めんこい通信2018年9月20日号

 もくじ
 これまでの出来事
 この間に読んだ本
 これからの出来事

 あのムッチャ暑い夏がようやく終わり、凌ぎやすい季節になって来ましたが、皆様いかがお過ごしですか。
 今回は8月のメキシコ20日間旅行が挟まってしまったので、前回の5月30日号からはほぼ4ヶ月経ってしまいました。この間のワダス周辺で起きた出来事としてはそのメキシコ以外はほぼ淡々とヒマな日常でありました。
 もちろんこの間には、アベ周辺やらソーサイ選やら、米朝首脳会談やら、モスクワ・サッカー・W杯やら、アメフトやらボクシングやら体操やら重量挙げやら続々出てくるアマチュアスポーツ界パワハラやらなんやら、文科省役人の息子の裏口入学やら、オウム真理教幹部の死刑執行やら、西日本の記録的豪雨やら、タイの洞窟に閉じ込められた少年たちの救出やら、記録的猛暑やら、カジノ法案成立やら、翁長知事逝去やら、大阪や北海道の大地震やらのニュースが話題になったりしましたが、社会との関わりから徐々に撤退しつつある中川家の凡庸な生活とはほとんど縁がなく、あーあ、こうやって人生は続くのね、なのでした。
 ところで、このところ『ホモ・デウス』上下(ユヴァル・ノア・ハラリ、柴田裕之訳、河出書房新社、2018)を読んでいます。人間は神へのバージョンアップを図っているのだと。前著『サピエンス全史』と通して読むと、これから人類がどこへ向かうのか考えさせられます。

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 ワダスのソロCDはまだたっぷり在庫があります。
 http://sound.jp/tengaku/CD/ragamusic.html
 1枚2000円で販売しています。ふと思いついたらメールでご連絡ください」
 というわけで、中川家で一定の面積を占めているCDの速やかな退去にご協力ください。

===これまでの出来事===

◉6月9日(土)/ラケーシュ・チャウラースィア・バーンスリー・コンサート/雲心寺、名古屋/ラケーシュ・チャウラースィア:バーンスリー、ドゥルジェイ・バウミック:タブラー
 ムンバイでグルであるハリジーの元で修行を続ける永井由香さんから「6月にRakeshの名古屋と松阪の公演が決まりました。 Rakesh からも、日本に行くなら中川さんとぜひ会いたいと言われており、ご連絡させて頂きました。」とのメッセージをもらい、久しぶりに名古屋まで出かけました。ラケーシュとは彼がまだ10代の頃、ハリジー自宅でのレッスンやコンサートで知り合ったのでかれこれ30年来の付き合いです。日本にもハリジーと一緒に来てもらったこともありました。

 このコンサートの主催者は、サントゥールを演奏する安藤真也さんとタブラーの原口さん。お名前は聞いていましたが、直接お会いするのは初めてでした。
 会場は雲心寺本堂。安藤さんのサントゥールと原口さんのタブラー演奏後、ラケーシュの素晴らしい演奏を聴きました。彼は多分、インド人演奏家の中では飛び抜けて内外での公演数が多い演奏家と言えますが、演奏を聴くとそれにも納得します。音程といいテクニックといい、グルのハリジー最盛期を彷彿とさせる見事な演奏でした。タブラーのドゥルジェイも安定した演奏でしたが、ラケーシュのワンランク上の演奏と張り合うには力不足のような気がしたのでした。
 コンサートを主催していただいた安藤さんたちには感謝です。もっとも、100人近い満員の聴衆だったとはいえ、もっと本格的なホールでの開催も可能だったのではないかとざんねんな気もします。聴衆の中には、作曲家の三輪眞弘さんの姿も。
 

◉6月30日(土)/ヴィヴェーカナンダ来神125年式典/私学会館、神戸/HIROS:バーンスリー

 トラベル・ミトラの大魔王こと大麻さんからお誘いを受けての演奏でした。
 ものすごく久しぶりに板倉さんご夫婦に再会しました。板倉さんというのは、ワダスの訳した『インド音楽序説』出版でお世話になった元東方出版の編集長です。お互いに歳をとりました。

◉7月6日(金)/ラーガ講座#2/アーツ・コミュニケーション・ラボ、神戸
 5月の第1回で終わりだと思っていたらまたまた依頼されました。全体で何回と分かれば組み立てやすいのになあ。ともあれ、前回とは違うプログラムを作ってなんとかこなしたのでした。打ち上げは例によって近くの焼き鳥屋の「とり好」。

◉8月2日(木)/ボディー・ワークショップ/TON PLACER、神戸/角正之:ダンス、HIROS:バーンスリー
 シリーズ3回目のこの日は角宅へ早めに行ってカレーを作りました。

◉8月3日(金)/ラーガ講座#3/アーツ・コミュニケーション・ラボ、神戸
 この講座は連続して来る人よりも次々と新しい人が来るので本当に難しい。打ち上げは例によって近くの焼き鳥屋の「とり好」。

◉8月5日(日)/施餓鬼/福林寺、明石

◉8月9日~30日/ジャパン・イン・タカンバロ・フェスティバル/タカンバロ市、メキシコ、ミチュアカン州/参加者:淺野夕紀(ベルリン在住、美術)、岩本象一(音楽)、下田展久(CAP代表、音楽)、角正之(舞踊)、HIROS(音楽)、平林沙也加(美術)、森田優希子(美術)
 メキシコの小さな町、タカンバロでの日々は、その猛烈な歓迎ぶりや慣れないワークショップの連続でやや疲れましたが、これまでにない濃密な海外体験でした。どんなことをしたか、何を食べたか、誰と会ったかなどなどは「メキシコ3週間よれよれ日記」で詳しく書いていますので、御意志とお時間のおありの方はご一読ください。例によって相当に長いです。全体で約8万字ありますので、読むにはかなり忍耐が必要かもしれません。
http://sound.jp/tengaku/Essay/mexico2018/preface.html

