めんこい通信2018年5月30日号

 もくじ
 嘘が引き起こした連鎖反応
 しぶとくしぶとくしぶとくしぶとくしぶとくCD販売促進
 これまでの出来事
 この間に読んだ本
 これからの出来事

嘘が引き起こした連鎖反応

 前回の通信直後(3月2日)の財務省公文書書き換え疑惑という朝日新聞の記事から発生した一連の政府と行政のドタバタ劇は、いつ収束するか不明なままいまだに続いていますが、普段は徹底的にヒマな日々の退屈しのぎにはけっこう貢献したのでした。とはいえ、面白いドラマも長すぎるとそうなるように、ちょっとうんざり気味ではありますが。というわけで、テレビのニュースやワイドショーやYouTube動画を見ていてワダスはぼんやりと考えたのでした。
「膿を出し切る」と申し述べた「膿」本体のように見えるアベの嘘が引き起こした連鎖反応は、核分裂反応に似た様相を呈してきたように見えます。
 まず、アベ原子核が、個人的願望を叶えようと不安定な状態になり、権力を背景とした強い嘘放射線を周囲に浴びせ始める。モリカケみたいな私的願望を叶えようと思ったら、それがいかにも公共の利益であるかのような嘘を放射する必要が出てくるわけです。放射する対象は同じ原子核であるジミントーおよび官僚です。本来安定した核である官僚たちは、強い嘘放射を受け続けるため、一部は公共問題解決と己の出世と保身のバランスを取るのが難しくなり不安定化してくる。己の出世と保身にわずかに傾いた官僚中性子は別の中性子にぶつかり、ぶつけられた中性子がさらに別の中性子にぶつかりと核分裂が連鎖的に広がっていく。アベ→ヤナセ→フジワラ→サコタ→サガワ→近畿財務局→死亡した職員、みたいな構図。核分裂の連鎖反応では巨大なエネルギーを放出することになりますが、最初のアベ嘘放射から始まったこの連鎖反応ではそれが負のエネルギーとなり、政治や行政の信頼性を崩壊させ、社会をより不安定な状態へと引っ張っていくことになると。それにしても、もはや嘘はバレバレにもかかわらず子供騙しみたいな言い逃れは、情けなく、悲しくも、面白い。こうした構図に花を添えたのがフクダのセクハラでしたが、セクハラという罪はない、などと閣議決定するところも、情けなく、悲しくも、面白い。
 公共の利益や理想社会の実現よりも自身の損得を優先させるというのが資本主義の論理だとすればこのような状況は自然な流れなのかもしれません。何しろ公共の利益や理想社会の実現という共同幻想は、ある時期までは共有されていたかもしれませんが、今や目先の損得だらけで先が見えない。じぁあどないしたらええねん、と言われたら、ほぼジョブレス・ミュージシャンであるワダスには、うーん、そうねえ、ま、悲しくも、面白い、くらいしか言えないのでした。われわれには、これも幻想かもしれない選挙で、自身の損得よりも公共を優先する賢くて誠実な人間を選ぶしかないのよね。そういう人がいるのかどうかはなんとも言えませんが、少なくとも「自分の損得は一切考えず皆様にとってより良い社会を目指しています」という人たちの言葉に騙されないように有権者も賢くなる必要があります。
 南北首脳会談に続く米朝首脳会談というのも大きな話題になっていますが、これも個人の損得計算は得意なトランプとまだまだ国家という幻想の残る北朝鮮のせめぎ合いとも取れるのではないか、などということもぼんやりと思うのでした。

しぶとくしぶとくしぶとくしぶとくしぶとくCD販売促進

 ワダスのソロCDはまだたっぷり在庫があります。
 http://sound.jp/tengaku/CD/ragamusic.html
 1枚2000円で販売しています。ふと思いついたらメールでご連絡ください」
 というわけで、中川家で一定の面積を占めているCDの速やかな退去にご協力ください。

===これまでの出来事===

◉3月3日(土)/ラーガ音楽講座II-4/インドまるごと総合学校、高槻/池田剛:バーンスリー、藤沢バヤン:タブラー、HIROS:講師
 今は下鴨神社などの大きな神社の警備を仕事としている池田君のバーンスリーでラーガ・ヤマンを聞きました。彼はワダスの生徒だったのでやりにくかったのではないかと思います。食っていくことをどうしても優先せざるを得ないとはいえ、しぶとく練習を続けているのには頭が下がります。
 
