めんこい通信2014年7月20日号

 本格的な夏になりました。暑いですねえ。皆様、いかがお過ごしでしょうか。
 ええ、バーンスリーのHIROSです。
 この通信はBCCでお送りしています。
 皆さまの生活向上にはまず役に立たないと確信していますが、ふとお時間のあいたときにでもご一読下されば幸いです。
 こういう無益なメールは不要だという方はお知らせ下さい。


 セクハラヤジ都議やら号泣県議やら脱法ハーブ県議やらセクハラ検事やら相変わらずの下品方面的話題が多かったけれど、日本国内でそうこうしている間、ワールドカップで主催国ブラジルがドイツにぼろ負けし、ウクライナでマレーシア航空機が撃墜され、イラクやアフガンやパレスチナやシリアで多くの一般市民が巻き込まれる犠牲が続き、世界はざわざわ感に満ちているように見えます。
 それにしても、選挙で選ばれたんだから何をどうしようが憲法を無視しようがわたしの勝手とばかりに稚拙かつ傲岸不遜のアベチャンおよびその取り巻きの思考はとてもまともとはいえない。立憲主義を逸脱してまで閣議決定した集団的自衛権の行使容認によって利益を得るのは誰か、武器禁輸緩和によって利益を得るのは誰か、原発再稼働によって利益を得るのは誰か、秘密保護によって利益を得るのは誰か。彼らの凡庸かつ耳障りの良い言葉に惑わされず、本当の受益者が誰なのかを見極めなければならない。少なくとも、テイシューニューのほぼジョブレス・ミュージシャンのワダスにとってこれらの政策による利益はまったくない。少子高齢化による人口減が大変だ、長期的成長戦略がなければ駄目になる、このままでは日本は滅びるなどなど、危機感をあおる議論が目に付くけど、経済成長が本当にわれわれの幸福につながるのかという議論がもっとあっていい。新自由主義と称して個人の欲望を無制限に拡大していくその先に現れるものは、互いに共感し尊重し合う「社会」ではなく砂粒と化した個人の集まりでしかなくなるのではないか、なあんてことをぼんやり考えながら『里山資本主義』とか『世界を救う処方箋』なんかを読んでいると、世界が本当にやばい状況にあるとはいえ、それでもまだかすかな希望もあるかもしれないという気になってくるのでありました。

===まずは宣伝===

■8月17日(日)1:30PM~、5:30PM~/クリシュナ・ジャヤンティ/神戸芸術センター/ウマー・ドグラ+ナリニ・トシニワル:カタック、ルクミニー・ナオミ:バラタナーティヤム、アーシュゥイニー・ミシュラ、HIROS:バーンスリー/前売り:2,500円、当日:3,500円/問い合わせ:090-6204-3691、bharata.a.co@gmail.com
 去年もありましたが、ヒンドゥー神クリシュナの誕生日にちなむイベントです。ヒンドゥー教徒ではないワダスも、美女にもてまくるクリシュナのように笛を吹くのでした。

■8月24日(日)2:30PM~/インド芸術祭/京都市国際交流会館イベントホール/ダヤ・トミコ:バラタナーティヤム、油谷百美:オディッスィー、ナカガワユウジ:サーランギー、中尾幸介+藤澤バヤン:タブラー、HIROS:バーンスリー/主催:インドアーツサンガム京都/前売り:3,000円(一般)、1,500円(外国人、障害のある方)、当日:それぞれ500円増し/問い合わせ:090-9624-6900、sangam@live.jp
 オディッスィー舞踊家の野中ミキさん、バーンスリーの池田剛さん、タブラーの藤澤バヤンさんが中心となって進めているインドアーツサンガム京都による第1回公演です。これを皮切りに毎年さまざまなイベントを企画していく予定。
 ムンバイ在住のサーランギー奏者ナカガワユウジさんとは1年ぶりの再会です。成長してるんだろうなあ。楽しみです。

