカの現代音楽作曲家ダニエル・レンツの追悼イベントでした。かつてジーベックでは、当時プロデューサーだった下田さんが、藤枝さんらの協力でアメリカの現代音楽作曲家を積極的に紹介していて、その中の一人がダニエル・レンツでした。下田さんと藤枝さんの対談の後、ソプラノ歌手藤田めぐみさんや田中祥司さん手製のパイプオルガンによるパフォーマンスでレンツの作品が披露されたのでした。久しぶりのジーベックのイベントということで、懐かしい人たちが一堂に会した感でした。懐かしい顔ぶれには、椎名亮輔さん(ジーベック全盛時にはフランスにいて残念だったと申し述べられる)、水田裕子さん(何十年ぶり、かつて我々夫婦は彼女のパリのアパートを訪ねたことがある)、当時のイベントチラシのほとんどをデザインしていた和田忠さん、ジーベックのスタッフだった島田さん、竹本勲さん、小島剛さん、バイク乗りファッションの尺八奏者志村哲さん、サウンドデザインの川崎義博さん、CAP句会の加川純子さんマスダマキコさん、マルガサリの大井卓也さん、CAPの河村敬生さん、作曲家の山根明季子さん、ダンサーの角正之+敦子夫妻、聖23日宴会の常連メンバー大野裕子さん、角スタジオで一緒になる三原真衣さん、大分公演などでかつてお世話になった元毎日新聞記者の田畑知之さんなどなど。当日の受付はこの企画の主催者の一人でジーベックのスタッフだった森信子さんでした。あの頃のジーベックの賑わいが戻ったような雰囲気でした。
◉12月8日(月)/三原真衣打ち合わせ/中川家/カレー、キムチ
角スタジオで毎月やっているワダスのラーガ音声に触発されたという三原さんが「ぜひラーガ音楽のワークショップをやりたい」ということで打ち合わせでした。話しているうちにキムチ講座なんかもどんなもんだろうみたいな怪しい方向にも進んでいくのでした。どうなることか。4月あたりから始まりそうですが。
◉12月14日(日)/動態即興「愚者の秤/ぐしゃのはかり」/風の舞塾(TonPlacer) 、神戸/パフォーマンス:角正之+フォロワーズ:ダンス、北村千絵+HIROS:ヴォイス、三原真衣:鍵盤ハーモニカ//その後、久代生誕記念夕飯/ニシオカ、三宮
◉12月18日(木)/短足麻雀/中川家、神戸/参加者/植松奎二、東仲一矩
◉12月20日(土)/エバーグリーン餅つき大会
毎年恒例の餅つき大会です。ワダスも朝早く起きて参加でした。今回の担当は杵うちでしたが、日頃腕や腰の筋肉を使っていないワダスには、これがソートーにきつい。杵うち担当は他に数名リストアップされていたのですが、実際に杵打ちしたのはワダスを含めごく少数。もっとも、担当リストに上がっていたのはほとんど70、80代のロージンばかりなので無理もない。後半は管理会社の若手が加わったので勢いがついてよかった。立ち働くソートーな年齢のこのマンション住民の顔ぶれがここ数年変わらず、このままだとこれからどれほど続くのか、ちと不安になります。
◉12月22日(月)/聖23日宴会/おうみや、三宮/参加/大野裕子、下田展久+雅子、中川博志+久代
◉12月24日(水)/クラブツーリズム・バスツアー/香住、城崎
中川家としては、これまで久しく願望はあったけど実現になんとなく躊躇してきたカニ・バスツアーをついに敢行したのでした。ワダスはカニを食べることにそれほどの情熱はないのですが、カニ2杯丸々食べてこんだけの値段という宣伝に突き動かされ、じゃあ、いこか、となったのでした。
当日は市役所前8時集合だったので相当に早起きでした。胸にワッペンを貼った参加者は老若男女40名ほどで、ほぼ満席。久しぶりの遠出で、車窓の景色が新鮮でした。
昼近く、香住町の「かに八代れんが亭」に案内される。テーブルに並べられた料理の全容が以下。タグ付茹で香住ガニ姿1杯、焼ガニ半杯、刺身カニ足3本、一人カニ鍋、みそ甲羅焼き、前菜3品、雑炊セット、香物、デザート。なかなかの眺めとボリュームでした。参加者たちは、ぎっしりと椅子とテーブルが並べられた大きな部屋で、カニの足をほじったり茹で加減を検分したりしつつ黙々とカニと格闘するのでした。我々はペットボトルにつめて持参したワインを呑みつつ料理の山を崩していく。それなりに満足ではあったけど、ま、こんなもんだろうな、と思いつつ平らげました。
