めんこい通信2008年11月2日号

 ええ、バーンスリーのHIROSです。 
 この通信はBCCでお送りしています。こういうものは不要だ、という方はご連絡下さい。この通信は皆様の生活向上にはほとんど役に立たないと確信していますが、ふとお時間のあいたときにでもご一読下されば幸いです。 
 最近の日経新聞の1面を見ると世界経済がただ事ではないのだぞという叫びに満ちていますが、元々それほど失うもののないわれわれにすれば、そうなのか、とぼやっと眺めるしかないのでありますが、皆様はいかがでありましょうか。外交を自立させるためには核兵器をもつべきだ、などという若者の意見を最近聞いたり、タモガミという珍しい名前の航空自衛隊トップが書いた「日本は侵略国家であったのか」という某不動産会社懸賞論文を読んでみると、現実をわざと見ないでそうありたいという自分の願望をいかにも現実かのように思い込んでいる人がけっこういるのだと思い知らされ、なんとなくアブナイ感じを受けているのはワダスだけではないのではないか。

■前回お知らせしましたが、10月8日から20日まで聲明グループ七聲会の全英9カ所ツアーがありました。最北のヨークから順繰りに南下すれば移動距離もそれほどないはずなのにプロモーターのムチャクチャな計画によってイングランド右往左往の旅になりました。ロンドンに近いブラックネルを皮切りに東のケンブリッジへ、そして西のユーレイ(スウィンドンの近く)へ行った次の日にはまた西のケンブリッジに近いノーリッチへ走りそこから一気に北のヨーク、そして今度はまたまたノーリッチに近いカンタベリーへ向かい、ロンドンの教会で公演した夜はロンドンに泊らずに即座にブライトンへ移動してワークショップと公演、さらにロンドンを通り越して再び北のノッティンガムへ走り最後の公演を行った後、ロンドンのヒースロー空港へ戻って上がりでした。まるでムチャクチャな出目のサイコロに動かされた双六のような旅。しかも今回は予算の関係で運転手を雇わずにレンタカー2台を借りて自力移動でした。借りたのはVWのSharanとPolo。同じ左側通行とはいえ馴染みのない外国の道路で運転することに当初は不安はあったものの、イギリスの無駄のない適切な標識とやさしいイギリス女性の声が誘導するカーナビによって結果的にはむしろ日本を移動するよりもずっと楽に安全に旅をすることができました。総走行距離は1391マイル=2,239kmでした。落ち着いたらツアーよれよれ日記をホームページに掲載する予定です。

