めんこい通信2014年1月29日号

 月並みかつかなり遅ればせですが、新年明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
 年賀状をお送りいただいた皆様、ほぼ20年来こちらからはまったく出していないのにありがたいことです。この年賀状という習慣も、じわじわと廃れつつあるような気がします。
 ワダスが生まれた1950年の日本の人口は約0.84億(世界25.5億)。その年の年賀状は4億枚発行されているので単純計算で一人当たり約4.7枚。その後発行枚数はどんどん伸びて、ピークは2004年で約44.5億枚。当時の日本の人口1.27億(世界63.7億)で割れば一人当たり約35枚。で、今年の2014年用に発行された年賀状は35.8億枚。現在の人口1.26億(世界70.7億)で割れば一人当たり28枚。一人当たり発行枚数は減ってきています。ま、近い将来にはなくなる習慣かも知れません。となると、配達していた人たちの仕事はなくなるわけです。
 この傾向はネットの普及と関係しているんでしょうね。
 こういうものに限らず、かつて人がやっていたことはどんどん機械に置き換えられつつあります。他人の株主優待カードがあるためまれに行く三宮のミント・シネマでは、数人の売り子がチケットを販売していましたが、最近になって全部自動販売機に替わっていました。販売カウンターに並んでさばいていた人たちに支払われていた人件費は、自動販売機の製造会社に移動したわけです。
 今に始まったことではないのですが、こういう傾向はほぼあらゆる領域で進行しつつあります。どうしても人手の必要な業種はあるとはいえ(皮肉なことに福島原発の廃炉作業は機械化が困難)、向かう方向は人手の不要な社会。こういう社会は機械関連の大企業にはうれしい。今では機械は機械によって作られるので、必要なのはどういう機械をどうやって作るかを考える人だけになるでしょう。
 ルンバよりもっと手のこんだ掃除ロボットがそれぞれの部屋と公共部分で疲れをみせず動き回ると、お掃除オバサン、オジサンは不要となり、人件費はロボット・メーカーへ移動する。寿司職人に支払われていたゼニは自動寿司にぎり機メーカーへ、車もそろそろ自動運転になるらしいから運転手という仕事もなくなり、アマゾンなんかは自動飛行配達ロボットを開発しているらしく、そうなると配達関連労働者は失業し、ネット経由で一度に数万人を相手に講義をすれば大半の講師の人件費は一部のカリスマ講師とPCやタブレットの機械メーカーとネット企業に移動し、すでに実際あるらしいが3Dプリンターで家まで作ってしまうとなれば、左官屋も大工も屋根職人などの人件費はほとんどプリンター関連企業への支払いへ、というようになるかも知れません。大きくなった機械関連大企業では企画立案するものだけが必要だということで、ごく一部の管理職以外はすべて低賃金の派遣社員だけ、なんてことも起こるし実際に起きているらしい。となれば、現実に肉体を使って生み出していたものをすべて機械にまかせてしまう未来社会は、ごく少数の富んだ企画立案者や管理者や資本提供者と、片やその領域に参入できない多くの貧者の2種類の人間が共存することになります。でわれわれミュージシャンとかアーティストは、富者の富のおこぼれをいただいて生きるというわけです。現在、世界中で進行している状況というのはこういうことみたいだなあと、ほぼジョブレスミュージシャン夫とほぼジョブレスエディター妻はぼやーっと考えつつ、朝のんこの量とか、晩飯なにするとか、どんなテレビ番組見ようかとか、アベ嫌いとか、特定秘密保護法もジミントーもケシカランとかをニュースを眺めて突っ込みを入れているうちに64歳という年齢に突入したのでありました。ワダスが高校生のとき、ビートルズが「When I am sixty-four」と歌っていたその年齢です。
 ところで、われわれがテレビを見ながら大徳寺納豆を口の中で転がしつつ何度も突っ込んだ特定秘密保護法という法律は、とんでもなく危険な法律に見えます。どういう人たちがこの法案作成に関わり、どういう議論の末に提出されたのか。こういうことが見えてこない。実際、議事録は非公開になっているらしく、その理由は明らかではないとのこと。こういう、なんとなく不気味な意思と、運用する側の意思次第でいかようにも解釈できる法律が成立してしまうという状況そのものがとても不気味です。成立してしまうとマスコミやネットの大騒ぎがすっと静まったのも不気味です。アベの靖国神社参拝を許容する人が過半数いる、という状況も不気味です。われわれの社会はどうも不気味方面に向かいつつあるように見えます。与党側は「戦前のようになるなんという心配は杞憂だ」と申し述べていますが、成立までのドタバタと審議の少なさ、すっきりしない説明を見ると、この国の明確な将来の形なんかなにも考えてもいないのに、なにかある種の、人類全体の生存とは関係のない、一部の人間たちのけちくさい自尊心を満足させるための感情に突き動かされているとしか思えません。ともあれ、こんな無茶苦茶な法律が実際に施行される前になんとか骨抜きにする方法はないものか。どうしたらいいんだろう。加えて、原発事故であれほど広範囲に放射能汚染をまき散らし、その解決にまだ何年もかかるというのに、再稼働だあ、原発輸出だあと臆面もなく叫ぶアベ内閣に速やかに退陣してもらう方法はないものか。まったく、どうしたらいいんだろか。