カニの後は城崎温泉散策。志賀直哉の作品に因む城崎文学館にでも行ってみっかと小雨の中を歩くと、案の定、閉まっている。案の定と書いたのは、我々がこれまでたびたび経験してきた、目的を決めてその場所に行くと必ず閉まっている法則通りだったからです。町を散策するにはあいにくの雨だったため、小さな喫茶店でコーヒーを飲みつつ街ゆく人々を何気なく見るのでした。街路は、ま、フツーの温泉町ですが、ごちゃごちゃ感はなく観光的景観がそれなりに統一されていて、ぼんやりと眺めるには悪くはない。外国人の姿も結構ありました。
帰路、惜しげもなく試食させてくれる但馬の海鮮煎餅工場兼売店に寄って7時前に神戸に戻りました。
中川家としては久しぶりのツアーでしたが、ま、こんなもんか、で終わったバスツアーでした。
◉12月25日(木)/レッスン/中川家、神戸
カニツアーのバスで神戸に帰還中、普段は滅多にない電話着信があり、誰かと思ったらネパール人のラーム君からでした。「センセ、あの、明日、レッスン大丈夫ですか」。彼は半年に1回程度にワダスのレッスンを受けているのですが、まさにこの電話は半年ぶり。ま、ワダスらは日曜日もクリスマスも関係ない生活なので「いいよ」と返事しました。てなわけでこの日は3時間ほどレッスンでした。
◉12月31日(水)/レッスン//中川家、神戸
で、さらに先日レッスンしたラーム君から再び「センセ、あの、明日、レッスン大丈夫ですか」の電話があったのでした。なんと大晦日ではないか。これまでは滅多に来なかった彼ですが、にわかに必要性を感じたのか、ヒマになったのか。ワダスの方はその日その日の暇つぶしのネタを探しているので問題なしですが。それにしても、クリスマスとか大晦日とか、セケンの状況とは無関係のラーム君レッスンでした。
2026年
◉1月1日(木)/駒井家正月宴会/駒井家 、西明石
幸雄さんが自分で漬けたという鮒鮨とおせちをいただきつつ例年のダラダラと楽しいお正月でした。鮒鮨はなかなか美味しかったのでお土産にいただくつもりが忘れてしまう。後日(6日)、幸雄さんの京都行きのついでに三ノ宮駅で貰い受けたのでした。
◉1月3日(土)/中村一家来襲
愛知県西尾市に住む姪の亜矢子ちゃん一家が、イケア経由で明石の実家の駒井家に向かう途中、去年に続き来襲。今回は長女の葉月ちゃん(中3)は高校入試を控え、お留守番。一緒だったのは夫の正史さんと、衣都ちゃん(小6)、沙千ちゃん(小4)の二人でした。こんなふうに子供たちと会話をすることは滅多にないので、なかなかに賑やかで楽しい。お年玉は当然3人分。お土産に吉田製麺の半生のきしめんなどをいただく。これが美味かったなあ。
◉1月3日(土)/1月8日(木)/短足麻雀/中川家 、神戸/日にち間違い
約束では翌日の9日に卓を囲む予定でしたが、東仲さんことトンチャンが8日だと思っていたらしい。たまたま植松さんが健康診断のために西宮の病院にいたので、急遽、じゃあ、今日やろう、ということになったのでした。結果ですか。トンチャンの一人勝ちでした。
◉1月23日(金)/HIROS+下田雅子生誕記念日/おうみや、三宮/参加者/大野裕子、下田展久+雅子、中川博志+久代、森信子
通常はJR三ノ宮駅の高架下にある「おうみや」が飲み会の会場でしたが、駅のすぐ北にある「おうみや」の方がビールが安いことがわかったので急遽変更したのでした。雅子さんとワダスの誕生日当日ということで、プレゼントなどをやりとりしつつ、例によってなんということのないお喋りで盛り上がったのでした。下田家からは大きくて重い白菜をいただきました。キムチにせよという暗黙の命令だったかもしれません。でキムチを漬けましたが、ほとんど食べてしまってもはや彼らに還元されることはないであろう。