■落ち着いたらと書きましたが、上のイギリスツアーの後、中川家周辺がにわかに忙しくなり、いまだに落ち着いていないのです。ロンドンを19日の夜に飛び立って朦朧としつつソウルのインチョン空港に着き飛行機を降りたところで大韓航空の女性職員が「MR. Hiroshi NAKAGAWA」と書いたボール紙を掲げて待っていたのでした。聞くと、家族の人に連絡をするように、という。あっ、ついに来たか、と思いつつ同行の若いお坊さん河合真人さんの携帯電話を借りて配偶者に電話しました。ものすごい雑音のなか切れ切れにかねがね入院していた山形の母がその日の早朝亡くなった事を知りました。母は糖尿病と高度の認知症で8月末に入院していました。ツアー直前に見舞ったときに、ツアー中に逝くということもありそうだと思い、その場合の覚悟もある程度はできていましたが、なんというタイミング。深夜に帰宅しツアーの荷物を展開する間もなく2時間ほどの仮眠を取りJALの早朝便で山形へ飛びました。ワダスはチョウナンなので昨年の父に次いで再びモシュとなり、小豆島から駆けつけた弟夫婦や山形の叔父、葬儀屋との打ち合わせ、通夜、入出棺、火葬、お骨拾い、葬儀、事後の実家や役所関係諸手続きなどなどめまぐるしい慌ただしさ。通常は二三日はかかる時差ぼけも海外旅行後的興奮痕跡も一気に吹き飛びました。年金停止に伴う手続きなど若干仕事が残っているので今週にも再び山形へ行くことにしています。 
 お葬式の次の日にいったん神戸に戻り、その次の日の25日は江戸へ。26日の金子飛鳥さんと久米大作さんとのコンサートのためのリハーサル、そして26日、コンサート後の打ち上げを泣く泣くパスして会場を後にし、冷たいトリづくし弁当をもそもそと食べつつ新幹線で神戸に戻りました。26日に江戸に泊まれなかったのは、次の27日に京都でジュギョーがあったからです。準備もないまま七聲会の宍戸さんの協力でなんとかジュギョーをごまかしてやれやれと思っていたら、ロンドンで音楽事務所をやっている柳沢晶子さんから来年4月の七聲会のオランダ・ベルギー・オーストリアのために文化庁へ助成金申請のためのメールが矢継ぎ早にやってきて、イギリスツアーの荷物を解きつつそれを処理し、ようやく31日に申請書を投函。そうこうしていると11月7日の東京のコンサートの譜面やら音源が作曲家の上田益さんから届き練習せねばと思いつつ、今日はCAPのスタジオQ2のイベント「CAPクルーズ」のためのカレー製作なのでした。「CAPクルーズ」本番は明日の3日でありますが、とんでもないことに京都のダイガクはこの国民的祝日にもジュギョーをせよとのお達しで、その準備もしなければならず、未だに落ち着いた、従来のヒッマダー状況になっていません。4日は江戸でリハーサル、次の日に山形へ行き亡母の事後処理、6日は千葉の叔母を訪ね、そして7日に東京でコンサート、というあわただしい日々がまだまだ続くのでありました。(つづく)

■イギリスツアー中の朝食たっぷり摂食が習慣となりまして、通奏低音のような腹部膨満感はありつつも体調は悪くありません。今の朝食のおかずは、なんといっても雪割納豆。これまでは酒のあてとして軽くない役割を果たしていましたが、今は完璧なご飯の友人としてその地位を確立しました。この雪割納豆はわが故郷の置賜地方でしか手に入らないすぐれものです。納豆好きにはもちろん、ひょっとしたらチーズ好きのオーベイ指向の人たちにもお薦めできます。インターネットでも入手可能なので皆様、お試しあれ。

これからの出来事(10~11月)

 週1回のジュギョーはずっと続きますが、その他の出来事です。

■前回もお知らせしましたが、江戸でのコンサートです。 
11月7日(金)19:00開演/"Pray For Asia"---そらとうみのあいだ/東京芸術劇場中ホール、東京/予約・問い合わせ/アール・ヴィジョン03-5918-6021 
---久しぶりの江戸が続きます。ワダスも一部録音に参加しているCD「そらとうみのあいだ」を最近発売した作曲家の上田益さんのプロデュース。CD「そらとうみのあいだ」は聴くとふわーっとしてとても気持ちがいいですよ。高野山のお坊さんなどの他、20人以上のミュージシャンが参加するコンサートです。 
 詳しくは下記。 
 http://homepage3.nifty.com/s_ueda/ 
 または、 
 http://www.r-vision.jp/?pid=9614347 
 S席¥6,000 A席¥5,000と割と高めの入場料でありますが、上田さんからのこんなメールが届きました。 
---「めんこい通信を見て」あるいは「HIROSさんの紹介で」と書いてsottovoce@music.nifty.jp に「特別価格の情報を送れ」とメールしていただくと、 なんと!おどろきの価格情報をお届けします。--- とのことです。

■11月9日(日)/HIROS穴追いライブ/永運院、京都/HIROS:バーンスリー/問い合わせ:NPO法人気功協会/072-668-2225 
 このライブも恒例になりました。名前がちと変ですが「穴追い」というのは実に気持ちがいいものですよ。

■11月28日(金)/まちのコモンズ-船場建築祭3 in 高麗橋2丁目/船場界隈、大阪/HIROS:バーンスリー/問い合わせ:船場アートカフェ 
http://art-cafe.ur-plaza.osaka-cu.ac.jp/ 
 なんか、大阪の町中で演奏するというような企画です。まだ想像できませんが。