===これまでの出来事===

■11月1日(金)/十夜法要/百万遍知恩寺、京都/室優哉:タブラー、HIROS:バーンスリー
 昨年も同じ日だった知恩寺で演奏しました。タブラーも同じ室君。境内の古本市はとても魅力的でしたが、ゆっくりと見て回る時間がなく残念。知恩寺の控え室で七聲会の池上良賢さんとおしゃべりに興じた後に出番。お客さんは去年よりは少なく、みなお寺に集う人たち共通の年齢層と表情のように見えたのでありました。
「みなさん、よく楽器が見えるようにもっと前においでいただいて結構ですよ」
 このお坊さんのアナウンスで、50代から70代に見える女性たちの一団が内陣にあるわれわれの舞台のそばまでじりじりと近づいて座り見上げるのでした。
 演奏が終わると、一団はさらに近づき入れ替わりに室君の手に触ろうとする。みな、室君のものすごいスピードでタブラーを叩く手に魅入られたようでした。もっとも、同じようにけっこうなスピードでバーンスリーを吹いていたワダスには誰一人手を触りにこなかったわけですから、女性の一団は単に若くてかっこいい室君の手に触りたかっただけなのかもしれません。こうして室君は手触上人となったわけであります。

■11月2日(土)/バリ・ワヤン/大阪音大
 ワヤンはこれまで何度か見た事がありましたが、光と影が作り出す幻想的な雰囲気は味わえたにせよ、芸能全体を楽しめた事はありませんでした。ところが、この公演は違った。ダランが日本人ということ、ガムランが軽快なバリ式だったことが大きかったせいか、物語に没入する事ができ、初めてワヤンを楽しむ事ができた。ダランの梅田さんの語りとときおり挿入される即興台詞で巧妙で、まるで落語のように楽しめたのでした。小林江美さん率いるガムラン楽団もよく訓練されていて安定していました。
 会場には、見知った顔が多かった。龍谷大の青木恵理子さん、那智勝浦でよくお会いした芝先けいさん、ダルマ・ブダヤやかつてのマルガサリのメンバーたちの姿も。
 帰りは、殺人的に忙しいという青木さんとおしゃべりしながら十三まで同じ電車でした。

■11月7日(木)/亀岡紀子+小鯖慎人青年来宅
 亀岡さんは、二胡奏者の賈芳鵬など、中国人演奏家のコンサートを企画する東京在住の女性です。賈さんや古箏の姜小青なども加わったエイジアン・ファンタジー・オーケストラのアジアツアーでも一緒でした。その亀岡さんから「二胡を教えている青年がインド音楽に興味があるというので一度一緒に訪ねたい」とのことで来宅となったのでありました。
 小鯖青年は、岩手出身らしい、ちょっと粘り着くような訥々としたしゃべり方でインドに行って音楽を勉強したいと申し述べる。それを、息子の願望はすべて叶えてやりたいと願う母親のような亀岡さんが見守り、ときどき「この子は音楽的な勘がすごくいいのよ」などと言い添えるのでありました。
 早速、コルカタのサロード奏者テージェンドラに連絡したら即座に、大歓迎だ、なんなら泊まる場所も手配しておこうか、と反応が返ってきました。というわけで、小鯖青年は今頃コルカタでサロード修行に明け暮れているはず、です。