===これまでの出来事===

 毎月曜日、火曜日のガッコのジュギョー以外は、例によって相当にヒマな日常でありました。

■5月5日(月)/国境を越えたラーガ音楽1/CAP CLUB Q2、神戸/David Trasoff:サロード、中尾幸介:タブラー、HIROS:バーンスリー
 デイヴッドは「君に最初に会ったのは93年だ。スルタン・カーンとファザル・クレシが来日したとき。僕はジーベック公演のことを知り君に連絡をとって神戸まで来たんだ。レコーディングにも立ち会った。覚えていないか」と言う。20年以上前のことだったのでした。
 というわけで、そのデイヴッドがアメリカからQ2でのコンサート前日に来日したのでした。販売用CDも含めものすごい量の荷物の中には、MacBookはもちろん、iPad、iPod、iPhoneのアップル情報機器や舞台で使うスピーカーなどフル装備。Wi-Fi端末レンタルも手配していたので、荷物をほどくと早速パソコンを開いてメールチェックを始める。電子オタク的インド音楽演奏家です。
 来日翌日がQ2でのコンサート。スタッフおよび販売用カレー材料を階下のダイエーで購入した後、下田車でQ2へ。ほどなく、ラーム君がやってきて大根カレーの仕込み開始。この日は、いつものHIROSカレーではなく、ラーム君カレーなのでした。チキンカレーなんですが、それに大根、長ネギ、エリンギが入るという、意表をつく材料で作られたカレーの味はじつにおいしい。レシピをワダスのウェブサイトに掲載していますので、お試し下さい。
http://sound.jp/tengaku/Cooking/ramnepalicurry.html
 お客さんは40人ほど。現代音楽の作曲家の三輪さんご夫妻、去年ジョン・ケージについて話していただいた同志社女子大の椎名さん、京都橘大の小暮さんなど、お歴々のお顔も。
 前半がワダス(64歳)、後半がデイヴッィド(67歳)、最後に二人でベンガル民謡というプログラム。タブラーは30歳の中尾幸介君。
 詳しくは下記のレポートへ。
http://www.cap-kobe.com/club_q2/report/

■5月10日(土)/デイヴッィド・トラソフによるレクチャー・デモ/国立民族学博物館/デイヴッィド・トラソフ:レクチャー&サロード、室優哉:タブラー
 前夜の名古屋公演を終えたデイヴッィドを新大阪の新幹線ホームで寺田さんと出迎え、茨木駅前のホテルにチェックイン後、タクシーで民博へ。
 この日、民博で南アジア研究者による研究会があり、そこへデイヴッィドが招かれたのでした。
 民博の寺田吉孝さん、東大研究員の田森雅一さん(お名前は昔から知っていたが会うのは初めてでした)、タブラーを叩く京大院生の井上晴緒さん、京都教育大の田中多佳子さんなど研究者のほか、京都からサロードを弾く骨董商の藤林靖史さんも見えました。英語によるレクチャーは、アリー・アクバル・スクールを中心としたアメリカにおけるヒンドゥスターニー音楽の受容について。アメリカの最近の傾向として取り上げたアメリカン・キールタンに質問が集まりました。
 レクチャー後、場所を移動してミニライブ。タブラーは室優哉君。少人数なのでマイクは使わず生音でなかなかの演奏でした。デイヴィッドは、おまけに弾いたベンガル民謡の時にワダスに目配せする。Q2でも同じ曲をやったのだが、拍子の取り方が微妙に違っている。俯き加減で演奏するデイヴィッドの顔は、そのベンガル民謡を教えてくれたドゥルバ・ゴーシュに実によく似ていました。
 ライブ後、会費制でインド料理パーティー。ワダスのことを訳書や先生のアミットを通じて知っているという琉球大学講師の岡田恵美さんはサロードを演奏するとのこと。いろんな人がいろんなところにいるものです。

■5月11日(日)/短足麻雀/
 久々に中川家二人とも大負けでした。つきまくった曽我さんのはしゃぎぶりがしばらく続くのでした。

■5月21日(水)、22日(木)、23日(金)、24日(土)/レッスン
■5月28日(水)/FM Moov収録/神戸元町
 神戸のジェレミー・ムーアことCAPメンバーで日本画家の井ノ岡さんが「放送範囲は狭いけど、ちょっとは6月1日と14日の宣伝になるかな。わたしの後にHIROSさんを紹介しておいたから」というので元町のビルの5階にあるFM Moovのスタジオで30分ほどの番組に出演したのでした。FM局といっても機材も空間も簡素。お相手はボディージュエリーアーティストだという若い女性「たまきーも」さんでした。この放送はわが家でも聴取できるはずですが、FMアンテナの不備と45年前のチューナーでは受信できませんでした。宣伝になったかなあ。

