めんこい通信2013年1月26日号

 ええ、バーンスリーのHIROSです。
 この通信はBCCでお送りしています。皆さまの生活向上にはまず役に立たないと確信していますが、ふとお時間のあいたときにでも一読下されば幸いです。こういう無益なメールは不要だという方はお知らせ下さい。
 まずは、かなり遅いですが、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

===まずは宣伝===

■1月27日(日)/音楽を作る人に聞く~音楽家の耳と脳 #1『フォルマント兄弟に聴く』/CAP CLUB Q2、神戸/アーティストトークとミニコンサート/出演:フォルマント兄弟:三輪眞弘+佐近田展康、岡野勇仁(MIDIキーボード&MIDIアコーディオン)、田中悠美子(三味線)、聴き手:Hiros(インド音楽演奏、研究家)
 明日の話です。三輪眞弘さんと佐近田展康さんという無類の面白い人たちの話もわくわくですが、岡野勇仁さんと田中悠美子さんの生演奏も楽しみです。みんなそれぞれとんでもない人たちです。
 お時間と御意思のある方はぜひいらしてください。参加申し込みは下記から。
http://www.cap-kobe.com/club_q2/2012/12/16111800.html
 ワダスがなぜこんな企画をしたのかについては下記をご参照ください。
http://sound.jp/tengaku/MusicalEssay/capture.html
 このシリーズは2月15日(金)野村誠、3月15日(金)椎名亮輔両氏へと続きます。
 野村さんの回についてのワダスの企画趣旨エッセイは以下。
http://sound.jp/tengaku/MusicalEssay/capture2.html

===巻頭ぶつぶつ===
 12月16日、堺市立栂文化会館ホールの公演を終えた帰路の車中ラジオのニュースで衆議院選挙の結果を知り、田中峰彦、りこ夫妻とともに暗澹たる気分で、うどんやで打ち上げ。民主党の失政とか選挙制度による選択肢の制限とかがあったとはいえ、なんとなくきな臭い憲法改正論とか原発建設を推進してきた自民党の圧勝は、大きな失敗もなく演奏を終えた平和なやれやれ感を重苦しくしたのでした。
 今の日本には、借金だとか、介護とか、年金とか、中国、韓国との関係とか、デフレとか、いじめとか、きりがないほどやっかいな問題が多い。問題の一つ一つが複雑で簡単に解決するとはとても見えない。個々人の生活もキボウに満ちたとはとてもいえない。夕食のメニューはどうしようか、明日の宴会に何を着ていこうか、会議でどんなプレゼンをしようか、腹部膨満感でとにかく気分がぱっとしない、昨日の寿司はまあまあだった、あいつとどうやって仲直りしようか、なとなど、とりあえず考えたりやるべきことが多いので、竹島や尖閣諸島や原発や国家財政がどうのこうのも、ま、ほんまは考える必要はあるけど面倒だ。どの政党もいろんな約束をいってるけどそんなに変わらない。あれこれと考える必要が出てくる政治の混乱状態よりは、かつてそれなりに安定していた自民党にでも入れておけばいいか、と。コクミンとしてのわれわれは自民党に政府の仕事を任せることにした。コクミンを導くのは彼らの仕事であり、われわれはそれに従うだけだ、と。もしこんな感じで自民党が圧勝したのだとすれば、われわれはあまりに怠惰なのではないか。コクミンが怠惰になりリーダーに任せてしまったばっかりにとんでもないことになった例はこれまでもなんどもありました。ではどうすればいいのか、と問われるとなんとも答えようがないのですが、かなりヤバい状況といえます。
 先日、NHKBS世界のドキュメンタリー「イエローケーキ」を見ました。旧東ドイツ、ナミビア、カナダのウラン採掘の様子でした。どこも環境汚染と労働者の状況がひどい。原発を動かしたりすることは、こうした採掘現場の問題を輸出する、つまりわれわれは世界中から資源を輸入して輸入元に汚染と格差を輸出しているといえます。同じようなことは木材の輸入にもいえます。国土に占める森林面積比率は、アメリカが約3割、ニュージーランドが3.5割、カナダが4.5割、チリが2割、ベトナムが4割。ここにあげたのは日本が紙パルプを輸入している主な国々です。わが日本は、森林面積比率約7割をキープしつつ外国から木材を輸入し、紙をがんがん使っていると。他国の資源を収奪して自国の資源を保つ美しい日本というわけです。こんなことも最近知ってぎょっとしました。じゃあお前はどうしたらいいと思うのかと問われると、なるべく電気や紙を節約します、と小声で申し述べる以外具体的行動は思いつきませんが。
 ともあれ、リーダーたちに全部おまかせしなくてすむよう、怠惰にならずせっせと知識を増やして想像力を逞しくしていくしかない、と書いたところでものすごい睡魔がやってきたのでありました。