◉3月10日(土)/ラーガ音楽講座II-5/インドまるごと総合学校、高槻/受講者による演奏トライアル/HIROS:講師
 この日は、受講者に声を出しもらったり、ウクレレでメロディーをなぞったりというワークショップでした。

◉3月17日(土)/ラーガ音楽講座II-6/インドまるごと総合学校、高槻/中尾幸介:タブラー、HIROS:バーンスリー、HIROS:講師
 講座最終日はワダスのラーガ・ヤマンのフル演奏でした。タブラーは幸介君。幸介君の演奏は以前よりもグッとキレが良くなっていました。

◉4月10日(火)/龍谷大学講義-1/瀬田、滋賀
 2018年度前期のジュギョーでした。前号でお知らせしたように、去年まではジュギョーが月火と2日間だったのですが、大谷大学がなくなったので今年からは週1回のみになりました。前期は瀬田にある龍谷大学、後期が佛教大学と深草の龍谷大学。で、龍谷大学は今年度が最後です。
 去年と同じ200人弱収容の教室に入ってびっくりしたのは、学生の数。たった3名が広い教室の後方にばらけて座っているのでした。瀬田のガッコに来て14年になりますが、これまでは多い時には100人以上の学生たちが受講していました。それがいきなり3名とは。ま、何人であろうがジュギョーはせざるを得ないわけで、仕方がありません。2回目以降は7、8人必ず出席するようになったのでちょっとホッとしましたが、けっこうモチベーションが下がるのでした。

◉4月19日(木)/新井孝弘サントゥールライブ/クラブ月世界、神戸/新井孝弘:サントゥール、U-zhaan:タブラー
 低い位置にある舞台を半円状に取り囲む構造なので、座奏が基本のラーガ音楽では客席から演奏家が見えなくなってしまう。二人座れるだけのかなり高い平台の上での演奏なので、客席からはまるで御本尊を拝むような格好なのでした。今やインド国内でも名が知られるようになった新井さんの演奏は、特にタブラーとのやりとりに去年にはない熟練度が見られました。久しぶりに聞いたU-zhaanも、最後に聞いた時よりもずっと進化していました。客席は、通常のラーガ音楽演奏会の聴衆とはかなり雰囲気が異なり、熟年女性が目立ちました。

◉4月22日(日)/ボディーワークショップ/TON PLACER、神戸/角正之:ダンス、HIROS:バーンスリー
 シリーズ2回目でした。参加者の中に、声を使ったパフォーマンスをする北村千絵さんがいました。彼女の名前は以前から目にしたことはあったのですが、直接お会いするのは初めてでした。友人のタマゴこと中川真さんの学生だったらしい。

◉4月22日(日)/ウダイ・バワールカル京都公演/京都トコ会館/ウダイ・バワールカル:ドゥルパド声楽、プラタープ・アワード:パカーワジ/主催:日本ドゥルパド協会
 シュリーこと桂真理子さんが立ち上げた日本ドゥルパド協会の主催でした。演奏者は、北インドの古典声楽ドゥルパド・スタイルでは人気実力で有名なウダイ・バワールカル。両面太鼓パカーワジの伴奏は、若手奏者のプラタープ・アワード。京都丸太町にあるビル2階の比較的小規模なスペースはぎっしり満員でした。30代から40代の女性の姿が目立ちました。PAはなんとシタールの南沢靖浩さん。
 久しぶりの生の本格的ドゥルパは素晴らしかった。ダーガル派の重々しいアーラープを堪能しました。ラーガは、ダーニー、ソーニーそしてケーダール。器楽奏者はほとんど演奏しない複雑な響のラーガ・ケーダールを初めて聞きました。プラタープのパカーワジは派手さはないが堅実で安定感のある演奏でした。
 聴衆の中には顔見知りも多く、ムンバイで共にバーンスリーを習っていた山本トモコさん、2月3月のラーガ音楽講座を主催した佐藤高さん、フーメイの等々力政彦さん、ドゥルパド声楽の鈴木なおさん、バヤン、パカーワジの中川ダイムさん、岡山在住のサーランギー奏者岡田けんしんさん、今岡(伊賀)さん、かつてワダスから声楽を習っていた森すみれさんなどなど。
 終演後、森すみれさん、なおみさん(京都、グミくんからバーンスリー習ったのちシュリーから声楽を習う)、ゆかさん(加古川、ヨガ教師)、ともさん(東京)、あこさん(大阪、シュリーのマネージャー)と近くの高野麦酒店で打ち上げでした。男はワダスだけという贅沢さでありました。