■6月1日(日)/国境を越えたラーガ音楽2/CAP CLUB Q2、神戸/Steve Gorn:バーンスリー、Ty Burhoe:タブラー、HIROS:バーンスリー
 5月5日のデイヴィッドに引き続き、アメリカ人タブラー奏者タイとバーンスリー奏者スティーヴの加わったQ2ライブ。二人は前日の広島ライブから駆けつけました。スティーヴと会うのはほぼ半年ぶり。
 例によって1部がワダスとタイ、2部がスティーヴとタイ、3部が全員によるセッション。スティーヴと一緒に舞台で演奏するのは初めてでしたが、彼は懐が深いので実に気持ちよく演奏できました。詳しくは下記のレポートで。
http://www.cap-kobe.com/club_q2/report/
 ライブ後、ふたりを連れて三宮の寿司屋でミニ宴会でした。タイは「これまで食べたうちで最高の寿司だあ」と感激してました。二人は京都見物の後、江戸に移動し、寺原太郎君とも共演したのでした。

■6月6日(金)/iMac2006失明
 これまで毎日使ってきたiMac2006の画面が、何をやっても真っ暗という状態になりました。MacBookからは共有ファイルが見えたので、頭は大丈夫だけど失明しちゃったという感じです。この盲目Macには、TimeMachineのバックアップはあったとはいえ、アドビの製品など、買えばものすごく高いアプリケーションが入っているので、大ショック。アプリ喪失を恐れたワダスは修理に出すことにしたのでした。しかし修理にどれくらいの時間がかかるのか分からない。仕方ないので14万近い新しいiMacの購入。古いiMac2006はロジックボード交換をして4万ほどで無事恢復しましたが、新しいiMacにTimeMachineをつなげると古いiMacのアプリもデータもそっくりコピーされたので、恐れていたアプリ喪失はなく、すごいと感動すると同時に「あれ、これだったら新しく買う必要なかったなあ」と悔やんだのでしたが後の祭り。とほほな出費でした。去年は便器、今年はMacと、予測の付かない出費というのはあるものであります。
 で、つい最近、アップルのウェブサイトを見ると、同じiMacが一気に3万円も値下げしてました。ワダスが高い値段で購入したことを確認して値下げに踏み切ったとしか思えません。くやしい。

■6月10日(月)/タイ宅で練習
 大谷大のジュギョーの後、山科にあるタイ・バーホー宅でスティーヴと練習でした。近所のスーパーで買ってきたお寿司をつまみつつ、コロラド・ボルダーの電気もない山の家でシングルファーザーとして息子を育てたなんて話を聞いてから3人で練習。現在は日本人女性の奥さんとまるまる太った男の子と一緒に暮らしています。スティーヴがその光景を見て一言。
「タイは顔がいいからなあ。よくもてるんだよなあ」

■6月11日(火)/スティーヴ宿泊
 瀬田の龍大のジュギョー後、京都駅でスティーヴを拾って帰宅。スティーヴは次の日関空から帰国するというので我が家に宿泊でした。72年にジャズのサックス奏者として東京の赤坂のクラブで演奏してたお金を貯めてインドへ行ったことなど、同時期に東京で電気工事のバイトでゼニを貯めてユーラシアの旅に出たワダスと似た体験をした話で盛り上がりました。

