めんこい通信2018年2月27日号

 もくじ

  世間のあれこれ
  久代実家片付け
  しぶとくしぶとくしぶとくしぶとくCD販売促進
  これまでの出来事
  この間に読んだ本
  これからの出来事

 ぼちぼち春めいてきましたが、皆様はいかがお過ごしでしょうか。

世間のあれこれ
 最高裁判所の判決に背中を押されたのかNHK徴収人が久しぶりに我が家にやってきたり、本当に必要とは思えないリニア新幹線のゼネコン談合があったり、他に伝えるべきいろんな出来事があるだろうのに相撲ネタで忙しいテレビや、われわれにはおよそ縁がなくかつ理解を超えたビットコイン騒動だの、京大や阪大の入試問題間違いだの、大臣が線香配って何が悪いという居直り政治家やら、そうこうしているうちに草津白根山が噴火し、日本海側に例年にない大雪が降り積もり、またまた台湾で大地震が起きたことも記憶から遠のきつつあるなか、アルマーニの小学校の制服がどうのとか言っているうちに、ないはずだったモリトモ文書が続々と出てきたのに籠池夫妻の長期勾留をよそに「嘘八百」とうそぶくアベが、今度はおかしなデータに基づく「働き方改革」法案のゴリ押しを狙い相変わらずおかしな理屈で強弁し、わあーい13個のメダルだもんねと一面トップで浮かれ騒ぐオリンピック報道のマスコミとか、相変わらず続く学校銃乱射事件の被害者家族に対して「教師もピストル持てば今よりましになる」と嘯くどう見てもまともとはいえないトランプだの・・・ジュギョーも終わり、特にどうしてもやる必要のある仕事もなく、ダラダラした生活の続くこの時期も退屈しのぎには事欠かないのでした。

久代実家片付け
 昨年11月21日に義母が亡くなったことはこの通信で触れました。
 当たり前ですが、1人暮らしの人が突然亡くなると、それまで家のスペースを占拠していたあらゆる物が一気に不要物と化します。そこで、われわれ関係者はそうした不要物から使えるものを引き取り、使えない物を処分する必要が出てくる。この選別作業がなかなかに厄介で時間とエネルギーを要するのでした。我々関係者にはほとんどが不要なものですが、ひょっとして「お宝」とか現金のような「隠し財産」が出てくるのではないかという淡い期待も持ちつつ、完全なゴミ(これも結構な量)と非ゴミを分ける作業を何回かやり、けっこうくたびれたのでした。久代さんを長女とした遺族三姉妹関係者には残された土地・建物を使う必要もないので、いずれすべてを売却する予定にしています。

しぶとくしぶとくしぶとくしぶとくCD販売促進

 ワダスのソロCDはまだたっぷり在庫があります。
 ま、それなりに好評のようなワダスのCDの購入をみなさまにお願いしたいなあ、と強い願望を持っているわけでありますが、もちろんそう願われる人々にもさまざまな事情があり音楽の好みがあり、必ずしも中川家の生活向上にはご関心があるわけではないということも理解してはいるのですが。はい。とはいえ、ぼやぼやしていると、ひょっとしたら生前のHIROSを偲ぶ唯一の音源が売り切れになるかもしれませんよ。
http://sound.jp/tengaku/CD/ragamusic.html
 1枚2000円で販売しています。ふと思いついたらメールでご連絡ください」
 というわけで、中川家で一定の面積を占めているCDの速やかな退去にご協力ください。

===これまでの出来事===

◉12月7日(木)/レッスン/小鯖
 小鯖君というのは、江戸に住み二胡の先生をやりながらワダスのところにときどき通ってくる岩手出身の青年。サロードという楽器を始めてかれこれ4年になります。ほぼ年に一度、コルカタのサロード奏者テージェーンドラ・マジュンムダールに習いに行く他はワダスが教えているのでした。ちゃんと練習は続けているようで、音程もメロディー把握もしっかりしてきた感があります。
 今シーズンもコルカタへ行くとのことですが、その前に弟子仲間の住むプネーに1ヶ月ほど滞在するとのこと。プネー滞在は彼にとっては新しい体験になるはずです。
 ワダスにもインドのグルに習いに行くという時代がありましたが遥か昔の話です。

◉12月9日/短足麻雀
◉12月17日(日)/エバーグリーン管理組合理事会
◉12月21日(木)/短足2麻雀
◉12月23日(土)/エバーグリーン餅つき
◉1月3日(水)/短足正月麻雀/植松奎二宅、箕面市
 額縁製作「一風堂」の経営を後継者に譲り実家のある丹波市で暮らし始めた宮垣さん、最近とみに腰痛に苦しむ榎忠さんなど、われわれ麻雀仲間もじわじわと変化していますが、恒例の短足正月麻雀はつつがなく敢行されたのでした。で、ワダスの一人負けに終わったのでした。スーパーヅカンでした。悔しい。