◉4月23日(月)/映画「港町」/第七藝術劇場、十三
 ドキュメント映画専門の第七藝術劇場で相田和弘監督の「港町」を見てきました。ナレーションも音楽もなく、監督と一体化したカメラでモノクロの映像が淡々と進むもので、こういうものを観察映画と呼ぶらしいことを最近知りました。人口減少の進む瀬戸内海の漁港で暮らす人々、特に老人たちの日常をめぐる、切ない郷愁と無常観漂う画面は、遠い過去でありかつ未来でもあるような、現実なのに虚構のような不思議な世界を表現していて、結構な長さなのに飽きずに見ることができました。
 映画では他に、ウォーターゲート事件の内部告発者を描いた「ザ・シークレットマン」、夫が亡くなったために継ぐことになったワシントン・ポスト経営者である女性や編集者たちが漏洩した国家機密文書の掲載を巡って展開する「ペンタゴン・ペーパーズ」も見ています。どちらも映画としてもよくできていて、国の最高権力者の暴走をどうしたら止めることができるのか、を考えさせられる映画でした。これらの映画で描かれたベトナム戦争、ウォーターゲート事件という題材と比べると情けないほどちゃちですが、権力者の悪という意味では本質的によく似ているモリカケニッポー問題で騒いでいる日本の場合はあんな風にダイナミックになることはないんだろうなあと日米の社会のあり方を比較してしまうのでした。 

◉4月29日(日)/短足麻雀
◉5月2日(水)/レッスン
◉5月5日(土)/第3回ガムラン祭@大阪「あつまれGo!Go!ガムラン/住吉武道館、大阪/出演:ギータ・クンチャナ(大阪)、スアラ・スクマ(名古屋)、バパン・サリ、マタハリ・トゥルビット、大西由希子、大眉鉄平、シダ・シディ、スルヤ・ムトゥ、中野愛子、プスパ・クンチャナ、マニック・クスマ
 出演者総数60人弱というバリ音楽祭でした。会場は、住吉大社に付属する武道館。大屋根の妻側がガラス張りの広い会場はほぼ満員でした。400人ほどか。
 同じバリ芸能といっても習得した地区や先生によって微妙に異なるスタイルのグループをまとめ上げ、これだけの集客を果たした小林江美さんのパワーはすごい。江美さんはギータ・クンチャナというバンドを率いるバンマスなんですが、たまあにタマゴこと中川真さんと宴会をする友人です。
 おそらく柔道用と思われる畳に座ってバリの音楽を聴いたり踊りを見ていると、まるでバリのどこかにいるような気分になりました。演奏もなかなかでした。舞台用のコントラストのはっきりした化粧で出た多くの踊り手たちのレベルにばらつきはあるものの、バリ舞踊というのは結構人気があるんだなあと思ったのでした。唯一の男性舞踊家の大眉さんもなかなかでしたが、なんといっても群を抜いて光っていたのはトリを務めた大西由希子さんの踊りでした。以前に彼女の踊りを見たときも感じましたが、ほんのわずかな目や手の動きで舞台の雰囲気を支配する存在感は比類がありません。
 終演後、プレゼントの抽選会。この手の抽選では数十年の人生で一度もなかったのでぼんやりと当選した人たちを眺めていたのでしたが、いきなり手持ちのチケットの番号が呼ばれたのでした。あり得ないと思いつつもう一度見ました。間違いない。ということで最後のガルーダ航空提供の手の込んだ緑色のスカーフをゲットしたのでした。