■ 6月13日(金)/リハーサル/CAP CLUB Q2、神戸/バヤン、祝丸、Q2ペリカンズ、丁健志
■6月14日(土)/CAP音楽祭「CAPおんせん(音泉)2」/CAP CLUB Q2、神戸/出演者:今西玲子(箏)、岩本象一(パーカッション)、大橋一慶(タブラー)、金子鉄心(イーリアンパイプス、ティンホイッスル)、児嶋佐織(テルミン)、小島剛(ラップトップ)、シモダノブヒサ(ギター、Eベース)、中尾幸介(タブラー)、中村好伸(ギター)、祝丸(和太鼓)、HACO(電子楽器、声)、HIROS(全体構成、バーンスリー)、 藤澤バヤン(タブラー)、松本こうすけ(タブラー)、宮本玲(バイオリン)、丁友美子(クラリネット)/TOMO+ラーム君:豚汁製作
 昨年11月に行ったCAPおんせん第2弾。昨年の集客はいまいちでしたが、どういうわけか出演者たちには大好評ということで、ほぼ同じメンバーで行いました。今回もやはり集客はいまいちでしたが、出演者には大好評で、終わった後はFaceBookなどで盛り上がってました。続けていけばじわじわとお客さんは増えていくのでしょうが。
 新たに加わったのは箏の今西さん、ギターの中村さん、ダンスの丁さん。Q2ペリカンズの丁友美子さんのお兄さんの健史さんは、前夜のリハーサルであまりに張り切りすぎて腰を痛めたらしい。
 タブラー奏者たちは、新たな組み合わせのユニットにそれぞれ創意工夫をして参加し、なかなか良かった。
 最後の全員セッションの構成はワダスがひねり出しました。うまくいったかどうかなんともいえませんが、ま、大音響の大団円は気持ちがよかった。

 詳しくはCAP公式レポートを見て下さい。

■6月17日(火)/龍谷大学講義/田中峰彦:シタール、田中りこ:タブラー
■6月21日(土)/短足麻雀
■6月22日(日)/渡邊摩里さん来宅
 渡邊摩里さんというのは、かつてワダスの仙台周辺のライブのお世話をしていただいたミュンヘン在住の古い知り合いです。2年前の七聲会ボッフム公演には夫の佐々木剛さんとともに駆けつけてくれました。今回は彼女の作品に使う和紙の仕入れなどのために来日したのでした。

■6月23日(月)/京都インド芸術祭顔合わせ/昆明、京都三条/参加者:野中ミキ、池田剛、藤沢バヤン、ダヤ・トミコ、油谷百美、田村、HIROS
 大谷大学ジュギョー後、京阪三条に近い中華料理店「昆明」で、8月に行われる「京都インド芸術祭」出演者、スタッフの顔合わせミニ宴会。

■6月29日(日)/リハーサル/中尾幸介宅、宇治
 浜松公演のため幸介君宅で泊まり込み練習でした。スパイスを持ち込んでラーム君カレーをワダスが作りました。最近購入したという巨大な白い蚊帳の中で就寝。次の朝、すでに幸介君も愛姫さんも出かけていたので、がらんとした古い家のキッチンでカレーをあたためての朝食でありました。しばらく練習していると幸介君がお昼休みに戻ってきたので一緒に出たのでありました。

■6月30日(月)/大谷大学講義/Priyal Sathe歓迎ミニ宴会/来恩、京都木屋町
 Priyalさん(以下ピユ)とは、一昨年インドのプネーの音楽祭でレクチャーをしたとき「演歌が大好きです。日本が大好きです」と流暢な日本語で話しかけてきて知り合った若いインド人女性です。その後、日本テレビの「のどじまんザ!ワールド」にも出演したほど、日本の歌謡曲も実にうまく歌う。地元プネーでは北インド古典声楽家として活躍している、プネー大学日本語学科博士課程の学生なのです。そのピユが6月から半年間、知り合いの田中多佳子さんの元で学生として滞在することになり、その歓迎宴会でした。ピュア・ベジタリアンかつお酒を飲まないピユ、何でも飲食の田中さんとのおしゃべりはなかなか楽しかった。インド以外の音楽に興味をもつインド人音楽家はとても稀なので、真面目で厳格な田中さんの元でしっかりと勉強してもらたいものです。しばらくすると東京に出て演歌の学校にも行くといってました。どうなることか。