■11月15日(金)/リハーサル/Q2、神戸
 Q2イベントでは恒例になってきたカレー制作も兼ねて、下田バンドのリハーサルに参加しました。お手伝いのCAPの築山有城さんと下のダイエーでカレー材料を買いQ2へ。約60人分のカレーの材料はけっこうな量で運ぶのも大変です。一緒に運ぶ事になっていた築山君はしかし、「娘が寝ちゃったので」と車で待機することになり、大量のカレー材料をワダス一人で購入し運ぶはめになったのでした。買い物カートに乗せた段ボールが転げ落ち、中に入っていたタマネギ、ジャガイモが勝手な方向に走り出し、それを拾い集めつつ、こんなのは一人じゃ無理なんだあ、とつぶやくのでありました。

■11月16日(土)/CAP音楽祭「CAPおんせん」/CAP CLUB Q2、神戸/出演/上坂朋也+大橋一慶+中尾幸介+藤澤バヤン+松本晃祐+室優哉:タブラー、祝丸:和太鼓、ふいごっち(金子鉄心+藤沢祥衣):アコーデオンなど、Q2ペリカンズ(シモダノブヒサ+宮本玲+丁友美子+岩本象一)、石上和也:ノイズ、小島剛:コンピュータ、児嶋佐織:テルミン、Haco:声、HIROS:企画・構成
 このちょっと風変わりな長時間イベントは、下田さんの「去年のKIITOでやったみたいなのをまたやりたいね」というのがきっかけで企画したものです。企画のための条件は相当に厳しい。ゼニがない。したがって、ゼニがなくとも面白がるプロレベルのミュージシャンであることが条件。ワダスの頭にまず浮かんだのは、関西の若手タブラー奏者を一同に集めてみたらどうなるだろうか、ということでした。あれこれ下田さんと相談した結果、上記のような出演者に演奏してもらいました。全体を和太鼓+エレキベース、ノイズ+歌+テルミン、ラップトップ+テルミン、ヨーロッパ民族音楽、Q2ペリカンズという5つの単位に分け、それぞれの単位に必ずタブラー奏者が加わり、それぞれ40分ずつ演奏するという編成です。結果的には、内容としてなかなかに面白かったのですが、残念ながらとても数少ない聴衆でありました。単体だとそれぞれのグループの音楽に親しんでいる人たちはどんな内容になるか予測できますが、このようなジャンルの違うミュージシャンたちのセッションになると、それなりに安定した安心感が期待されなかったのかもしれません。それにしても、ほとんど30代前半の手だれタブラー奏者がこれだけ関西に揃っているというのは驚きです。みんな、それぞれに味があり、他のジャンルとのセッションにも柔軟なので、これからも彼らをいじりたいなと思いました。というわけで、今年も6月14日にこのCAPおんせん第2弾を企画しています。

■11月23日(土)/短足麻雀
■11月24日(日)/神戸文化祭・海のうえのパーティー?「ナンデモナイヒオメデトウ」/CAP CLUB Q2、神戸
 CAPの若い人たちが立ち上げた神戸文化祭。今後数年かけて徐々に盛り上げていこうということです。うまく花開いていけばいいなあ。

■11月29日(金)/カレー調理+ア・ラ・メール/CAP CLUB Q2、神戸
 やはりカレー作り。次の日のイベント企画者の高濱さん、下田さんとダイエーで買い出しQ2で60人前ほどのカレーを作りました。カレーの他に打ち上げ用の扁炉鍋の下準備も。で、こんなにハタライテいるワダスに、高濱さんは「新井さんとの対談に出てほしい」とさらに要求を加えるのでした。女性に何か頼まれれば拒めないワダスは承諾したのですが、新井さんのことも、雑誌Coyoteのこともあまり知らないのにいったい何を話したらいいんだろうかと、ちと不安を覚えつつカレーにあふれる寸胴鍋をかき混ぜるのでありました。
 この日は、月に一度のCAPア・ラ・メールの日。例によって杉山トモさんがかいがいしく調理した料理をいただき、おしゃべりなのでした。