◉1月24日(土)/レッスン
またまたラーム君のレッスンでした。時間が取れるということは仕事がヒマになっているということなのか、ちと気になりますが、練習に熱心な心がけには感心します。
◉1月25日(日)/動態即興「愚者の秤/ぐしゃのはかり」/風の舞塾(TonPlacer) 、神戸/パフォーマンス:角正之+フォロワーズ:ダンス、川辺ゆか+北村千絵+HIROS:ヴォイス、三原真衣:鍵盤ハーモニカ
◉2月1日(日)/大塚氏差し入れ/ボヘミアン達の夜/煉瓦倉庫K-Wave、神戸/東仲一矩:フラメンコ、板橋文夫:ピアノ、松木匠:カンテ、國光秀郎:ギター、 瀬尾高志:コントラバス、西村房子:美術
いつも家庭菜園で取れた野菜や果物を持ってきてくれる大学の同窓生の大塚さんから「朝6時に行くけど、起きてる? 結婚50周年で、50年前の同じ日に新婚旅行で行ったグアムに行くのよ」とメール。というわけで5:30に起きて、白菜、大根、甘夏、瀬戸果などをいただきました。物価高の昨今、大助かりです。
同じ日の夕方、毎月麻雀しているトンチャンこと東仲一矩さんのライブのためハーバーランドに出かけました。会場は満席でおよそ150人ほどか。トンチャンつながりの共通の見知った顔が多かった。以下敬称略で、「アビョーン」のマスター大川、岡田淳+由紀子夫妻、幸田庄二+杉岡真紀子、下田展久、瀬口文行、塚脇淳、舞台美術を担当した「アビョーン」の西村房子、橋本健治、制作支援の田村珠紀など。なんと久しぶりの建築家天藤久雄さんと初めてお会いした奥様も。
構成も含め、とてもよくできたライブでした。ふーちゃんこと西村さんの美術を背景にした小ぶりの舞台の左隅にグランドピアノ、コントラバス、ちょっと離れた2つの椅子にギター、カンテ、右端の椅子に東仲さんという配置。フリージャズとフラメンコのバランスが程よく、後でトンちゃんが言った「ほとんどぶっつけ本番」とは思えない自然なつながりでした。印象的だったのはやはりトンちゃんの動きでした。椅子に座ったままのパフォーマンスもなかなかでしたが、もうじき80歳というのに、痩身のしなやかな身のこなしと、悟りの中に怒りや悲しみを宿したような顔の表情が存在感を放っていました。それと印象に残ったのは松木匠さんのカンテでした。声質といい表情といい雰囲気といい、とても日本人とは思えない。
それにしても、外国で生まれたジャズにしてもフラメンコにしても、これだけの表現ができる日本人の存在というのはすごいね。文化とナショナリズムの関係がどこでも重視されるようですが、日本では明治期にそれまでの伝統的文化よりも西洋文化を積極的に取り入れた結果なのか。このような環境は、ある意味貴重なものなのかもしれません。インドでは考えられない景色でした。
◉2月8日(日)/身世紀--ダンスのための日常生活/神戸塩屋旧グッゲンハイム邸、神戸/出演者/秋久なずな+越久豊子+桜井類+角正之+Keiko Rose+蔦田愛+中安正人+丹羽ゆかり+プルパ+Marga Soma+山本清子:ダンス、川辺ゆか+北村千絵:Voice、HIROS:ラーガ音声
月に1回の角さんスタジオでのワークショップの拡大版です。去年9月の神戸酒心館ホールでの公演とも違い、一般の参加者を巻き込むという形です。
この日は珍しく雪が舞い散る天気でした。会場の塩屋旧グッゲンハイム邸で、レギュラーのダンサーも含め20人ほどがワークショップやパフォーマンスを行いました。まず参加者には、午後のラーガであるビーンパラースィーの音階と音の動きを声に出してもらう。ついでワダスのラーガ・チャンドラカウンスの短いアーラープ・ソロ。そして、へーマーヴァティーのアーラープと千絵さんの変幻ヴォイスとゆかさんのチベット民謡風音声に合わせて体の動きに移る。それほど広くないスペースなのでそれぞれの体がぶつかるほどでしたが、全体がまるで一つの有機体を作り出すような不思議な塊になり、そのうちの誰かが出した声に反応した参加者の全員がまちまちの声を発し始め、音組の存在を消し去るような勢いになっていったのでした。なかなかに面白いパフォーマンスでした。
