メキシコよれよれ日記 (2019年4月12日〜9月10日)

6月3日(月)  前日  翌日
 タカンバロ小旅行と前日のおしゃべりやメスカルでなんとなく体が重い。練習もサボって日記を書くが、なかなか進まない。
 ドン・チュチョへの買い物がてら、珍しく昼前に散歩に出た。曇り空なので外に出てもひんやりするが、いったん陽が出てくると暑くなる。
 ドン・チュチョの横の道にタコス屋が軒を並べ賑わっていた。果物・野菜の露店でナス、ズッキーニ、唐辛子、玉ねぎ、トマト、ピーマン、えんどう豆を買って(合計35ペソ=210円)、タコス屋の鍋を見ると、スープが美味しそうだった。ランチには早い時間だったが、スープを頼んだ。店主が大小の器を見せ、どっちにするかと聞いてきた。小さな器に入った赤いスープの中に白い臓物がたっぷり入っていた。熱々のトルティーヤもついてきた。塩味の加減がよく、なかなかに美味しい。値段は2杯で100ペソ(600円)だった。思ったよりも高い。スープの名前はソパ・メヌドだと店主が言っていた。


 いつも買う果物屋でパパイヤ25ペソ(150円)を買ってすぐ横のドン・チュチョへ。サラミ、砂糖、マッシュルーム、ティーバッグ、バターで合計155ペソ(930円)。
 途中のホルヘの店でもビール6本、ミルクで109ペソ(654円)の買い物。
 15分ほど遅れてエリカが来た。コンビに乗ろうとしたら500ペソ紙幣しかなく、OXXOで行列の末に両替していたので遅れてしまったという。
 昨日の復習から始まり、パツクアロの歴史についての子供むけの小冊子を読む。そして一人がカードにある動物の絵の1つを決め、それを説明する質問にイエスかノーで答え、その動物を当てるというゲーム。犬であれば「それは飛びますか」に回答者はノー、「チーズを食べますか」もノー、「水中に住んでいますか」にノー、「吠えますか」にイエス。質問者はイエスとノーから目当ての動物を絞り込む。ただし、質問は10回だけ。質問項目の単語を自然と覚えさせるもの。宿題は、このゲームを二人で交互にやること。4時40分にレッスン終了。
 咲子さんからメッセンジャー経由で電話が入った。出たのは昨日お会いした家住邦男さんだった。我が家を訪ねたいとのことなので快諾。
 15分後、家住氏が自分のトヨタのワゴンでやって来た。ゲートを開けて車をバチェの車の横に駐車。バチェに紹介しようとしたが「彼の調子が悪いので」とマルタが言う。
 リゾットとメスカルで11時までおしゃべりした。


 栃木出身の家住氏は、美術学校で訓練を受けずほとんど独学で画家になった。会社勤めをしていたが退社し、パリやスペインの美術館で模写を始める。「つれあい」の「メキシコに住みたい」に従ってメキシコにやって来て25年になる。今その「つれあい」は健康を損ね、環境の良い日本に住んでいる。
 展覧会のカタログを見せてもらった。メキシコの紙にメキシコの岩を砕いた顔料を使った抽象的な作品だった。何重にも塗り重ねられた表面に様々な形のテクスチャーが浮かび上がる。メキシコのテレビ会社が彼を取材した映像も見せてもらう。どのように作品が出来上がるかのプロセスを自身の言葉で語る映像だった。この映像をモレーリアの美術館に見せて、展覧会が決まったと言う。
 彼はなかなかの読書家、勉強家でもあった。ドフトエフスキー、ニーチェ、シモーヌ・ヴェイユ、オクタヴィオ・パス、マルケス、レヴィナスなどなど次々に作家や思想家の名前が飛び出てくる。また、旅が好きで、失敗談も含めエピソードも面白い。
 メスカルを結構な量飲んでいたが、11時過ぎに車を運転して咲子さん宅へ帰っていった。帰宅後メーッセージが届いた。明日の午前中にまた訪ねたいとのこと。

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