===これまでの出来事===

・11月1日(木)十夜法要/百万遍知恩寺、京都/室優哉:タブラー、HIROS:バーンスリー
 京都大学に近い百万遍知恩寺の法要で演奏しました。当日の境内では古書の露天マーケット。主に仏教書関係の古書で面白そうな本もあり、じっくり見て回りたかったのですが、時間がないのと寒かったので断念。知恩寺式衆会の聲明が素晴らしかった。ここの式衆であるわが坊主バンド「七聲会」の河合真人さん、池上良賢さんもいましたが、聲明はせずにお世話係をしていました。
 本堂はとても寒かったが、室さんのタブラー伴奏で気持ちよく演奏できました。ぱらぱらっとした客席の中に、羽田美葉さん、野村誠+薮夫妻、バーンスリーのグミさん、島根の瀬古さんなど知り合いの姿も見えました。

・11月22日(木)18:00~/船場博覧会2012/三井ガーデンホテル大阪淀屋橋1階ロビー、大阪/PA:小島剛/HIROS:バーンスリー
 前にも同じ場所で演奏したことがあったことを現場に行って思い出しました。「水都大阪フェスでは雨で中止になりすみませんでした。そのかわりといってはなんですが」と主催者の杉本容子さんから依頼されました。イベント名称の割にはちとしょぼい感じではありましたが。夕暮れ時の路上の聴衆の中には、升田光信さん、昔十津川盆踊り合宿で会いその後シタールを練習しているという岡田のぞみさんなどの姿も。最近頭痛に苦しんでいたという升田さんは「演奏を聞いたら頭痛が治った」と申し述べていました。以前に肩こりが治ったという人もいましたので、ひょっとしてバーンスリーというのは薬効というか治癒力があるのかもしれません。クリニックでも開業しようかなあ。

・11月24日(土)/話の旅/Q2、神戸
 CAPの高濱浩子さんの「話の旅」シリーズ最終回。ゲストは、岩手の民俗芸能専門誌「とりら」を編集発行している飯坂真紀さんと写真家の赤坂友昭さん。被災地を含む岩手の民俗芸能の豊かさと震災後の取り組みなどが紹介されました。関西に住んでいると分からない世界です。

・12/1(土)「こころ朗らなれ、誰もみな」刊行記念トーク&朗読会/Q2、神戸
 復刊した雑誌「コヨーテ」編集長の新井敏記さんの企画。ポール・オースター、ジョン・アーヴィングなどアメリカ文学の翻訳者として名高い柴田元幸さんの翻訳したヘミングウェイの短篇の朗読が新鮮でした。新井さんと柴田さんの対談を聞いていると、文学解釈の深さと広がりを感じます。