◉1月6日(土)/元湯龍泉閣、有馬温泉/7日(日)/義母四十九日、義父3回忌法要/福林寺、明石

 義母の四十九日と義父の3回忌をひとまとめに行う前日、有馬温泉に泊まることになりました。老若男女合わせて16人でした。
 太閤橋で年代物風にデザインされた送迎用葡萄色ボンネット・バスに乗り込み10分ほどで旅館へ。古い建物に新しい部分を追加したり設備を加えているうちにこうなっちゃいました的な、どこかしら古めかしくちょっと雑然とした旅館でした。正月ということで、我々の日常感覚からすれば途方もない料金ではありましたが、料理や温泉設備や客室、接客はその値段の途方のなさに見合っているようには思えない。
 翌日、チャーターバスで明石に移動し、明石キャッスルホテルの中華屋さんでランチ後、福林寺で法要でした。通夜や葬式でも思ったのでしたが、曹洞宗のお坊さんの、漢語ではなくむしろ歌と言ってもいい御詠歌や和讃は厳かさには遠い響だなあ。

◉1月8日(月)/京都ミニ宴会/ビストロ<レスト>、京都/奥山夫妻+中川夫妻/桜こまち泊
 最も長期の居候先である山科の奥山夫妻とディナーでした。

奥山夫妻

 場所は東大路通仁王門下ルのビストロ「レスト」。かつて市役所の西にあった「ル・コント」が名前を変えて東山に移ってきたのです。奥山夫妻は店主と知り合いなのでかねてからたびたび利用していて、ワダスも一度一緒に食事をしたことがありました。東大路通仁王門下ルという場所は七聲会の南さんのお寺「大光寺」に近いので久代さんと2人でご挨拶に伺いましたが、南さんご自身は留守でした。
 それほど広くなくかしこまったレストランでもないのでフランス料理とワインを気楽に楽しみました。「70歳でこの世を去る」と自称していた70歳になったばかりの奥山隆生さんはまだまだ去りそうにないほどだし、奥様の雅子さんも相変わらずお元気でした。
 ほろ酔い気分のわれわれは地下鉄、バスを乗り継いで金閣寺に近いゲストハウス「桜こまち」へ。ここはジュギョーをしている佛教大学に歩いて行けるので定宿のようにしているゲストハウスです。この日の宿泊客はわれわれだけでした。
 で、次の日は、ワダスは佛教大学と龍谷大学でジュギョー。久代さんは伊藤若冲を見に細見美術館へ向かったのでしたが、休館だったとのこと。

◉1月18日(木)/CAPメキシコ会議/STUDIO Y3、神戸/「CAP音頭」録音/岩本象一、下田展久、角正之、高橋怜子、平林沙也加、Hiros
 3月にならないと文化庁への助成金申請の結果が分からないのですが、業務スーパーの助成金も申請していてそれには音源が必要とのことで「CAP音頭」の録音をしました。この「CAP音頭」は、メキシコで盆踊りをしようということになりにわかに作った曲です。作詞が象くんこと岩本象一さん、作曲がワダス。古いiPodTouchで録音したせいもあるのか、実に田舎の素人っぽい仕上がりでしたが、あんなんでよかったのだろうか。

◉1月21日(日)/トーク「90年代の神戸の音の実験〜XEBECの試み〜」/
芦屋市立美術博物館、芦屋/スピーカー:下田展久、藤枝守、HACO、HIROS
 ジーベックホールは、90年代、コンピュータ音楽、現代音楽、ワールドミュージック、サウンドアート、美術、アートパフォーマンスなど、商業的エンタテインメントとは異なった分野の企画で知られたホール。プロデュースの中核を担ってきた下田さんと、異なった分野で企画をしてきた3人との対談という長時間のトークセッションでした。3人とは、自身の実験的音楽を発表したり、アメリカを中心とした実験的な現代音楽の動向を紹介した作曲家の藤枝守さん、美術と音楽の境界領域を横断するサウンドアートの展覧会やワークショップを企画したHACO、「アジアの音楽シリーズ」(興味のある方は、http://sound.jp/tengaku/koremade/APAS.htmlを見てください)というコンサート企画を行ってきたワダス。
「B型インフルにかかっちゃって」とマスクをしてきた下田さんが、1人あたり90分のセッションを最後までこなしたのですが、すごいエネルギーでした。
 数十名の聴衆は、当時のジーベックの活動に何らかの形で関わったり、お客さんとしてよく通ってきた人たちが中心なので、半数以上は見知った人たちでした。初代の廣田社長も見えていました。ま、ジーベック懐かし大会の趣になったことは当然ですが、これをどう未来に繋げるのかが課題です。
 まるで同窓会のような打ち上げは楽しかったなあ。関係者である藤枝、HACO、下田、今回の企画者である大槻あきみさんの他に参加したのは、石上和也+配偶者、稲田誠、岩淵拓郎、大野裕子、Christopher Stephens、Ken Kohda、佐近田展康、さぬきけいぞう、福西哲唯、三輪眞弘、森信子、森下明彦、安井麻人(敬称肩書き略)という、なかなかに錚々たる面々でした。

