メキシコよれよれ日記 (2019年4月12日〜9月10日)
4月22日(月) 前日 翌日
6時起床。室内は暗く、寒い。日記を書き、練習し、日向ぼっこでダラダラしているうちに昼近くになった。12時10分前にエリカがやってきた。「住所を頼りに近所を一軒一軒ノックしてようやく着いた」という。
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いよいよスペイン語のレッスンだ。始めようとしたら「今日後ろを振り向いた途端、背中が痛くなっちゃって。ところで何かセーターかなんか、ないですか」というのでウィンド・ブレーカーとショールを貸してあげた。
スペイン語のレッスンはアルファベットの読みから。知っている単語をアルファベットで読み上げ、書き取る。ついで、家の中のものや各部分の名称。壁、天井、テーブル、椅子、キッチン、居間、寝室、コップ、グラス、カーペット、窓などを習う。不規則な読み方の例も挙げながら。
1時間ほどしてコーヒー。痛み止め薬を飲んでいるので強いコーヒーは控えて紅茶にしたいという。我が家にはまだ紅茶はないので薄いインスタントコーヒーにしてもらった。
日が差してきた屋外へ出て、木、草花の色を指す単語を教わる。
再び室内に戻り、食事の単語。食事は5回あるという。朝食、ランチ、夕食、アフタヌーンティー、夜食。それぞれ時間と食べるものが異なる。最近は皆忙しいのでこの通りではないらしいが。2時近くになって雑談。
咲子さん宅の近くに両親と住む彼女は、これまでボーイフレンドは結構いたが、独身の40歳。ものすごい美人というわけではないが、小柄で太りすぎていず、バランスのとれた体格をしている。一時はここの大家のバチェの息子とも付き合っていた。大学で心理学を学び、現在は大学や学校で英語とスペイン語を教えているという。態度も喋り方もとても真面目で、ジョークを連発するような感じではない。母親が教師ということなのか、教えることが天職のような、教師の家に育った女性の雰囲気がある。それでいて前回会ったときに合意していたレッスン料を微妙に値上げしたように、教師という仕事に誇りとしぶとさも持っている。
この間あげたCDを聞いたという。気功をしているお母さんがBGMで流したらしい。
レッスン後、ドン・チュチョでの買い物に付き合ってもらった。歩こうとしたら「日差しが強いので、歩くのもいいけどコンビ(ミニバス)で行きましょう」となった。間もなくやってきたコンビでドン・チュチョのある通りまで。9ペソ。路上にはスイカ、マンゴー売り、乗用車の屋根にきれいに瓶を並べたメスカル売りがいた。エリカがメスカル売りの青年に聞くと、隣の州のものだという。
ドン・チュチョの店へ。
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| 上 メスカル売り 下 ドン・チュチョの店 |
「亡くなったこの店の主人は、スペイン語、英語にこの地のプレペチャ語を話した。買い物かごにサービスでこっそりとチーズを入れるような人でとても人気があったのよ」とエリカ。
店はその亡くなった店主の息子の妻なのか、表情のしっかりした黒髪の中年女性が切り盛りしていた。「彼女がいるとき買い物したらラッキーよ。今の店主や店員だとゆっくり待ってくれないから」
ビール、メスカルを購入した後、エリカと別れた。
エリカが薦めてくれたレストランDon Prisciでランチ。牛肉のスープBirria de Res、焼きたてのトルティーヤ4枚がついて、ビールとで95ペソ。トルティーヤに挟む付け合わせで、ピーマン、玉ねぎの細切り、緑と赤のソース、ライムもついてくる。スープの味はなかなか。1皿で我々二人には十分だ。
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再びドン・チュチョに戻り、チョコレート、湯がくととろみの出る野菜ウチワサボテン、紅茶、チョコレート、小さな桃1個を買った。
魚料理が美味しいとエリカが言っていたレストランを横目に見ながら歩いて帰宅。久代さんは夕食用にレタス、トマト、ジャガイモ、ソーセージの煮物を作る。作りながら不得意なrrの発音の練習に余念が無い。どうしても顎を突き出してしまい、舌と上顎の接点を震わすことができないのだ。彼女は煮物を食べつつビール。ワダスもそれをつまみながらメスカルを飲んだ。
バチェに小さな鍋を借りた。キッチンにある鍋はどれも、明日の朝に食べるつもりのまるちゃんラーメンを煮るには大きすぎるのだ。
今日のレッスンの復習をしたり、ウェブに日記をアップロードしたりしているうちに10時過ぎとなり、就寝。
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イサのやれやれ日記
スペイン語クラスの初日。エリカ女史はとても優秀な先生のようだ。昔インドはベナーレスでヒンディ語を教わったビレンドラ先生もすばらしい先生だったが、彼に匹敵するいい先生かもしれない。だが、早速、私はrとrrの発音でつまずく。巻き舌ができない。これまで英語のrとlも、フランス語のrも、ヒンディ語のr関係も、すべてごまかして70年近い人生を生きてきた、その報いか。哀れな耳と舌。