メキシコよれよれ日記 (2019年4月12日〜9月10日)

4月15日(月)  前日  翌日
 泊まっているホステルは、二人4泊朝食付きで2000ペソちょっと。一人1泊1500円。メキシコシティのど真ん中にしては格安だ。しかし、いろいろと不便な点がある。


 まず、3階の部屋へたどり着くのにへたってしまう。割り当てられた部屋は最上階にあったが、エレベーターはなく、階高が普通の倍あるため、実質的には8階分の階段を上り下りすることになる。しかもここは標高2300m、ヘタリ具合が半端ない。また、日中の強い日差しを浴びているので、外は涼しいのに部屋の中が異様に暑い。扇風機は着いているものの寝るのに毎晩悶々とした。トイレ、シャワー、洗面台は部屋になく、共同のものを使わなければならない。さらに、安宿なので主に少年少女がグループで泊まっているので、夜中まで騒いでいてうるさい。深夜におしっこで起きて共同トイレに向かう途中の踊り場では薄暗い中で男女が抱きついていたり、廊下の床に座って女の子がスマホで電話していたり、大便中の男のバスケットシューズが外から見えたりする。しかも、全館WiFiありとなっていたのに、我々のいる部屋では繋がったり繋がらなかったりした。接続が安定していたのは1階のレセプションだけなので、ネットにつなげようとすると1階まで降りて、再びヒーヒー言いながら部屋に戻ることになる。去年もタカンバロではネットに繋げるのにイライラした。メキシコでは日本に比べてWiFi接続がまだまだスムーズではないようだ。
 当初、日本から19日まで泊まることにしていたが、上のような事情なので明日にはここを出ることにした。
 さて、今日の仕事の1つは、ビジネス街にあるHSBCで、空港の両替所で受け取りを拒否された古いポンド紙幣を両替してもらうことだった。なぜポンド紙幣かというと、2008年の七聲会UKツアーの時にもらったギャラの一部を両替せずに保管していたのだ。帰国した途端、例のリーマンショックで一気にレートが下がったので塩漬けにしていた。で、EU離脱騒ぎでさらにレートが下がりそうなので今回の旅で使い切ってしまおうと考えた。その一部を空港で両替した。しかし新札は大丈夫だったが、旧札は受け取れないと言われてしまった。HSBCメキシコ支店なら旧札でも両替してくれるかもしれないという理由でHSBCに行くことにしたのだ。


  9時半、Republica de argentinaバス停からHidalgoへ。そこで7系統の2階建バスに乗り換えてLe Angelで下車。
 超高層のHSBCビルのレセプションでポンド旧紙幣をペソに両替できるかを尋ねる。英語のできる女性受付に事情を説明した。「事情はわかった。ここに口座を持っているか。持っていれば対応できるがそうでなければここではそういうことはやっていない」と彼女。「ここはイギリスの銀行だからと来たのだ。上のものに尋ねてほしい」というと2階に行けという。2階は雰囲気的には特別ゲスト対応室のような内装で静かだ。受付の女性に説明するとパスポートを出せという。何かしら入力していたがそのうち別の女性顧客がやってきて対応。日本人ビジネス客らしい二人のスーツ姿の男もカードを渡して何かを処理して帰っていった。ふと身なりのしっかりした40代前半に見えるメキシコ人の男が流暢な英語で我々の話をきく。
「そういうことなら、口座を作りますか。でも、滞在許可証とか住民票のようなものが必要になりますが。でなければこちらでは対応できません。おそらく、ここから2ブロック先の角にある緑色の看板のCIBANKで両替できると思いますので、そちらへどうぞ」
 そのCIBANKで最終的には両替した。しかし、空港で拒否された旧札のポンドははねつけられる。担当した若い女の子によると、旧札はどのメキシコの両替所でも受け取らないという。旧札は結局日本に持ち帰るしかなさそうだ。


 ソカロ周辺とは違うパリッとした服装の人の多いレフォルマ通りを歩いて、チャプルテペックへ。樹木の多い広い通りから公園内に入る。国立民族学博物館に着いたが、休館日だった。
 7系統バスで終点のLa Villaまで2階の先頭座席から街を見下ろす。と、バス駅ではないような場所でバスが止まった。そのまま乗っていたが乗客はいなく静かだ。しばらくして1階に降りると、運転手もいなく外へ出ねことができない。しばらくして運転手がやってきたので外へ出るとバスが動き出した。
 周辺は商業施設も何もない場所なので逆向きのバスでHidalgoまで行く。イダルゴで降り、広い広場を横切りベジャス・アルテスBellas Artes周辺へ。


 公共ホールベジャス・アルテスの中に入る。中は絢爛豪華。食堂もあったが高そうなので、ベジャス・アルテス全体を見下ろす向かいのSearsビルのバルコニーのカフェへ行くことにした。カフェからはベジャス・アルテスが真正面に見えた。しかし、我々の欲するビールはなさそうなので再び1階に降り、そのビルの横道に入った食堂で食事。入り口近くのテーブルで行き交う人を眺めながら、野菜と果物と、チーズ、ハムをあげた鶏肉で挟んだ料理をビールとともに二人で食べた。150ペソほど。二人で1000円くらいなので、安いと言える。
 歩行者天国のマデロ通りを歩いてソカロに戻る。ものすごい人たちが行き来している。コスプレの男女、家族づれなどなど。両サイドはzaraなど有名店が連なる目抜き通りだ。ソカロ沿いのマクドナルドでソフトクリーム。10ペソ。


 ホテルの暑い部屋に戻り、うつらうつら。久代さんは荷造り。ネットがちゃんと繋がり、米朝の「地獄百景亡者の戯れ」、ビデオニュースなどをきく。10時過ぎに消灯し、なんとなく寝たようだ。と思ったらノックがあった。守衛のおっさんが「タクシー来てるけど、頼んでないか」という意味のことを言っている。頼んでおいたレセプションの男が午前と午後を間違ったようだ。それにしても暑くて寝苦しい。

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