◉5月10日(木)/ラーガ講座/アーツ・コミュニケーション・ラボ、神戸
 ウダイ・バワールカルのコンサートで久しぶりに再会した森すみれさんからの依頼でラーガの基本について喋りました。参加者は、自称サニーさん、堤さんの男性2人、森さんとお手伝いの若い女性含め女性7名の計9名。森さんは数年前にワダスから声楽を習っていた女性で、今はアート・セラピー関連の活動をしています。
 参加者は、キールタン集会でインド音楽に触れて興味を持った人、シュリーに声ドゥルパドを習っている人など。参加者それぞれのラーガに対する理解の程度が分からないのでこの種の話はなかなかに難しい。
 終わった後、近くの焼き鳥屋「とり好」で打ち上げ。森、王子公園近くに住む女性、川西町からきたという女性、最近大阪の我孫子にオカルトカフェを開店したというサニーさん。この「とり好」は、近くに住んでいたことがあるワダスの馴染みの店なのでした。店の中央で調理する主人も今や64歳とのこと。年齢相応の顔をしていました。向こうもワダスを見てそう思っていたはずです。
 散開してしばらくタクシーを待つ。黒い大型の個人タクシーが停車。しかし、ドアが開かない。座ったままの運転手が自分で開けるジェスチャーをしている。すべすべした革張りの硬めの座席に座り運転席横のパネルを見るとJaguarとあるのでした。「3000ccです。パワーがあるので疲れにくい。個人で営業するなら自分の好きな車がいい・・・」運転手の自慢めいた話を聞きつつ帰宅したのでした。というわけで、最新型のジャグアーに乗ったのは初めてでした。

◉5月14日(月)/明石、墓参り、実家、水道、大塚、山親爺
 解体が終わり更地になった久代さん実家を見に久しぶりにレンタカーを借りて行ってみました。更地を見たところでどうなるわけではありませんが、水道メーターをチェックしておこうと思ったからです。
 というのは、解体工事が終わった後、業者とすったもんだがあったからです。工事が終わってからしばらくして、明石市水道局から「メーターを見ると3月の検針から205立米増えていた。料金は約9万円です。あまりに不自然なのでメーターの写真も撮った。一応お知らせしたい」という電話を受けたのでした。
 205立米というのはとんでもない量です。プール一杯分、4tトラックで500台分の水が使われた?実家は、我々が後片付けに数回行っただけで11月以来無人の家です。当然、使用量はゼロなので1月~3月の水道料金は基本料金のみでした。原因として考えられるのは、以下。
 1.検針員が数字を読み違えた
 2.3月の検針時後水道メーターが壊れた
 3.3月の検針後、何者かが無断で大量に水を使った
 4.何者かが意図的に開栓状態を放置した
 5.解体作業中に給水パイプを毀損し放置状態にした
 6.解体業者が散水する際水を出しっぱなしにして放置した
 1~4の可能性はかなり少ない。となると残るのは解体業者しか考えられません。元大阪市水道局の友人の計算によれば、給水パイプを開栓状態にすれば1時間に1トンの水が排出されるとのことなので、5と6が原因だと推測し、その旨を解体業者を紹介してくれた不動産屋に次のようなメールをしたのでした。
「原因は解体業者の不手際しか考えられないので、解体費用から水道代を差し引いて支払いたい」
 しばらくして返事が来ました。
「私としてもそんな量の水が出たことは不可解だ。もし解体現場に排出されていれば水浸しになっているはずだ。解体業者は、そのような一方的ないいかがりをつけられるような作業はしていない、もし支払いをそのようにするのなら弁護士を通してほしい、土地売却に必要な解体証明書も出さない、と言っている」
 うーむ、困ったことになった、と久代さんとワダスは頭を抱えるのでした。業者の反応が攻撃的なので、何かしらやましいことがあるかもしれないと思いつつ、結局は我々が水道代をかぶり、予定通り売却の手続きをとることにしました。とはいえ、あまりに釈然としないので、原因2のわずかな可能性を探るためメーターの検査に立ち会うことにしています。多分メーターは正しく機能していると思われるので、釈然としないまま余分に9万円支払うことになりそうです。
 というわけで、墓参りを済ませた後、更地になった現場の水道メーターをチェックしましたが、もちろん何かが分かったわけではありません。
 せっかく車で来たのでついでに近くの友人の大塚保則さん宅を訪ねることにしました。同じ大学で学科も学年も同じだった大塚さんの家は、西神ニュウタウンに近い農地に囲まれた地域にあります。自宅近くの広くはない畑で趣味で野菜を作っていて、ときどき我が家にその野菜を持って来てくれるのでありがたい友人なのです。畑を案内されたり、くだんの水道問題、最近札幌まで出かけて行った林産学科同窓会の様子、ベトナムに住む息子さんのこと、今月マチュピチュに行くねん、などおしゃべり。トマト、そら豆、玉ねぎやらお菓子やらのお土産をいただき大塚家を出たのは4時前。
 久代さんが「調べたい本がある」というので40過ぎてから彼女がかつて通っていた神戸外大の図書館に寄った後、3回目でようやく探し当てた新神戸近くの蕎麦屋「山親爺」でざるそばを食べて帰宅したのでした。