■11月30日(土)/Coyote+MONKEYフェア「夢の響宴ー言葉と旅と音楽と」/CAP CLUB Q2、神戸/出演/柴田元幸(翻訳家・東京大学教授)、岸本佐知子(翻訳家・エッセイスト)、新井敏記(コヨーテ編集長)、シモダノブヒサ(g)+宮本玲(vn)+丁友美子(cl)、HIROS(やっぱりカレーおよび打ち上げ用扁炉鍋製作および対談ゲスト)
 神戸に東京が出張してきたような印象でした。いまだにこんな雑誌がまだあったのかと思えるほどハイブローな旅の雑誌『Coyote』編集長の新井敏記さん、ポール・オースターなどアメリカ現代文学の翻訳者である柴田さんの、ちょっとシニカルかつユーモアのある語りと朗読(下田さんのギターソロBGMが秀逸)、ワダスの不勉強でこれまでまったく知らなかったアメリカ作家の翻訳やエッセイで著名な、いかにもおしゃれな外見の岸本佐知子のちょっとへんちくりんな自作エッセイの朗読。うーむ、こういう雰囲気は、やはり東京っぽい。70人近くになったお客さんたちの雰囲気も、いつものQ2に集まる人たちとは違って、どことなく東京っぽい。
 新井さんのトークのとき、キッチンで打ち上げ用扁炉鍋の準備を終えたワダスに舞台に上がれとの指令がきまして、対談相手にされました。旅のことなので誰でもよかったようです。インドやインド音楽のことについてちょっと対談し、ついでにバーンスリーもちょこっと吹きました。
 カレーも扁炉鍋も大好評だったし、お客さんもたくさん入ったし、購入した柴田さんのなかなかに面白いエッセイ『ケンブリッジ・サーカス』にサインもいただいたし、なかなかに楽しいイベントでありました。

■12月1日(日)/山小屋お披露目BBQ&芋煮パーティ/江見洋一山荘、神戸/HIROS:芋煮調理
 急勾配の細い坂のてっぺんにある実家のすぐ下の空き地に小屋を建てた江見さんのお披露目宴会でした。キッチンとトイレだけの文字通りの小屋なので寝泊まりはできません。江見さんに「ぜひ芋煮を」との要請を受けたので、今回はワダスの村のスタイルである味噌ブタではなく、山形市周辺の醤油べごスタイルの芋煮を作りました。 
 山小屋の出来映えと、調理器具、アウトドア設備は江見さんらしくどれも過不足なく洗練されたものばかりでした。これからも野外宴会が楽しみになります。
 通常の芋煮会は9月から10月にかけて河原などで行うのですが、神戸とはいえ12月の山腹は寒い。参加者は完全防寒姿でした。
 芋煮の前のバーベキューがすごかった。大量の肉野菜、ソーセージ、エビなどが次々に焼かれ参加者の消費スピードと消費量を猛烈に加速させるので、芋煮の出番がなかなか回ってこない。ようやく芋煮ができあがりみんなでふーふーいいながら食べました。これまで蔑視していた醤油ベゴ芋煮も、んまかったなあ。
 で、この日は特に、決めのでんぷんとして、芋煮の残り汁にカレールー、さらにうどんを入れるという計画でした。ところが、参加者を完全な満腹にするという意思に満ちた江見さんは後から後からバーベキューの素材を網に乗せ次々と「エビできたよおー」などとと叫ぶ。「あのお、うどん投入いいべが」と聞くのだが、江見さんは「まだまだ。次は○○を焼くからちょっと待て」と指令を出す。というわけで、寒い江見山小屋宴会は苦しいほどの完璧満腹で終わったのでありました。

■12月5日(木)/超限定同窓忘年宴会/ミュンヘン北大使館、大阪梅田/参加者:安藤朝広、奥山隆生、湊隆、HIROS
 ふと思い出したように開かれる北大同窓生宴会。ワダス以外の面々のビール消費速度が異様に速いのでいぶかっていたのですが、時間制限ビール飲み放題コースを予約していた事を後で知りました。最初に知らせてほしかったなあ。

■12月7日(土)/神戸ビエンナーレをさらに盛り上げるために「100人のアーティスト」が集まる会/CAP CLUB Q2、神戸
 榎忠さん、ダンスボックスの大谷さん、CAPメンバーなど知り合い含め、60人ほどが集まり、神戸ビエンナーレについて意見交換をしました。2年に一度開かれる神戸ビエンナーレは運営上さまざまな問題をはらんでいるようです。ただ、いろいろな意見が出ていましたが、こうした集まりが問題解決にどうつながるのかよく分かりません。未消化感の残る集まりでした。

■12月13日(金)/磯本メモリアルおよび短足忘年会/鴻華園、神戸/出席:植松奎二+渡辺信子、榎忠、岡田淳+由起子、幸田庄二、杉岡真紀子、曽我了二、塚脇淳、中川博志+久代、橋本健治+例子、林英雄
 久しぶりの短足友の会宴会でした。ここ数年ずっと病気だった林さんも元気を取り戻して参加しました。鴻華園のコース料理もよかった。勝手な大声の会話とタバコの煙にめげずに古典本曲「手向け」を完奏させた橋本さんの演奏持続意思力はすごい。