◉9月2日(日)/インド芸術祭/京都市国際交流会館/出演/村上幸子(オリッスィー舞踊)、渡辺桂子(クチプディ舞踊)、田中峰彦(シタール)+りこ(タブラー)、gumi(バーンスリー)、岩下洋平(シタール)、藤澤ばやん(タブラー)

 朝の5時か6時に起きてしまい日中も眠気が襲うという時差ボケのなか、京都に出かけました。この日は、新しいインド総領事の舞台挨拶の通訳という役目でした。これが散々でした。総領事のしゃべっていることは理解しているのに時差ボケもあるせいか日本語が出てこない。つくづく通訳は向いていないことを実感したのでした。
 客席はほぼ満席で180人ほど。通訳以外の仕事がないので受付あたりをうろうろしてたら、チケットのもぎりをやれと言われてしまったのでした。
 車で帰るという田中夫妻に三浦寛子さんと同乗し、「金比羅製麺」でミニ打ち上げ。

◉9月7日(金)/シスワディ/スペース天、大阪
 メキシコにいる間、自宅に置いていった携帯に「シスワディが大阪に来ているので」との連絡がたまごこと中川真さんから入っていました。ということで、たまたまたまごが神戸に来るというので彼の車に乗せてもらい久しぶりに「スペース天」に行きました。「スペース天」というのは、ガムラン・グループのマルガサリの練習場のことです。
 そこで、西真奈美さんと一緒にやって来たシスワディと再会。2008年にジョグジャカルタで会って以来なので実に10年ぶりです。彼は現在もジョクジャカルタ芸術大学ISIの副学長とのこと。58歳ということでしたが、見た目は10年前とほとんど変わっていない感じ。


 この日はシスワディの指導での練習でした。人数が足りないということで、なんとワダスにもなんかやれと言われ、初めて楽器を叩きました。あんなんでよかったのかなあ。

===この間に読んだ本===

『仇敵』(池井戸潤、講談社文庫、2006)
『日本戦後史論』**(内田樹+白井聡、徳間書店、2015)
『欧州開戦』1(マーク・グリーニー/田村源二訳、新潮文庫、2018)
『欧州開戦』2(マーク・グリーニー/田村源二訳、新潮文庫、2018)
『欧州開戦』3(マーク・グリーニー/田村源二訳、新潮文庫、2018)
『欧州開戦』4(マーク・グリーニー/田村源二訳、新潮文庫、2018)
『米露開戦』1(マーク・グリーニー/田村源二訳、新潮文庫、2015)
『米露開戦』2マーク・グリーニー/田村源二訳、新潮文庫、2015)
『米露開戦』3(マーク・グリーニー/田村源二訳、新潮文庫、2015)
『米露開戦』4(マーク・グリーニー/田村源二訳、新潮文庫、2015)
『メディア買収の野望』上(ジェフリー・アーチャー/永井淳訳、1996)
『メディア買収の野望』下(ジェフリー・アーチャー/永井淳訳、1996)
『七つの会議』(池井戸潤、集英社文庫、2016)
『ヒトラーと物理学者たち』***(フィリップ・ボール/池内了・小畑史哉訳、岩波書店、2016)
『一万年の進化爆発』(グレゴリー・コクラン、 ヘンリー・ハーペンディング/ 古川奈々子訳、日経BP社電子版、2010)
『物語 メキシコの歴史』(大垣貴志郎、中公新書電子版、2008)
『剣より強し』上(ジェフリー・アーチャー/戸田裕之訳、新潮文庫、2016)
『剣より強し』下(ジェフリー・アーチャー/戸田裕之訳、新潮文庫、2016)
『現代メキシコを知るための60章』(国本伊代編著、明石書店、2011)
『めきめきメキシコ』(Kuma*Kuma、スリーエーネットワーク、2003)
『北斎を愛したメキシコ詩人』(田辺厚子、PMC出版、1990)
『片腕をなくした男』上(ブライアナ・フリーマントル/戸田裕之訳、新潮文庫、2009)
『片腕をなくした男』下(ブライアナ・フリーマントル/戸田裕之訳、新潮文庫、2009)
『メキシコ歴史教科書』(ホセ=デ=ヘスス ニェト=ロペス、 リゴベルト ニェト=ロドリゲス/(国本伊代監訳、明石書店、2009)
『天国に行きたかったヒットマン』(ヨナス・ヨナソン/中村久里子訳、西村書店、2016)
『科学はなぜわかりにくいのか』(吉田伸夫、技術評論社、2018)
『メキシコの輝き-コヨアカンに暮らして』(黒沼ユリ子、岩波新書、1989)
『ホモ・デウス』上***(ユヴァル・ノア・ハラリ、柴田裕之訳、河出書房新社、2018)

===これからの出来事===

 週一回のジュギョー、週一回マンションの麻雀クラブ以外、これといってやるべきことのないヒマな日常が続きます。とはいえ、11月には東仲一矩さんのフラメンコとの共演がありますので、ご興味のおありの方は是非見に来てください。

◉9月22日(土)/メキシコ報告会/Y3、神戸
◉10月5日(金)18:00~20:00/ラーガ講座#3/アーツ・コミュニケーション・ラボ、神戸
◉11月5日(月)/岡サロン/須磨、神戸/HIROS:バーンスリー
◉11月24日(土)/国境を超えたラーガ音楽 フラメンコはインドからだった/STUDIO Y3、神戸/東仲一矩:フラメンコ、國光秀郎:ギター)グレン・ニービス:タブラー、HIROS:バーンスリー