◉5月17日(金)/ミニ同窓会/参加者:安藤朝広、奥山隆生、HIROS、湊隆/いまじん、三宮
 久しぶりのミニ同窓会でした。当たり前ですが全員順調に年を重ね今や立派なジジーです。脳梗塞から立ち直った湊も、完全とは言えないものの元気でした。 

◉5月19日(土)/短足麻雀
◉5月20日(日)/エバーグリーン管理組合理事会
◉5月26日(土)/CAPメキシコ会議/CAP音頭踊り練習/Y3、神戸
 8月のメキシコ・タカンバロ市で行う予定の盆踊りの練習でした。盆踊り用に作ったCAP音頭(作詞:岩本象一、作曲:HIROS)をバックに角さんの奥様が振り付けた新作の舞踊を全員で踊るのでした。踊るのはなかなかに楽しいのですが、くったびれたなあ。

◉5月28日(月)/コムコカ夕食会/参加:新井孝弘、井上春緒+のぞみ+さや、谷正人、神田裕子、HIROS
 この日は須磨の岡宅のサロンで新井さんが演奏するのを見学することにしていたのでしたが、歯茎が腫れて断念。
 長い東日本ツアーを終えて戻ってきた新井さんを囲んだ宴会でした。新井さんの神戸公演を主催した神田さん、京都大学大学院アジアアフリカ地域研究研究科の研究員になった春緒さん、最近勤め先が変わったという小学校の先生ののぞみさん夫妻と娘のさや、イラン音楽研究者、サントゥール奏者で現在神戸大学で教えている谷さんという面々。井上家は、さやちゃんの小学校の関係で以前住んでいた八瀬から岩倉に引っ越したという。
 彼の本を通してお名前だけは知っていた谷さんは、「久しぶりです。HIROSさんの京都市芸大の集中講義を受けたんですよ」と自己紹介したのでようやく名前と顔が一致しました。彼とは共通の知人がとても多かった。
 コムコカはベトナム料理ということでしたが、コストパフォーマンスから言えばイマイチでした。今度は鴻華園にしたいなあ。

===この間に読んだ本===

*1『米朝開戦』**1~4(マーク・グリーニー/田村源二訳、新潮文庫、2016)
『米中開戦』**1~4(トム・クランシー/田村源二訳、新潮文庫、2012)
『教皇暗殺』*1~4(トム・クランシー/田村源二訳、新潮文庫、2004)
『聖戦の獅子』上下(トム・クランシー/伏見威蕃訳、新潮文庫、2006)
『ライアンの代価』*1~4(トム・クランシー/田村源二訳、新潮文庫、2013)
『細菌テロを討て』上下(トム・クランシー+マーティン・グリーンバーグ/棚橋志行訳、二見書房、2001)
*2『人体六百万年史』**上下(ダニエル・E・リーバーマン/塩原通緒訳、2017)
『貝のうた』**(沢村貞子、新潮文庫、1983)
*3『大量殺人のダークヒーロー』**(フランコ・ベラルディ/杉村昌昭訳、作品社、2017)
*4『日本沈没』***(小松左京、【文春e-Books】、2017)
*5『感染症の世界史』(石弘之、角川文庫、2018)
*6『チューリングの大聖堂』**上下(ジョージ・ダイソン/吉田三知世訳、ハヤカワ文書、2017)
『オレたちバブル入行組』**(池井戸潤、文春文庫、2004)