・12月8日(土)/短足麻雀/曽我了二、幸田庄二、中川家
・12月16日(日)、14:00~/いずみおやこ劇場例会/堺市立栂文化会館ホール、大阪/茂山あきら:狂言、柳田紀美子(東インド古典舞踊=オリッシィ)、田中峰彦(シタール)、田中りこ(タブラー)、HIROS(バーンスリー)
 11年9月の岸和田自泉会館で行われたものとほぼ同じ演目でした。舞踊の伴奏ではミクロ単位の破綻もありましたが、200人くらいの聴衆にはまあ満足していただけたのではと思います。地元だから任せて、とおっしゃった柳田さんに案内されたお寿司屋は「時価オンパレード」でビンボーニンにはなかなかにスリリングでした。高級感は味わったものの満腹にはちと足りなかったので、田中夫妻と尼崎近くの讃岐うどん屋へ。その途中に選挙結果を知ったという訳です。

・12月20日(木)/ノンエレクトリックCAPミニ音楽祭CAP Non-electric Small Music Festival/KIITO 01、神戸/榮百々代(奄美島唄)、CAPリコーダー部(上村亮太、金井和歌子、伊藤まゆみ 、神谷千晶)、Hiros(バーンスリー) 、Q2ペリカンズ(岩本象一、シモダノブヒサ、宮本玲、丁友美子)
 KIITO 01というのは、旧生糸検査所の大きな建物を改装した「デザイン・クリエイティブ・センター神戸」内のCAPが一時的に借りた空間。小さなスペースでほんわりとしたライブになりました。

・12月21日(金)/胃カメラ検査/ポートアイランド病院
 例の膨満感のため、旧市民病院の後にできたポートアイランド病院へ行きました。まだ20代とおぼしき小柄な女医が担当でした。患者のワダスとまともに眼を合わせずディスプレーをにらんだまま話す若い女医のそばで、横幅の広い40代半ばとおぼしき看護婦Aが立ってあれこれと女医に指示する状況は、がらあんとした病院の雰囲気と合わせて、なかなかに不安を感じさせる。これは初診のときのこと。
 で、この日の検査は、腹部エコーと胃カメラ。そういう方針になっているのか、どちらも女医が担当。エコーは痛くも何ともないのですが、胃カメラではけっこう苦しかった。初診時と同じ看護婦Aが問う。
「鼻からにしますか、口からにしますか」
「ええ、どちらでも」
「どっちか決めてもらわないと困ります」
「ええ、じゃあ、鼻で」
 ということでまず右の鼻の穴からカメラを入れようとしたのですが、痛くて入らない。では、と左を試しても痛い。結局、口からになりました。病院では当初から口からは想定していなかったので麻酔もなし。げほげほ涙眼んげんげだじけでーなのでした。

