メキシコよれよれ日記 (2019年4月12日〜9月10日)

4月26日(金)  前日  翌日
 6時半、起床。今日は洗濯機が使えるということだったが、洗濯機の中にシーツなどがまだ入っていたので断念。
 10時半、コンビでエリカ宅へ。アリシアはすでに準備して待っていた。早速、大きなGMのワゴン車でセントロへ向かい、ほどなく博物館Museo de Artes e Industrias Popularesに到着。パツクアロに暮らしてきた主に原住民タラスコ族(自称プレペチャ族)の人々の生活博物館。入場料は一人55ペソ。食器、台所道具、衣装、機織り、陶器、木工、楽器などが展示されていた。大きな博物館ではないが、この地域のかつての生活を知るいい博物館だった。解説は全てスペイン語なので展示物から類推するしかないのだが。


 博物館の隣にある文化センターへ。イギリス人の写真展をやっていた。題材はパツクアロの人々。ここは元々学校だった建物だという。隣接して大きな教会が建っている。
 大広場が眺められるカフェで一休みしつつアリシアの話を聞く。


 彼女のわずかな英語とスペイン語経由で分かったこと。彼女はパブロと16歳で結婚して42年になる。結婚後、パツクアロの大学の教育学部で学び修士号をとり、以来、教師として働く。夫の家族はよくメスカルを飲み、よく食べ、音楽だらけだという。彼女の母親はカナダに住んでいる。
 アリシアがコーヒーと一緒にタパを注文した。小さなパンの上にハム、チーズを載せた軽食。ちょっと辛めのソースを載せて食べるとなかなかだ。3人分の勘定、130(+チップ20)を払った。
 アリシアの案内で郵便局へ行き、絵葉書を出した。アリシアとはそこで別れ、我々は市場を歩く。果物、魚、野菜、衣類、雑貨など、テント張りの店舗が隙間なく並ぶ大きな市場だ。ワダスは去年ここに来ている。カップに入ったスイカを食べた。15ペソ。あまり甘くはないがいい水分補給だ。


 やってきたコンビの運転手に「ウエコリオ」と聞くとうなづいたので乗り込む。一人11ペソだという。ラサロ・カルデナス像のある分岐点からドン・チュチョの店の前を通るルートを走る。我々の家に向かうルートではないので不安になっていると、車内の女の子が「大丈夫、ウエコリオには行くから」と言っていた、ような気がしたのでそのまま乗り続けた。コンビは猛スピードで知らない道を走る。なんだか、我々の目的地とはどんどん離れていくようだ。ある集落でコンビが右折し線路沿いに走る。運転手は「この先がウエコリオだ」というのでそのまま乗り続け、ようやく家についた。


「いつも何度も」を練習していると、バチェとマルタが「今日、文化センターでジャズのコンサートが7時からあるけど行かないか」と誘ってくれた。せっかくなので行くことにした。6:40に家を出る予定。「今だったら洗濯できるよ」とマルタがいうので洗濯機を使わせてもらう。彼らが全自動で30分くらいで終わる、と言っていたが、出発時間になってもまだ回っていた。帰ってから干すしかない。
 マルタの運転で、コンビのセントロ行きとは違うルートを通って文化センターCentro Cultural Antiguo Colegio Jesuitaへ。入り口には今日のコンサートの畳大看板があった。
 入口から入って左手が演奏会場。正面が舞台で、傾斜のある細長い空間に3席ずつの椅子が並べられていた。収容人数は100人ほど。舞台にはグランドピアノ。咲子さんによれば、パツクアロにグランドピアノは2台しかなく、そのうちの1台だという。
 ほどなく司会の女性が演奏者を紹介し、二人の男が登場した。スロバキア人によるピアノとサックスのデュオだった。マルタと一緒に座っていると咲子さんが現れたので一緒の席に座った。客層は比較的高齢者が多い。


 ジャズのスタンダードの曲から速いスピードの独自の即興が展開され、なかなかに手慣れた演奏だった。演奏は1時間ちょっとで終わった。舞台からサックスの男が英語でお礼をのべる。
 会場入口に客の一部が群れてそれぞれに挨拶している。皆見知った人たちなのだ。マルタはサインしてもらった彼らのCDを見せて喜んでいる。
 マルタは、咲子さん、白髪の同名の女性マルタ、我々を乗せて家路につく。咲子さんとマルタを途中でおろし、9時前に帰宅。暗くなっていたが、洗濯機に入っていた洗濯物を懐中電灯で照らしながら干した。バチェがモップを持って家の中を掃除していた。
「みっともない事になってね。水を出しっぱなしにして家中が洪水だ」
 絨毯が何枚か庭先に広げられていた。
 食用サボテンのノマル、玉ねぎ、ソーセージの夕食後、10時過ぎにベッドに入る。

やれやれ日記
--驚いたことに、昨日レッスンの後、招かれて訪ねたエリカ先生の家もドールハウスだった。広くて部屋数も多いけれど。
日本に絵葉書を出した。2、3か月かかるのではないかと聞いた。無事、着くかな。

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