■12月23日(月)/影絵芸術の世界/大谷大学講堂、京都/演目:『アルジュノの饗宴』『スマントリとスコスロノ』/ビンタンララス:ガムラン、ローフィット・イブラヒム:ダラン、ナナン・アナント・ウィチャクソノ:ダラン、ダシュ・ショバラニ:講演
 この日のジュギョーを終わらせてから講堂に行くと、リハーサルの最中でした。ビンタンララスというガムランバンドのメンバーはほとんど知り合いです。中にどこかで見た顔だなあと思って後で確認すると、松江の瀬古さんの娘の真奈美ちゃんでした。小学生のときから知っているのですが、今は阪大でインドネシア語を勉強していていつの間にかガムランの演奏をしているのでした。
 ショバラニさんはインドの中心とした影絵芝居の歴史などを話しました。漢字もばりばり読んでしまう彼女の日本語も分かりやすかった。かなり短縮したワヤンも幻想的で楽しめました。
 講堂はほぼ一杯で、乾千恵さんとお母さん、非常勤仲間のゴア出身英語教師ペレイラ夫妻などの知り合いの顔も。ペレイラ氏の奥様アケルさんに始めてお会いしましたが、かつてダルマブダヤでも演奏していてこの日もビンタンララスのメンバーとして参加していた棚橋慶恵さんと瓜二つで、聞けば、驚いたことに双子姉妹なのでした。
 当日の演目『スマントリとスコスロノ』の絵本を書いた濃いサングラスと車いすの乾千恵さんとお母さんの姿も見えました。お母さんに「1月に神戸でオペリータがあるんですけど、集客が今ひとつで」と聞き、神戸新聞の記者に紹介する事にしました。

■12月24日(火)/短足麻雀
■12月28日(土)
「1950年代から今日までのディスコグラフィーおよび文献情報からみたヒンドゥスターニー音楽のラーガの実態」をウェブに掲載しました。これは、インド音楽のラーガについてここ数年ヒマにあかせて書いてきたものです。演奏の実践者には、あっ、そう、という意味しかないと思うのですが、ま、ラーガのトリビア的蘊蓄に興味があるという人にはちょっとは面白いかもしれません。
http://sound.jp/tengaku/Raga/Raga.html

■1月3日(金)/正月定例麻雀/参加者:植松奎二、榎忠、島末雅邦、HIROS、宮垣晋作
 榎さん大負け、ワダス小負けでした。例によって宮垣さんの車で、90過ぎの宮垣母の手づくり野菜を携えて帰宅したのが2時過ぎでした。

■1月6日(月)/田中多佳子さんと京都プチ宴会/来恩、京都木屋町
 大谷大のジュギョーの後、ほとんど1年ぶりに京都教育大学の田中さんと新年宴会でした。昨年暮れに新潟のお父さんが亡くなったことや、ワダスの亡母に似たショッピング・フリーク、他者無関心のお母さんとの関係やら、なかなかに大変な日々だったようです。
 
■1月8日(水)/中川家うどん宴会/神戸/ゲスト:小林江美、大西由希子
 バリ舞踊の大西さんから「わたしの誕生日にはうどんを打ってほしい」とリクエストを受けていましたが、大西さんの都合がつかず結局1月にずれこんだのでした。同じバリ芸能の小林さんも加わり、久しぶりの中川家うどん宴会でした。久々に打ったうどんは上々の仕上がりでした。まだ腕は落ちていないのです。讃岐から仕入れたうどん粉は5キロもあるので、まだ何回でもできます。

■1月12日(日)/CAP新年会/CAP STUDIOY3、神戸
 たぶん、CAPの新年会って始めてだったかも知れません。今年の抱負、などというものをいうはめになりました。
 参加者の中にエストニア女性イリーナと小学6年生の息子イワン君もいました。タバコ場へ行くと彼女もいていろいろしゃべりました。サンクトペテルブルグで美術史を学んだイリーナはなんと、あの、トロツキーの遠い親戚だという。ワダスは学生時代は、ま、トロツキストだったというせいもありちょっとびっくりしました。