・12月23日(日)/Masa 藤原還暦記念HIROSライブ/Sarah Brayer宅、京都/松本晃祐:タブラー、HIROS:バーンスリー
 昨年6月に京都のカレー屋でライブをしたときに来ていたお客さんのアメリカ人女性アーティスト、サラ・ブレイヤーに「夫のMasaの60歳誕生パーティーで演奏してほしい」と頼まれたミニライブ。
 当日はまずタブラーの松本君宅で練習。介護士の仕事をしつつタブラーを演奏する松本君に最近子供ができ、階下では奥さんが授乳をしているのでした。アリ・アクバル音楽カレッジでシタールを習っているという日系アメリカ人青年が数日前から泊まりにきていて、彼に眺められつつ練習し、車で5分のサラ宅へ。
 比叡山を見上げるサラの自宅はかなり大きく、内装やデザインも凝っていて邸宅と呼んでもいいかもしれません。背後に大きく楕円状に膨らんだ「総合地球環境学研究所」があります。
 口数の少ない主役のMasaは、建築やら観光案内やら何が本業なのかよく分からない人だが、自分で建てたという邸宅ややたらに外国人の友人が多いところを見ると手広くいろんなことをやって成功しているらしい。奥さんのアメリカ人サラは蛍光塗料を塗布した紙のオブジェの制作者。
 パーティーが始まる前、サラのスタジオに参加者が移動してのパフォーマンスでした。ワダスは口のまわりがかぶれて気分はもう一つだったが、20分ほどの演奏をこなしました。われわれの前は、男性二人の即興舞踏。一人は中高一貫の三田学園の教頭と聞いてびっくり。われわれの演奏後半で日舞のハイジ・ダーニングが加わり静かな即興舞踊を披露しました。ハイジとは昔、舞台で一緒になったことがありました。
 パフォーマンス後は広いダイニングを中心に飲み食いです。外国人比率は70%くらいだったかもしれません。京都、東京、パリに建築事務所を構えているという金子文子さん、ニューヨークを拠点に活動しているという振付家、舞踊家の中馬芳子さん、綾部の陶芸家村山光生さん夫妻などとおしゃべりしました。いったんしゃべりだすとブレーキのききにくい中馬さんがおおたか静流さんと知り合いだったり、元大阪芸大の中山一郎さんとは親友だという村山さん。Masa自慢の離れの茶室にある露天風呂に浸かって比叡山を眺めたり、その村山さんなんかと朝の4時くらいまでおしゃべりでした。
 藤原宅に泊まった中馬、村山夫妻、占いをする女性、Masa、三田学園教頭とワダスは朝食後、村山さんが展覧会をしているという嵐山の染織家、奥田祐斎氏の工房へ移動。渡月橋を左に見て上流を上った林の中にあるこの工房がすごかった。かつては料理旅館で、川端康成がそこで小説を書いたという部屋もありました。感動したというか驚いたのは二つの便器。紺の墨絵風の模様が焼き付けられた特注品。きっと高いんだろうなあ。村山さんの作品や染め付け工房を見て一服。村山さんの作品であるコーヒーカップを頂戴し、京都在住40年になるというアメリカ人ガイドのバイメルさん夫妻の車で大谷大学まで乗せてもらいました。この日は実は午後から講義があったのです。

・12月24日(月)/CAPクリスマスパーティー/KIITO01、神戸
 唇周辺のかぶれが最高潮になりつつ京都からそのまま毎年恒例のCAPクリスマスパーティー会場のKIITO01へ。相変わらずにぎやかで楽しいパーティーでした。会場の隅でしっぽりと会話している男女をみると、久しぶりに見たターラでした。相手は大人しい男性で、聞けば建築設計をしていると。なかなかにいい雰囲気でした。彼らと話している写真をナカボンに撮られたのですが、ワダスはローマの古い教会の由来を観光客に説明している神父みたいでした。
 ところで、唇周辺のかぶれの原因がどうやらバーンスリーにあるらしいと判明しました。竹に巣くう真菌だったと。かぶれが落ちついて練習を再開した次の日に再びかぶれたのでした。Facebookのバーンスリー仲間に問い合わせると多くの反応があり、同じような現象がワダスだけではなかったことが分かりました。

・12月26日(水)/インド総領事との会見/大阪
 わが坊主バンド「七聲会」のインド公演企画書をもってインド総領事に会いに行きました。ヴィカース・スワループ総領事は映画「スラムドッグ&ミリオネア」の原作『ぼくと1ルピーの神様』の作者です。京都在住のインド人の友人が彼にあった際に七聲会のことを話したらとても興味をもち、ワダスに会ってみたいということで訪問したのでした。彼の小説とか、ワダスのグルや知り合いの歌手ショバー・ムドガルの出身地が同じアラハバードだとかの話も交えていろいろと訴えましたが、結果がどうなるかはなんとも言えません。彼の任期は今年の6月までといってました。

・12月27日(木)/大腸内視鏡検査/ポートアイランド病院
 前夜に下剤、当日の朝は2リッターの腸内洗浄剤を飲んで臨んだ内視鏡検査でした。以前に受けた時は、麻薬っぽい注射を打たれたせいか、とろとろしているうちに終わったのでしたが、今回は麻酔もなかったせいか痛かった。副院長だという医師は「ぼくの検査は痛くないので定評なんだけどなあ」と、まるでこちらの腸内構造の問題だと言いたそう。結果は特に悪い所なしでした。胃カメラ、エコー、大腸内視鏡と、上から下からのぞいても結局わが膨満感の原因は分からずということに。で、ネットで調べると、どうもワダスの膨満感は小腸内細菌過剰繁殖SIBOである可能性があるらしい。このSIBOに関しては日本の医師はほとんど知らず、かつ治療法もまだ分かっていない。もしSIBOだとすれば、やっぱりしばらくはずうーっとつきあっていくしかないようです。