休憩を挟み、今度は建物の内外でのパフーマンス。うっすらと雪の残る庭で、室内の音組の音に合わせてそれぞれが動く。その後、桜井類さんの平面オブジェのある隣室に移った後、再び我々のいる部屋に全員が戻り、ほぼ1時間のパフォーマンスが終わったのでした。
この日は、元CAPの下田さん、デザイナーの和田さん、ピアノの岩崎さんなど数人の観客もいました。和田さんからは「あのね、知ってるかな。渡辺仁さんが亡くなった。膵臓癌だった」と伺う。渡辺仁さんはかつて近所に住んでいた編集者です。75歳だったとのこと。
そんなこんなのパフォーマンスを終えて自宅に帰り、焼酎を飲みながらぼんやりテレビを見ていたら、衆議院選挙でジミントーが圧勝しそうというニュースが入り、一気に脱力感に陥るのでした。
◉2月12日(木)/短足麻雀/中川家 、神戸
◉2月20日(金)/CAP麻雀研究会/海外移住と文化の交流センター3階、神戸/受講者:城野、高木、中窪、三原、美馬
CAPの、主に陶芸を中心に活動しているクレイ・スタジオの女性4人から、なんと麻雀を覚えたいので教授してけろ、というメッセージが来たのでした。久しぶりのCAPに我が家から歩いて出かけました。図書館(三宮分館)経由で約8000歩の距離です。
場所はKids Room。中窪さんがすでに待ち構えていてすぐに準備。クレイ・スタジオは山側の別棟になっていて、そこで活動している人たちを見ることがこれまでなく、初めてお会いしました。メンバーはそのクレイ・スタジオの4人の他、ワダスがお誘いした三原真衣さんです。雀卓の準備中、偶然にも幸田さんが現れる。展覧会のチラシを持ってきたとのこと。
麻雀牌を初めて見るという人もいて、全員ほぼ麻雀知識ゼロ。麻雀牌の読み方、親決め、牌の積み方、メンツとアタマで手牌が完結することなどなどから始め、手牌を全員オープンにし、誰かがツモるごとにその都度解説をするというスタイルで進め、2時間はあっという間でした。参加者はそれなりに楽しんだようです。今後は月に1回こんな感じの講習を続けることになりそうです。
麻雀講習終了後、三原さんが主催予定の「インド音楽講座」の仮会場「Otohatoba」の下見でした。ビルの地下にある、かなりアンダーグランド感のある「音楽交流バー」でした。オーナーのダイゴロー氏によれば、普段はDJやライブもやっている店とのこと。実際にここで講座をやれるかどうかはまだなんとも言えません。
◉2月23日(月)/聖23日宴会/どん亀→サイゼリア、三宮/参加者/大野裕子、中川博志+久代、原久子、森信子
下田家のお二人が花粉症か何かで欠席との連絡。下田雅子さんは、いつも意表をつく話題転換でこの会の会話の推進力になっているのでちと残念でした。今回は、原久子さんがゲストで参加しました。原さんとは昔からの知り合いですが、直接顔を見るのは久しぶりでした。いつもの「おうみや」は休みなのですぐ近くの「どん亀」でまず一次会。飲んで食って一人1000円くらいなので安いと言えば安いけど、何しろ客の会話やBGMがうるさくて、宴会密着度指数が低い。で、すぐ近くの「サイゼリア」で二次会でした。祝日で、少年少女だらけ満員状態の「サイゼリア」では、ワインのマグナムやらほうれん草やらピザやらラムやらなんやらかんやらをつまみに昔話なんかで盛り上がったのでした。酔っ払った勢いでたまごこと中川真さんと佐久間新さんに電話してしまいました。練習中やレッスン中で失礼しました。
===この間に読んだ本===
(*読んで損はない、**けっこういけてる、***とてもよい)
最近は目が常にしょぼついている上に左右の焦点が合わないので読書スピードがぐっと遅くなってしまったのでした。白内障手術は右目は終わっていてとてもクリアなんですが、左目がどうにもぼやける。まったく、年取るということはこういうことかと自覚するこの頃です。