打ち上げ後の記念撮影


 
◉1月27日(土)/カレー仕込み/STUDIO Y3、神戸
 Y3で翌日のコンサートで出す50人分のカレーの仕込みでした。

◉1月28日(日)14:00~/国境を超えたラーガ音楽/CAP STUDIO Y3、神戸/久保比呂志:津軽三味線、グレン・ニービス:タブラー、HIROS:バーンスリー

 昨年9月の「Autumn Equinox 〜Kenny Endoと仲間たち」という公演で一緒だった津軽三味線、キーボード奏者の久保比呂志さんが今回のゲストでした。タブラーは堅実でノリの良いオーストラリア人のグレン。久保さんのファンや短足メンバーも含め、数十名の客席はけっこうな年齢の人たちが多かった。
 最後の津軽じょんがら節とのセッションはなかなかに興奮しました。津軽三味線の即興的旋律にタブラーが絡んで来ると、ラーガ音楽にはない不思議な雰囲気が出て来るのです。

◉2月3日(土)/西明石実家片付け
◉2月4日(日)/短足2麻雀

◉2月5日(月)/牡蠣小旅行/坂越、赤穂市/参加者:下田展久・雅子夫妻、柴山水咲 、
高橋怜子、冨久明俊(トミー)、HIROS+久代

 昨年2月20日に敢行され好評だった牡蠣ツアーに今年も出かけました。今回は牡蠣が大好物の引きこもりがちの配偶者も参加でした。昨年の第1回目と違い、注文の段取りや摂食手順も手馴れた感じでありました。酒蒸し牡蠣が秀逸でした。
 
◉2月10日(土)14:15~15:45/ラーガ音楽講座II-1/インドまるごと総合学校、高槻/岩下洋平:シタール、藤澤バヤン:タブラー、HIROS:講師
 昨年に引き続き、佐藤高さん主催のラーガ音楽講座第2弾。今回はラーガ・ヤマンに絞り、最終的に「受講者がラーガ・ヤマンを演奏できるようになる」がテーマということでした。初回は、ヤマンというラーガの特徴などの解説後、岩下洋平君のシタールに藤澤バヤン君がタブラー伴奏でヤマンを演奏しました。最近は庭師としてなかなかに忙しいという岩下君のシタールはとてもよかった。講座の後、近くのインド料理屋「ナマステエベレスト」でディナーでした。ここは味はまあまあですが値段がけっこう高い。
 この講座のためにラーガ・データベースからプリントアウトする予定でFile Maker Pro Advanced 11を立ち上げたらまったく応答しなくなり呆然としました。メーカーに問い合わせると最新のMacOSのHigh Sierraは64ビット対応のアプリケーションしか対応しておらず、昔のFile Makerは動かなくなる場合があるとのこと。他に住所録などもあるので泣く泣く最新バージョンを購入しました。これがけっこう高いのよね。

◉2月11日(日)/短足麻雀

◉2月17日(土)14:15~15:45/ラーガ音楽講座II-2/インドまるごと総合学校、高槻/HIROS:バーンスリー、HIROS:講師

 まだ高校生だという少年も加わり、初回の数倍の受講者でした。この日はヤマンの練習法とアーラープの仕組みについての講座。全員で声を出して歌ってもらいました。


◉2月18日(日)/ボディーワークショップ/TON PLACER、神戸/角正之:ダンス、HIROS:バーンスリー
 角さんの自宅付属スタジオTON PLACERでのワークショップ。まず準備ということで角さん独特の体の動きを体験してみましたが、普段からまったく運動などしないワダスの体のあちこちから悲鳴が上がるのでした。今回は午前中の「音浴」ということでラーガ・アヒーリーのアーラープをゆっくり演奏しました。


 受講者は8名で全員女性でした。多治見市からやってきたというKuniさんはFMたじみのパーソナリティーで、サウンドアートという番組を持っているとのこと。そのKuniさん、角夫妻とで近くのイタリア料理屋でランチ。角夫妻とワダスでワイン1本あけました。再び角宅に戻り、2人ともダンサーである角夫妻のことを根掘り葉掘り聞くのでした。

