メキシコよれよれ日記 (2019年4月12日〜9月10日)

5月27日(月)  前日  翌日
 今日からレッスンは2時15分からになった。これまでは午前中にやるべき定例の練習と日記書き、アップロードが終わるとちょうど12時前になりいいリズムだった。2時にレッスンが終わり、それから食事がてら街に出たり、小旅行に行くという計画も立てやすかったが、今週からは2時までの2時間が余ることになり、この時間をどう過ごすか。ま、これといってすべきことは何もないのでどの時間帯でも問題はないのだが。
 ともあれ、小腹も空いたので散歩でも行くか、となった。
 雲が多くなってきたが、日差しに当たると急に暑くなる。人と車の少ない裏道を歩いていると、ゴミ収集車が家々のゴミを集めていた。二人の作業員が手作業でトラックにゴミを積んでいた。トラックの後ろにでかい布袋が荷台とは別にぶら下がっているので、ゴミは分別されているようだ。通りでは家のゴミを袋に詰めながら女性たちが収集車の来るのを待っていた。下校時間なのか、学校の外で母親たちがおしゃべりしながら子供たちを待っていた。学校近くには、おやつなどを売る露天商もにわかに出現していた。車のボンネットに靴を並べて売っているのがおかしい。みんな片方だけのようだ。もう片方が別にあるのか。両方並べるスペースを節約したのか。中古なのか新品なのか。中古だったらどうやって仕入れたんだろう。


 以前食べたドン・チュチョ横のタコス屋のアンチャンと目があったので、そこでケサディーヤを食べることにした。ケサディーヤを2つ頼んだが、アンチャンはしぶとく「それだけ? ジュースはどう?」と畳み掛けるので結局オレンジジュースも頼んでしまった。勘定は70ペソ(420円)。ケサディーヤがそれぞれ30ペソくらいだからオレンジを絞った生ジュースは10ペソということか。
 ついでにドン・チュチョでサラミ、ベーコン、牛乳、コーラを購入。137ペソ(822円)。


 1時半に帰宅し、なんとなく復習をしたり、テキストをパラパラとめくったりとレッスンの準備。約束時間の2時15分になってもエリカはやって来ない。途中でメッセンジャーで連絡が入った。「2時半には着けると思います」
 その2時半にエリカがやって来た。コンビを待ったり、客の乗り降りなどで時間の計算がきっちりとはいかないのだ。
 今日はまず、顔や体のパーツの呼び名。彼女はノートの1ページに顔、もう1ページに体の絵を描き、それぞれのパーツの単語を書いていく。単語の暗記が嫌いな久代さんは不機嫌そうな顔でそれを見る。持ってきた日本語のスペイン語教科書や辞書にも似たような絵で説明してあるのでそれを読めばわかるわけだが、先生が目の前で説明するのとは違う。ほとんど初めての単語なので、覚えていくしかない。
 我々がウイアツィオへ行ったことを話した。すると彼女は「20年前に学生を連れて行った時、毒をもつアフリカ蜂がピラミッドから飛んできて慌てた」という。そんな話から「受付のオッサンは退屈そうに見える」とか、プレペチャのお姫様戦士エリエンディラのことなど、新たな言い回しを加える。3本、4本、5本のアンダーラインに人体と顔のパーツの単語を埋めるというようなゲーもあったが、ゲームのルールが飲み込めないまま彼女のいいなりに従うしかないのでした。ついで動詞serとestarの変化の練習。
 宿題は時間の表現。~時と~時の間entre las ~ y las ~、~時から~時までde las ~ a las ~、~時にa las~、などという練習。明日のレッスンは2時半〜4時半になった。
 レッスンは終わったが、時間的に遠くまで出かけるには遅いし、かといってこのまま家で過ごすには時間がありすぎる。
 ということで、界隈一のタコス屋の開店時間に合わせて6時15分に再び散歩に出た。空は灰色で雨模様だった。さっきと同じ裏道を通ってドン・チュチョに出た。そのタコス屋はちょうど開店準備中だった。横付けしたトラックから備品や食材を下ろし、店のセッティングが進むのを眺めながら待った。若いアンチャンが丸い鉄板に載せた臓物、野菜、チョリソーなどの材料に大量の油をぶっかけて火にかけ、茹でた牛ホルモンをまな板で切り刻む。


「それは何?」「トゥリパtripa(腸)だよ」「牛の?」「そう」
 そのうち準備が整い、威勢のいい小太りのオネーチャンが注文を取る。ワダスは牛肉とさっき刻んでいたトゥリパ入りタコス、久代さんはチョリソー入りのタコスを注文。ここのタコスは、直径10cmほどの小さなトルティーヤにちょこんと具が載るタイプだ。だから1つだけでは一食分としては少ない。目の前のサルサ・メヒカーノ、緑サルサ、ライム、茶サルサ、アボカドのワカモレをドバドバかけて頬張った。我々が最初の客だったが、どんどん新たな客がやって来る。やはり人気店なのだ。聞けば店は午後7時から午後11時半までの営業だという。勘定は30ペソ(180円)。タコス1つ10ペソ(60円)。絶対的な金額としては安いが、タコス1つはかなり少量なので、ものすごく安いと言えるか微妙なところだ。

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