1◉***『あなたについて知っていること』(エリック・シャクール/加藤かおり訳、集英社、2025)
久しぶりに奇妙で引き込まれる小説を読んだ。作者はカナダ在住のエジプト系移民。5年かけて書かれたというこの処女作はカナダだけではなくフランスなどでも話題になり、いろんな賞を取っている。半分まで「あなた」が主語の物語が続き、途中からようやく、物語を語っている主体である「僕」が登場する。「僕」とは一体誰なのか。サスペンスのような意表をつく展開。ナセル時代のエジプト、民族、宗教の混在したカイロの複雑な状況の中で、家族やコミュニティから期待される結婚をしたばかりの若い医師「あなた」が一人の青年に惹かれ同性愛関係になる。あまり書くとネタバレになるので書かない。翻訳も優れていると思うが、実に緻密に構成され、表現力に富んだ文章で味わい深い。おすすめしたい。
2◉***『動物たちのインターネット』(マーティン・ヴィケルスキ/プレシ南日子訳、山と渓谷社、2025)
動物に信号を発信できるタグを取り付け、得た情報をデータ化することで、今まで知られなかった動物たちの行動を観察し、サステナブルな人間社会の在り方を彼らから学ぼう、という壮大なアイデアの実現化を目指す生物学者の物語である。この計画は現在も進行中だという。動物といってもサイズや動き方は実にまちまちなので、タグを取り付けることは容易ではない。数ミリの昆虫から象や鳥類などなど、それぞれの専門家が頭を絞ってデザインする。これまで動物は遺伝子に書き込まれた「本能」に従って行動すると考えられていたが、実際は現実に柔軟に対応していると。地震や災害を予知できるのかとか、動物を発生源とするパンデミックがどのように広がっていくのかなど、人間にとっても彼らの知恵は有益だという。このようなアイデアが完全に実現すれば、生き物に対する見方も大きく変わっていくに違いない。なにしろ彼らは元は単細胞から進化してきた、人間と同じ生命であり、いわば仲間。こうした本を読んでいると、トランプとかプーチンとかネタニヤフとかシューキンペイとかタカイチとかが、矮小な欲に駆られて人間社会を撹乱している今、地球上の全ての生き物を等価に見なす科学者たちの素晴らしさを感じる。
3,4◉***『文明崩壊』上下 再再読(ジャレド・ダイアモンド/楡井浩一訳、草思社文庫、2012)
この本はすでに2回読んでいるのですが、上下巻合わせて1100ページもあるし、文字が小さい文庫本なので読むのに1か月もかかってしまったのでした。
著者が紹介する文明の崩壊例は、上巻で太平洋のイースター島やピトケアン島、北米先住民のアナサジ、マヤ文明、グリーンランドのノルウェー人社会、下巻では酷しい条件下でも社会を維持したニューギア、ティコピア島、江戸時代の日本、崩壊の危機に直面しているアフリカ、同一の島にある対照的なドミニカとハイチの比較、中国、オーストラリア、カンボジアのアンコールなど。これほど多様で広大な地域の社会を分析するにはとんでもないデータが必要だけど、丹念に収集し解析する。
著者は文明崩壊分析のための要素として次の5つをあげている。1.環境被害、2.気候変動、3.近隣の敵対集団、4.有効な取引相手、5.環境問題への社会の対応。重要なのは、気候変動といった外的な環境の変化とともに、社会の方向性を決める統治者たちの判断も含まれるということ。どの地域でもいつの時代でもそうした統治者の賢明だったり愚かだったりする判断が崩壊を左右する。本書にはそうした統治者の判断も書かれているが、例えばプーチン、ネタニヤフ、トランプといったどう見ても狂っているとしか思えない現在進行中の統治者のありようを眺めていると、人類文明ははっきりと崩壊に向かっているのではないかと思えてくる。
文中で引用されたドイツの劇作家シラーの言葉が印象的。「どんな人間も、個人としてみればまずまず分別があり、道理をわきまえているが、群衆の一員になったとたん、愚か者に変わってしまう」。