■7月5日(土)/インド音楽レクチャー&コンサート/浜松市楽器博物館/中尾幸介:タブラー、HIROS:レクチャーとバーンスリー
 久しぶりに新幹線に乗って浜松へ行ってきました。楽器博物館で演奏するのは2度目です。ずいぶん後になって判明したことですが、ワダスが出演した1988年の「11PM」という番組に館長の嶋和彦さんも出演していました。そのときの映像をDVDに焼き直して嶋さんに進呈しました。26年も前のことなので当たり前なのですが二人とも実に若かった。ワダスの隣に座ってウィスキーをがぶがぶ飲んでいたやしきたかじんさんも今や浄土の人です。
 この日は、前半がレクチャー、後半が演奏というプログラム。場所は1階に吹き抜ける地下の舞台で、よく響くので演奏のときはスピーカーなしでした。
 この日演奏したのは深夜のラーガ、チャンドラ・カウンス、ついで最上川舟唄、最後にベンガルの舟歌。
 演奏後、クマールなるインド人中年が舞台に来て「久しぶりにインドを思い出した。駅前のビルの地下でインド料理屋をやっているのでこの後ぜひ食べにきてくれ。もちろんタダで」と申し述べる。願ってもない申し出なので、嶋さんともども彼の店「クマール」で食事でした。禅僧になるため来日して17年になるというクマール氏、浜松では日印交流のシンボルのような人のようです。それにしてもクマール氏は、インド人の典型のような人で、実によくしゃべる。
 博物館近くにとってもらったホテルの屋上の温泉に浸かったせいで体がほてり、ウィンブルドンの女子決勝でクビトヴァが優勝したのを眺めつつ寝苦しい夜を過ごしたのでした。

■7月6日(日)/ギータ・クンチャナ20周年記念公演「喜びの島」/小林江美とギータ・クンチャナ、小谷野哲郎+プスパ・クンチャナ+平田直子+山本文子+大西由希子:ダンス、梅田英春:語りと歌
 幸介君とともに浜松から新幹線で大阪へ。阿倍野の公演会場近くのビルの地下の小さくて怪しげな中華屋で、サッカーのブラジル・アルゼンチン戦のハイライトを眺めつつむっちゃ固い麺の冷やし中華をすすり、会場へ。去年幸介君と演奏した際、聴衆がたった一人だったときと同じ会場です。ほぼ満員の会場を見回すと、サトヤこと佐藤高仁さんが真後ろ、真ん前に野中ミキさんが座ってました。ほどなく龍谷大の青木さんや、昨晩の公演主催者である浜松の嶋さん、中川真さんの姿も見えました。
 ギータ・クンチャナというバリ芸能団を育て上げたのは小林江美さん。一緒に飲んだり食べたりする時は単なる大阪のオバチャン風なのですが、実は素晴らしいバリ芸能指導者なのです。ゴン・クビャールのテンポの良い演奏が気持ちいい。日本の第一人者であるバリ舞踊家の小谷野さんが狂言回しのように登場して笑いを誘い、女性舞踊家たちが舞台に華やかさを添え、バリ人と見まがう梅田さんの歌と語りが怪しい雰囲気を漂わせ、大西さんの鬼気迫る舞踊が続きと、休憩なしの盛りだくさんプログラムでした。結成からこの日までのあれこれや今回の公演タイトル「喜びの島」がドビュッシーにちなむことなどを話す江美さんの笑いの混じったしゃべりは、年季の入ったものでした。
 公演後、せっかくなのでビールでもということで近くの居酒屋でミニ宴会でした。参加したのは、中川真、サトヤ、嶋、井上女史(サトヤ友人)、西真奈美(マルガサリ代表)、門馬(最近マルガサリに加わった中年女性)、西村(最近マルガサリに加わった青年)、中尾幸介各氏に、ワダス。

■7月8日(火)/荒川尚也ガラス展 Bard's Bar/堺町画廊、京都
 瀬田の龍谷大学のジュギョーを終えて京都で途中下車し、御池の堺町画廊へ。折しもご主人のゴリラ先生こと山極さんが京大総長に選ばれたという伏原さんは、「まったくねえ、大変ですよ」といいつつ、ちりとりと帚をもって掃除中でした。
 この日初めてお会いしたガラス作家の荒川さんは、チラシのプロフィールを見るとワダスの同じ大学出身。「勉強が嫌いで、卒業してすぐに豊平のガラス工房の職人になった」とのこと。ものすごく蒸し暑い日でしたが、並べられた作品はとても涼しげでした。
 この日、堺町画廊を訪問したのは、伏原さんに渡邊摩里さんを紹介する目的でした。摩里さんの友人の福島の陶芸家、池田氏がここで展覧会を開いたということで、どこかでつながっているのです。
 朝食しか食べていないワダスが空腹を覚え、居合わせた高木猛さんにどこかないかと尋ねると「ノンベクキッチンが近くにあるはず」と。Facebookで名前は知っていたので摩里さんとそこへ行くことにしました。
 Nonベクレル食堂とは、福島原発事故に触発されて廣海緑朗さんが作った食堂です。前は岩倉にあったのですが、最近になって堀川三条に移転し、名前もノンベクキッチンホテヴィラとして再開したといいます。ここはすべてのメニューがノンベクレル、つまり放射能のまったくない食材のみを使った料理を出すのです。
「49という番号のついたものはすべて福島産です。止めた方がいいです」
 ワダスがスーパーマイルドを吸っていると、やはりタバコをくわえた緑朗さんが申し述べるのでした。ベクレルにこだわる人はタバコにもこだわるのでした。