・1月2日(水)/西明石
・1月3日(木)/箕面短足麻雀/植松奎二、榎忠、島末、HIROS、宮垣晋三
 スーパーの私服警備でいつも信じられない万引きの話などをしてくれた島末さんは退職し悠々自適状態とのこと。とはいえ、彼の話はいつ聞いても面白く、われわれは本にすべきだとはやし立てるのでした。

・1月7日(月)/京都ミニ宴会/来恩、京都木屋町
 ジュギョーの後、木屋町の居酒屋で京都教育大の田中多佳子さんと久しぶりに宴会。田中さんはけっこう飲む。

・1月11日(金)/パスカル夫妻歓迎宴会/天竺園、神戸/
 ハネムーンに近い日本旅行にやってきたアクト・コウベ・フランスの仲間であるパスカルとアルベルトを神戸に迎えて遊びました。午前中は岩淵君、東野さん、中島康司さんの案内で西宮恵比寿へ。カナダのモントリオールの大学の先生である小太りのアルベルトは「どうもたこ焼きは嫌いだ」と申し述べる。
 ワダスは酒蔵を案内することなっていました。前日に予約したのが灘泉という酒蔵。阪神「石屋川」でパスカル夫妻、岩淵、東野を迎えて酒蔵へ。これが大ヒットでした。社長と二人でなにからなにまでやっているという60過ぎのオジサンが、やることができて助かったといわんばかりにわれわれを出迎えて、酒造りの行程を詳しく説明してくれたのでした。「これは内緒」といいつつ絞りたての原酒までいただきました。本来はまったく飲めない東野さんも利き酒に参加し「うーん、んまい」と申し述べる。アルベルトも満足の様子。
「ワインを飲むと鬱になるけどサケはいい」

 三ノ宮に電車で移動しだらだらとCAP Y3へ。カフェでCAPのメンバーとおしゃべりしたりスタジオを見て回ったりした後、天竺園で歓迎パーティーでした。参加は、岩渕拓郎、下田展久、白井廣美、杉山知子、東野健一、HIROS、そしてパスカル夫妻。うまさの安定した定番の水餃子、焼きビーフンなどでなごやかに宴会は続くのでありました。彼らは15日に離日しました。現在、パスカルはマルセイユのアパート、アルベルトはモントリオールの自宅。アルベルトはスイス生まれのカナダ人で、パスカルとは長距離夫婦ですが、二人ともなかなかに幸福そうでありました。

・1月12日(土)/短足麻雀/曽我了二、幸田庄二、中川家
・1月13日(日)/朝まで生
 知り合い数人が我が家で朝まで討論。ピエンロー鍋がうまかった。

・1月20日(日)/駒井家新年宴会/駒井家、西明石
「オーロラはもう一つはっきり見えんかった」と正月にフィンランドに行っていた駒井夫婦、愛知に住む姪の亜矢子夫妻+葉月、阪南に住む甥の仁史夫妻+舜、配偶者の老両親、そしてわれわれと久しぶりのにぎやかな家族宴会でした。