多くの人がそれを感じているようで、最近はディストピア小説が大流行りだという。
ま、ものすごく長い本だけど、たまに人類という大きなレベルでものを考える際は読んでおくべきだとつくづく思ったのでした。
5◉*『タイガー』(SF・サイード/杉田七重訳、東京創元社、2025)
図書館の新着図書コーナーにあったのでふと手にとって読んでみた。イギリスの何かの児童文学賞を取った作品とのこと。架空の時代のロンドンが舞台。動物園から逃れてきたタイガーを、一般市民からは「外人」とみなされるアラブ系少年とアフリカ系少女が、洞察力、想像力、自分を離れ他者の思考に踏み込む力を使って、白人支配者の形を取った悪の象徴から救済するという話。挿絵が多く文章がわかりやすく確かに児童向けの本と言えるが、読後は、ふーん、としか言いようがない。横書きというせいもあるのか、いまいち大きな没入感に入る前に読み終えてしまったのでした。ま、中学生なんかは面白いと思うかもしれません。
6◉**『TABLA: A PERFORMER'S PERSPECTIVE』Kindle版(Aneesh Pradhan, 2011)
知人のアニーシュ・プラダーンが書いたタブラー演奏の実際について解説したもの。今や世界的な存在となったインドの打楽器について、演奏者が書いたものがほとんどないので貴重な本である。副題のように、タブラー演奏家が何を基準に演奏しているのか、ヒンドゥスターニー音楽の伴奏楽器として何をやっているのか、ソロ演奏はどのような構造なのかを解説している。厚い本ではないのですぐに読めるが、ヒンドゥスターニー音楽のジャンルや表現方法についての知識がないと独特な音楽用語についていけないかもしれない。日本語に翻訳するとすれば、かなり丁寧に注釈をつける必要がある。
7◉『Looking for Miss Sargam: Stories of Music and Misadventure』Kindle版(Shubha Mudgal,Speaking Tiger Publishing Pvt Ltd, 2019)
これも知人の書いた本。誕生日の午後、上記著者のアニーシュからいきなり電話をもらっておしゃべりをした時に、妻であり有名な声楽家であるシュバー・ムドガルの本を彼が「一度読んでみて」というのでAmazonからKindle版を購入。
全部で7編からなる短編小説。舞台演奏が主な活動の声楽家が短編小説を書いたというのは珍しい。それぞれの話はヒンドゥスターニー音楽に関わる人々が主人公になっている。音楽プロデューサーと音楽家の関係、海外特にアメリカでの演奏旅行にまつわる話、若い才能を発掘しようとコンテスト企画を持ちかけられ結局詐欺に遭ってしまった音楽学校創設者、権威のある賞が欲しいハールモニアム奏者、ハリウッド映画の挿入歌を歌った歌手と監督とのすれ違いと諦めなどなど、それぞれの話はよくできているとはいえ、小説としての深みは感じられない。
8◉**『瀬島龍三 参謀の昭和史』(保坂正康、文春文庫、1991)
ときおりマンションのゴミ捨て場には大量の本が捨てられていて、その中にあった1冊。かつて政府の臨調委員だったのでうっすらと名前だけは知っていた瀬島龍三という人がどういう人物だったかについてほとんど興味はなかったが、保坂正康の著書ということで読んでみた。これがなかなかに面白い。瀬島という人は、陸軍幼年学校から陸軍大学校で学んだという筋金入りの軍のエリートで、大本営の参謀として第2次大戦の作戦を立案などし、敗戦後シベリアに抑留され、戦後は商社の伊藤忠の会長まで上り詰め、ついには中曽根政権のアドバイザーのような存在になったということを知った。著者は戦前戦後の軍のエリートの意識と発想の根元をなんとか探ろうとする。例えば、彼らがあの戦争の始まりと終わりをどのように捉えていたのかなど。