■1月13日(月)/オペリータ うたをさがして/神戸アートビレッジセンター/喜多直毅:ヴァイオリン、オリヴィエ・マヌーリ:バンドネオン、齋藤徹:作曲+コントラバス、ジャン・サスポータス:ダンス、松本泰子:歌、乾千恵:物語・歌のことば
 会場の神戸アートビレッジセンターにたどり着いたのが2時40分。ワダスの計算では開演の20分前のはずでした。が、受付に聞くとなんと開演は2時で、3時15分に終演予定。なんという勘違い。しかたなく当日チケットを買って真っ暗な会場に案内してもらうと、簡素な舞台でオペリータが進行中でした。きっとピアソラのオペリータもあんな感じだったんだろうなあ、と思いつつ席に着いてしばらくすると下腹部につんという信号を感じあわててトイレに。時計を見ると終演まであと10分。再び会場に戻りましたが間もなく終演。千恵さんのお話がどんなものだったのかも分からぬまま終わってしまったのでした。出口でお会いした村田真紀子さんと、去年のバール・フィリップス来日アクト・コウベライブでお世話になった斉藤さんを楽屋に訪ねて挨拶してなんとなく義務を果たしたとはいえ、返す返すも情けなく残念な勘違いでした。

■1月17日(金)/トークの穴2014「中川博志さんに突撃インタビュー!」/CAP STUDIO Y3、神戸/聞き手:中澤雅子
 ナカボンこと中澤さんの企画。ふだんは聞き役が圧倒的に多いのに、この日は聞かれ役でした。聞かれ役というのはなんとも気恥ずかしいものです。数人だろうと思っていた参加者は期待に反して10数名。ワダスの話は彼らの役に立ったのだろうか。岡山大学農学部出身という神戸布引ハーブ園園長、本位田有恒さんも見えていました。

■1月23日(木)/下田雅子+大野裕子+HIROS生誕記念宴会/下田家、神戸/参加:大野裕子、下田展久+雅子、高橋怜子、中澤雅子、HIROS
 どういう訳か、この神聖な日に限って風邪っぽくなり、頭痛と熱っぽいだるさのなかの宴会でした。家を出る前に風呂に入ったのが悪かったのか、歩いて神戸大橋を渡り三宮まで行ったのが悪かったのか。
 例年のごとくだらだら飲食、後半にうどんを製作。これもまた後々の筋肉疲労につながりました。64というのはこういうことなのかと噛み締めるのでありました。で、この風邪症状はその後ほぼ1週間続き、ほとんど寝込んでました。これを書いている29日、ピークは過ぎたとはいえ、まだ完全に復旧したとはいえません。25日に予定していた短足麻雀もキャンセルでした。
 1週間も風邪で寝込むなんてまったくここ20年以上なかったことです。

===この間に読んだ本===
『素数の音楽』(マーカス・デュ・ソートイ/冨永星訳、新潮文庫、2013)
『日本奥地紀行』(イザベラ・バード/高梨健吉訳、平凡社ライブラリー、2000)
『ビューティフル・マインド』(シルヴィア・ナサー/塩川優訳、新潮文庫、2013)
『E=mc2』(デイヴィッド・ボダニス/伊藤文英+高橋和子+吉田三千世訳、ハヤカワ文庫、2010)
『ケンブリッジ・サーカス』(柴田元幸、スイッチ・パブリッシング、2010)
『ミラーニューロンの発見』(マルコ・イアコボーニ/塩原通緒訳、ハヤカワ文庫、2011)
『ドレミを選んだ日本人』(千葉優子、音楽之友社、2007)
『ポアンカレ予想』(ジョージ・G・スピーロ/永瀬輝男・志摩亜希子監修、ハヤカワ文庫、2011)
『時のみぞ知る』上下(ジェフリー・アーチャー/戸田裕之訳、新潮文庫、2013)
『大便通』(辨野義己、幻冬社文庫、2012)
『数学をつくった人びと』1~3(E.T.ベル/田中勇+銀林浩訳、ハヤカワ文庫、2003)
『博士と狂人』(サイモン・ウィンチェスター/鈴木主税訳、ハヤカワ文庫、2006)
『レーニンの墓』上下(デイヴィッド・レムニック/三浦元博訳、白水社、2011)
『FBI美術捜査官』(ロバート・K・ウィットマン+ジョン・シフマン/土屋晃+匝瑳玲子訳、柏書房、2011)

===これからの出来事===

 例年通りこの時期は、4月からの新学期まで、徹底的になあーんにもやることはありません。おヒマな方、遊んで下さい。