*1... Netoffというウェブサイトに古い本が格安で売られていることに気がつき、冊数によって送料が無料になるというので、試しに1冊108円のトム・クランシーものを22冊購入し、2週間ほど国際謀略戦争シュミレーションの世界に浸りました。アメリカの国家幻想に満ちた大味の物語ですが、ストーリー展開が巧みなので時間つぶしには最適なのです。特にトランプ・金正恩会談が話題になったせいか、『米朝開戦』はなかなかに面白く読みました。
*2...人体の各パーツや病気と進化の関係を著した読み応えのある本。皆さんにもお勧めしたい。山極寿一さんの巻末の解説もなかなかです。
*3...アメリカでときどき発生する銃乱射事件などを解説しつつ、現代文明の病理を考えさせるいい本です。これもお勧め。
*4...ワダスが学生の頃に出た小松左京のベストセラー小説。電子出版で安く売られていたので思わず購入しました。初版の時にもすぐに買って読んだ記憶がありますが、50年も前に書かれたとは思えないほど、時代を超えた普遍性があり、今読んでも新鮮で、いろんなことを考えさせらる小説です。
*5...タイトル通りの、感染症と人間の関係を歴史的に著した好著でした。コレラ、ペスト、梅毒、インフルエンザ、エイズ、サーズ、エボラ熱、結核などなど、細菌やウイルスが原因の感染症が歴史に大きな影響を与えたことは、ジャレド・ダイヤモンドの『鉄・銃・病原菌』などでも論じられていますが、原因がわからずなすすべもなくバタバタと人が死んでいく時代に生まれなくてよかったとつくづく思います。最近ではかなりの感染症が克服されて来ていますが、微生物たちも自らを変えてまだまだしぶとく生き続けているので気をつけることに越したことはありませんね。微生物が原因ではない病気については、『人体六百万年史』で進化のミスマッチという発想で書かれていて、合わせて読むとなかなかに興味深いものがあります。
*6...戦中戦後にかけてアラン・チューリング、ジョン・フォン・ノイマン、ゲーデルなどなど、プリンストン高等研究所を中心に進められたコンピュータ開発にまつわる話。アラン・チューリング、フォン・ノイマンという天才的数学者がどのようにしてコンピュータを発想し作り上げていったのかが、フリーマン・ダイソンの息子としてオンタイムで目撃していたジョージ・ダイソンが書いたノンフィクションです。ワダスとしては好きなジャンルでかなり面白く読みましたが、配偶者はチンプカンプンだと言っていたのでした。

===これからの出来事===

 週一回のジュギョー、週一回マンションの麻雀クラブ以外、練習、レッスンくらいで、これといってやるべきことのないヒマな日常が続きます。とはいえ、8月にはメキシコに20日間滞在しワークショップやパフォーマンスをやる予定なので、それなりに忙しい夏休みになりそうです。

◉6月2日(土)/エバーグリーン理事会
◉6月9日(土)/ラケーシュ・チャウラースィア・バーンスリー・コンサート/雲心寺、名古屋/ラケーシュ・チャウラースィア:バーンスリー、ドゥルジェイ・バウミック:タブラー
◉6月17日(日)/CAPメキシコ会議/Y3、神戸
◉6月23日(土)/短足麻雀
◉6月30日(土)/ヴィヴェーカナンダ来神125年式典/私学会館、神戸/HIROS:バーンスリー
◉6月30日(土)/CAPメキシコ会議/Y3、神戸
◉7月1日(日)/CAPサロン/Y3、神戸
◉7月6日/ラーガ講座#2/アーツ・コミュニケーション・ラボ、神戸
◉7月12日(木)/CAPメキシコ会議/Y3、神戸
◉7月26日(木)/CAPメキシコ会議/Y3、神戸

◉8月10日~31日/ジャパン・イン・タカンバロ・フェスティバル/タカンバロ市、メキシコ、ミチュアカン州/参加者:淺野夕紀(ベルリン在住、美術)、岩本象一(音楽)、下田展久(CAP代表、音楽)、角正之(舞踊)、HIROS(音楽)、平林沙也加(美術)、森田優希子(美術)
「このフェスティバルは、以前神戸で特定非営利活動法人芸術と計画会議(C.A.P.)が開催した『メキシコと日本、それぞれの視点、移民と文化変容』で来日したアーティスト、プリシリアーノ・ヒメネスの発案によりタカンバロ市で実施されることになった。日本とメキシコ、『お盆』や『死者の日』など似たような民俗行事があり、また正反対とも思える精神性も感じる。3年間両国の関係者で温めてきた企画である。この機会に芸術的可能性と両国友好を発展させたい。また、今年のメキシコでの震災も、神戸で阪神淡路大震災を体験した我々は忘れることができない。先祖や亡くなった方々のことを思い芸術交流を推進したい」(下田)というようなわけで、現地ミュージシャン、アーティストとの交流、そして盆踊りを敢行することになっています。盆踊りとはいっても、CAPがやるので当然かなり風変わりなものになると思います。それにメキシコの人たちがどう絡んでくるか、今からワクワクしています。帰国後に詳しく報告しますので、期待しないでお待ちください。