メキシコよれよれ日記 (2019年4月12日〜9月10日)

6月10日(月)  前日  翌日
 今週からレッスン時間が12時〜2時と当初の時間帯に戻った。予定通り、エリカが12時にやってきてレッスン開始。
 週末の3日間何をしたか、についての会話だった。当然、流暢とは程遠く、ツルムタロやサンタ・クララ・デル・コブレへ行った時のことをつっかえつっかえ話した。彼女はワダスの日記をGoogle翻訳で読んでいるので、我々がどこで何をしたか、ある程度知っていた。
「ツルムタロでモレを食べたのよね。どうだった? モレと一口で言っても皆レシピが違うので味も違うけどね。これぞモレというのに出会えればいいよね。
 サンタ・クララには、山の中腹に知り合いが住んでいた。眺めは良かったけど、行き帰りがきつかった。サンタ・クララでは、トスターダのトルタが結構いけてる。トスターダって知ってますよね。パリパリにした小さなトルティーヤのこと。その上に肉や野菜を乗せるんだけど、それをパンに挟むの。粉もんを粉もんで挟むなんて、と思ったけど、食べてみると中のパリパリの食感がいい。結構美味しい。あとサンタ・クララはゲイが多いと聞いた。山に囲まれたああいう地形なので男はマッチョであることが期待されるんだけど、それがどうも理由みたい」
 ゲイが多いとか少ないとかは、なんとなくただ町を眺める我々のような訪問客には決してわからないことだが、エリカはどうやって知ったんだろう。そういう噂が近隣に知れ渡っているということか。ともあれ当たり前のことだが、こうしたことも含め、この辺の町は、わずかな時間そこで過ごしただけではわからない特色があるようだ。年単位で住まなければこうしたことはわからないだろう。
 我々のスペイン語能力は、ここに住み始めたころに比べるとそれなりに進歩しているが、相変わらず初歩段階だ。原因は色々考えられる。
 1.スペイン語しか通じない環境ではない
 まず、夫婦でいること。当然のことだが、朝から晩まで日本語でしか会話しない。例えばワダスがスペイン語しか話さないメキシコ女性(男性でももちろんあり得るが)と一緒だったら全く違うであろう。また、ここの大家のバチェは我々とは英語で会話する。バチェがメキシコ人だったら事情はまた違うはずだ。
 2.一緒に喋り合うメキシコ人の知り合いがいない
 先生のエリカは別として、互いの家を訪問しあったりするような知り合いがまだいないというのも原因の一つだろう。エリカとは週に4日間、毎日2時間過ごすわけだが、彼女は文法や言い回し、他の話題のおしゃべりを英語で話すので、我々がスペイン語の単語を思い出そうとしてもすぐに英語に逃げることができる。彼女に「スペイン語だけにしてほしい」と頼むことはできるが、それをやると今の段階ではほとんどコミュニケーションができないだろう。
 3.買い物や移動にはややこしいスペイン語は必要がなく、今のレベルでもなんとかなる。我々がよくスーパーで買い物をするのは、会話能力がほとんど不要だというのも理由の一つと言える。
 4.記憶力が減退している。これは如何ともしがたい。
 5.集中力を維持できない。これも如何ともしがたい。インドに住んでいた頃は、大学の授業や音楽のレッスンあるいはお手伝いさんや大家との会話など、ヒンディー語と英語はどうしても必要で、習得動機が大きかった(と思っていた)ので、割と集中して勉強していたように思う。しかし、メキシコでスペイン語を習うのは、実用性というよりもほとんど趣味に近いので30代当時に比べて必死さが足りない。
 というわけで、新しい語学を習得するのはなかなかに難しい、などと自己弁護するこの頃なのでした。
 レッスン後、例によってスーパーまで買い出し。特売ビール12本、ミルク、タマゴ、チョリソー、洋ナシ、玉ねぎ、コーヒー、お菓子で締めて354ペソ(2124円)。現金が少なくなってきたのでクレジットカードで支払った。そのうち地元のATMから現金を引き出さなければならないので、練習用にスーパー近くのATMにデビット・カードを差し込んでみた。1万ペソ引き出すつもりだったが、ディスプレイの表示を誤解したものと見え、出てきたのは100ペソ紙幣1枚だった。明細書をみると、コミッションが70ペソとあった。600円ほど引き出したのに手数料がなんと420円。銀行からのメールには引き出し金額が1020円とあった。つまり地元のATMで現地通貨を引き出せるので便利なデビット・カードは、こまめに少額ずつ引き出すと手数料がバカ高いのだ。420円損したけど、練習して良かった。
 スーパー近くでウエコリオと書いたコンビに乗った。ところがこのコンビは、ウエコリオに行くには行くが大回りのルートで時間がかかった。
 帰宅して、昨日の晩に久代さんが作ったソーセージと野菜の煮物で遅めのランチ。
 久代さんの足に赤いポツポツができて痒い、というので7時すぎに近所の薬屋へ行く。薬屋のあんちゃんに症状と原因らしいことをメモしたスペイン語を見せた。彼は即座にクリームを出してきて、これだと自信ありげにうなづいたので購入した。100ペソだった。
 途中、船着場によってみた。湖、山々、ボートが夕焼けに映えて美しい。島へ向かう最終便には、地元の女性たちが大きな荷物を運び込んでいた。皆本当に働き者だ。今日撮った写真はこれだけ。

---やれやれ日記
ダニの1種にやられたらしい。足の赤いポツポツが増えていく。薬を塗ると痒みはましになった。

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