◉2月21日(水)/東野健一一周忌アクト・コウベ/楽園、神戸/参加者:岩淵拓郎、川崎義博、小島剛、下田展久、角正之、中島康二、HIROS、森信子

 東野さんの一周忌追悼宴会を去年と同じ中華屋で行いました。1年というのは本当にあっという間です。去年と同じように、よく飲みよく食べました。

 

◉2月24日(土)14:15~15:45/ラーガ音楽講座II-3/インドまるごと総合学校、高槻/野口昌彦:シタール、藤澤バヤン:タブラー、HIROS:講師
 37歳で藤井寺在住だという野口さんのシタール演奏を直接聞くのは初めてでした。全体の構成、音程もしっかりしていてなかなかの演奏家です。普段は袋物などの製作機械の設計をするという勤め人。講座終了後に行った中華料理屋で餃子などをつまみながら話を聞くと、なかなかに真面目でオモロイ青年なのでした。こういう、シコシコと自分のやりたいことをやっている人間がいるんですね。

◉2月25日(日)/エバーグリーン管理組合臨時総会

===この間に読んだ本===

#1『新・平家物語 全16巻合本版』未読了(吉川英治、電子版)
『空飛ぶタイヤ』(池井戸潤、実業之日本社文庫、2016)
#2『これがすべてを変える』***上下(ナオミ・クライン/幾島幸子+荒井雅子訳、岩波書店、2017)
『心はすべて数学である』(津田一郎、文藝春秋、2015)
#3『須賀敦子 』***(池澤夏樹=個人編集 日本文学全集、河出書房新社、2016)
#4『ミレニアム4 蜘蛛の巣を払う女』***上下(ダヴィド・ラーゲルクランツ/ヘレンハルメ美穂+羽根由訳、ハヤカワ文庫、2017)
#5『サピエンス全史』***上下再読(ユヴァル・ノア・ハラリ/柴田裕之訳、河出書房新社、2016)

#1.Kindleストアでふと「新・平家物語 全16巻合本版99円」というのを目にしました。考えてみれば平家物語などというのをまともに読んだことがなかったなあ、徹底気にヒマな時期だから読んでみようか、全16巻で99円というのはいかにも安い、ま、試しに読んでみっかと思いふとクリックしてしまいました。で、読み始めたのですが、これが長い。まだ半分も終わっていません。別の本も読みたいけど途中で止めると話が分からなくなる。いくら安いからといってあまりに長い読み物に没頭するほどヒマではないわけで、ちと後悔しています。とはいえ買ったからには最後まで読むつもりではありますが。平安後期の平家の隆盛と源氏の台頭の話は、知っているようで知らないことが多く、なかなかに面白いものです。お忙しいみなさんにはオススメはしませんが。それにしても吉川英治という作家は途方もなくたくさん書いた人なんですね。


#2.目先の利益につながらない地球温暖化抑止に抵抗し続け、無限の成長と利益を目指す資本主義がこのまま続けばどうなるのか。資本主義に代わる別の考え方を模索しなければ、たぶん、人類滅亡へつながるだろうという警告の書。


#3.須賀敦子さんの文章は、やはり何度読んでもグッときます。


#4.「ミレニアム3」まで書いて50歳で亡くなってしまったスティーグ・ラーソンをダヴィド・ラーゲルクランツが引き継いで書いた続編です。前作の登場人物やエピソードもしっかり盛り込んで書かれていて、スティーグ・ラーソンが書き続けていたらこうであったかもしれないと思わせる面白い小説。


#5.ほぼ一年前に読んだものの再読でした。細部はすっかり忘れていたので、ほとんど初めて読む感じでした。著者のユヴァル・ノア・ハラリの名前はダボス会議での基調講演とかTEDなどで目にすることがあり、おそらく世界で最も注目される歴史学者ではないかと思われます。続編の『HOMO DEUS』英語版をKindleで読み始めましたが、これはかなり不気味な予言の書といってもいい。今年出るはずの翻訳版も楽しみです。

===これからの出来事===


 3月は毎週土曜日のラーガ音楽講座以外は何もないので、例年のごとく絶ヒマ状況です。
 4月になるとガッコが始まります。とはいえ、10年間続いた大谷大学での講義は終わったので、京都での週一居候もなくなりました。
 なので、ジュギョーは火曜日のみです。前期は瀬田の龍谷大学、後期が深草の龍谷大学と紫野の佛教大学になります。
 そのガッコ以外は今のところなんの予定もありません。みなさん、遊んでケロ。
 ひょっとしたら、8月にメキシコというのもありそうですが、まだ先の話です。