本人や関係者や周辺の人々の取材からなんとなく見えてくるのは、実際は様々な決定に関与しながらも自身の責任を逃れようとする態度で、それが戦後の行政のあり方にも影響しているのではないかということが浮かび上がる。本書の「佐官クラスの参謀は参謀総長をだしぬいて作戦の起案を行い、それを参謀総長に認めさせ、参謀総長は天皇の允裁を求めて実行に移す。しかし、たとえそれが失敗してもその責任は将帥が負うことになる。参謀は参謀総長を補佐するどころか責任所在の盾につかい、自在にふるまうようになったのが、昭和陸軍の最大の欠点であった」というような記述を読むと、行政に関するいろんな失敗が曖昧なまま放置される現代の官僚制度にも似たようなことがあるのではないかと思えてくる。
9◉***『NEXUS 情報の人類史』下(ユヴァル・ノア・ハラリ/柴田裕之訳、河出書房新社、2025)
ずいぶん前に図書館に予約していたのがようやく読めるようになったが、どういうわけか下巻だけだった。
全体はAIによる危機について書かれたもの。著者によれば、ヒトの歴史はこれまで情報ネットワークによって説明可能であり、どんなに多くの情報量であろうと、その情報は人間の脳の容量とか能力によって制約を受けてきた。そうした制約はありながらも、多くの良い点も作り出してきたし、ホロコーストのような大きな失敗もあった。ところが、最近話題になるAIは、そんな脳の制約を全く受けない。人間のように睡眠をとって休む必要もなく、膨大な情報を収集しそれらをネットワークに組み込んでいく。そうしたAIの加速度的な発達は、自己修復プログラムが適正に組み込まれなければ、これからの人類社会に予測のつかない危機をもたらすかもしれないと。
著者は印象的な実例の一つとしてミャンマーのロヒンギャ問題を取り上げている。この問題の現実的なきっかけとなったのはFacebookだった。Facebookの企業戦略は、閲覧数の増加による利益の拡大である。そこで彼らはウェブサイトのデザインと方向性をAIにやらせた。AIは、極端なヘイト書き込みやフェイク情報が、まともな情報よりもずっと閲覧数が増えることに気づき、その結果、ミャンマーでそれほど大きな問題ではなかったロヒンギャ族とマジョリティーの大衆の分断を加速させた。そのことを指摘されたFacebookなどの巨大SNS運営会社は「我々も極端な書き込みや事実とは異なる情報には気をつけているが限界がある。我々は人々のつながりを促すことをやっているだけで、そこにはなんの政治的意図も意志もない」と言い逃れ、ネットワークの自己修復プログラムについては消極的だという。
ともあれ、今や世間のブームになっていて、ワダスもときどき使っているAIがこれからの人間社会にどんな影響を与えるのかを考える上で参考になると思う。
10◉*『アジア・トイレ紀行』(山田七絵+内藤寛子編著、白水社、2025)
アジア経済研究所の研究者がそれぞれの現地調査の際に体験したトイレ事情や、その国々の政策、統計などを紹介した「まじめ」なトイレ紹介。紀行とはいうものの、研究者の報告なので文章は堅苦しい。インドに3年ほど住んだことのあるワダスらにしてみればそれほど驚くような情報もない。ともあれ、トイレ問題というのはどの文化、文明にとっても重要な問題であることはよく理解できる。
==これからの出来事==
相変わらずヒマですが、たまにちょこちょこっと何かがあります。仕事につながるものはどんどん少なくなってはいますけど。
◉3月6日(金)/眼検査/アイセンター、神戸
◉3月12日(木)/短足麻雀/中川家 、神戸
◉3月13日(金)/バイソン下見
◉3月18日(水)/CAP麻雀教室/海外移住と文化の交流センター3階、神戸
◉3月24日(火)/短足メンバー誕生宴会/ギャラリー・ミウラ
◉3月29日(日)/動態即興「愚者の秤/ぐしゃのはかり」/風の舞塾(TonPlacer) 、神戸/パフォーマンス:角正之+フォロワーズ:ダンス、川辺ゆか+北村千絵+HIROS:ヴォイス、三原真衣:鍵盤ハーモニカ