・1月21日(月)/大谷大学後期最終講義

===この間に読んだ本===

『二つの文化と科学革命』(C.P.スノー/松井巻之助訳、みすず書房、2011)
『考えてみれば不思議なこと』(池内了、晶文社、2004)
『スターリンと原爆』上下(デーヴィド・ホロウェイ/川上洸・松本幸重訳、大月書店、1997)
・・・旧ソ連の核科学者たちがどのようにして原爆を開発していったのか。これまで考えても見なかった。
『暴雪圏』(佐々木譲、新潮社、2009)
『テレビは原発事故をどう伝えたか』(伊藤守、平凡社新書、2012)
『世界を騙しつづける科学者たち』上下(ナオミ・オレスケス+エリック・M・コンウェイ/福岡洋一訳、楽工社、2011)
・・・かつてはとても優秀だった科学者たちが自身の思想的バイアスによって専門外の問題に強い負の影響力を行使し続けたというアメリカの怖い実話。
『ガンジー自叙伝』(池田運訳、講談社出版サービスセンター、1998)
・・・ガーンディーという人はつくづく自分の性欲に悩んでいたということがよく分かりました。
『地図を作った人びと』(ジョン・ノーブル・ウィルフォード/鈴木主悦訳、河出書房新社、2001)
・・・分厚かったけど、ま、一種のトリビアものとして面白く読めました。
『たまたま』(レナード・ムロディナウ/田中三彦訳、ダイヤモンド社、2009)
『文明崩壊』上下(ジャレド・ダイアモンド/楡井浩一訳、草思社文庫、2012)
・・・多くのモアイ像を作っていたイースター島の文明はどのようにして崩壊してしまったのか。それで船を造れば島から脱出できたはずなのにそうせず、最後の木材まで切り倒してしまったのはなぜか。などなど、これまで、かつて繁栄した文明が崩壊した例を紹介している。原発の使用済み燃料の最終処分の方法を未来の科学者に託して、最も危うい地震国に原発を建設してきた今の日本とも重なる。久々の充実した読書体験でした。
『魚は痛みを感じるか?』(ヴィマトリア・ブレイスウェイト/高橋洋訳、紀伊国屋書店、2012)
・・・「痛み」というのは生体を維持するための基本信号なので魚は痛みを感じるといっていいらしい。キャッチ&リリースは魚にやさしそうだが痛がっているとすれば話は別。魚は釣ってよく、猫はだめという論理が成立するのかもかなりあやしい。
『平気でうそをつく人たち』(M・スコット・ペック/森英明訳、草思社文庫、2011)
・・・「邪悪性とは、自分自身の病める自我の統合性を保持するために、他人の精神的成長を破壊する力を振るうことである。簡単に言えば、これは他人をスケープゴートにすることである」。こうした例はまわりにも多くありそうだ。中国や韓国にいきり立つ日本人たちにも同様の傾向はありそうです。
『パラサイト日本人論』(竹内久美子、文藝春秋、1995)
『複雑な世界、単純な法則』(マーク・ブキャナン/阪本芳久訳、草思社、2005)
・・・カオス理論からさらに踏み込んでいく一つの方向性か。読みにくいけど、中味はかなりスリリング。
『国家は「有罪」をこうして創る』(副島隆彦、植草一秀、高橋博彦/祥伝社、2012)
・・・さっと読めた。ワダスも学生時代に捕まって経験があり、あり得る話ではありけど。

===これからの出来事===

 後期のジュギョーも終わり、徹底的になあーんもない2月、3月に突入です。とはいえ「まずは宣伝」でも書いたように、二つのイベントがあります。そして例年のように4月から毎週ガッコに通うと。今年の後期から佛教大学が加わります。

■1月28日(月)/下田雅子+HIROS生誕記念宴会/中川家、神戸/参加:下田展久+雅子、大野裕子、森信子、中川博志+久代
■1月31日(木)/CAP讃岐うどん+アートツアー/谷川米穀店(ことなみ町)、山越(綾上町)、中村(飯山町)、金比羅山、猪熊弦一郎現代美術館、将八うどん(丸亀市)

 久しぶりの讃岐うどんツアーで、CAPの参加者も盛り上がっています。

■2月15日(金)/音楽を作る人に聞く~音楽家の耳と脳 #2『野村誠に聴く』/CAP CLUB Q2、神戸/出演:野村誠、聴き手:Hiros
■3月15日(金)/音楽を作る人に聞く~音楽家の耳と脳 #3『椎名亮輔に聴く』/CAP CLUB Q2、神戸/出演:椎名亮輔、聴き手:Hiros