■7月9日(水)、10日(木)/佐々木剛+渡邊摩里夫妻来宅宿泊
 佐々木剛さんは摩里さんのご主人。共にミュンヘンに住んでいます。リクエストしていたミュンヘン名物白ソーセージを持参して来訪し、摩里さんと合流しました。

===この間に読んだ本===

『第三の銃弾』上下(スティーヴン・ハンター/公手成幸訳、扶桑社ミステリー、2013)
『6人の容疑者』上下(ヴィカース・スワループ/子安亜弥訳、ランダムハウスジャパン、2010)
『美空ひばりと日本人』再読(山折哲雄、現代書館、2001)
『ソウル・コレクター』(ジェフリー・ディーヴァー/池田真紀子訳、文藝春秋、2009)
『FBI秘録』上下(ティム・ワイナー/山田侑平訳、文藝春秋、2014)
『創られた「日本の心」神話』再読(輪島裕介、光文社新書、2010)
『津軽三味線の誕生』再読(大條和雄、新曜社、1995)
『里山資本主義』(藻谷浩介+NHK広島取材班、角川oneテーマ21、2013)
『芥川賞はなぜ村上春樹に与えられなかったか』(市川真人、幻冬舎新書、2010)
『大宇宙七つの不思議』(佐藤勝彦監修、PHP文庫、2005)
『世界を救う処方箋』(ジェフリー・サックス/野中邦子+高橋早苗訳、早川書房、2012)
『神聖喜劇1』途中で挫折/読了ならず(大西巨人、文春文庫、1982)
『日本音楽との出会い』(月渓恒子、東京堂出版、2010)
『音楽文化学のすすめ』(小西潤子、仲万美子、志村哲編、ナカニシ出版、2007)

===これからの出来事===

 今月末の試験や採点を終えると、いよいよ夏休みです。特に何をするという予定はありませんので、例年のように家でだらだらということになると予想されます。とはいえ、8月は公演が3つあります。

■8月17日(日)1:30PM~、5:30PM~/クリシュナ・ジャヤンティ/神戸芸術センター/ウマー・ドグラ+ナリニ・トシニワル:カタック、ルクミニー・ナオミ:バラタナーティヤム、アーシュゥイニー・ミシュラ、HIROS:バーンスリー/前売り:2,500円、当日:3,500円/問い合わせ:090-6204-3691、bharata.a.co@gmail.com

■8月24日(日)2:30PM~/インド芸術祭/京都市国際交流会館イベントホール/ダヤ・トミコ:バラタナーティヤム、油谷百美:オディッスィー、ナカガワユウジ:サーランギー、中尾幸介+藤澤バヤン:タブラー、HIROS:バーンスリー/主催:インドアーツサンガム京都/前売り:3,000円(一般)、1,500円(外国人、障害のある方)、当日:それぞれ500円増し/問い合わせ:090-9624-6900、sangam@live.jp/

■8月30日10:30PM〜31日朝/ボン!ボン!盆!!Q2オールナイトパーティー/CAP CLUB Q2、神戸/出演:宮内大、鈴木克行、祝丸(和太鼓)、白井廣美(パフォーマンス)、笑福亭智六(怪談)、イワイフミ(アニメーション)、池田剛(バーンスリー)、大橋一慶(タブラー)、HIROS(バーンスリー)/料金:1000円/主催:CAP/予約・問合せ:C.A.P.事務局 (10:00-19:00/月曜休み)078-222-1003 info@cap-kobe.com  http://cap-kobe.com/31日午前0時よりUstream配信。コネクタテレビのHPからご覧ください。
http://www.connectortv.net