メキシコよれよれ日記 (2019年4月12日〜9月10日)

7月9日(火) 前日 翌日
「間違ったコンビで遠回り、遅れちゃった」とエリカが12時10分頃現れた。木曜日は母親とメキシコシティへ行く用事ができたのでレッスンはなしになった。
 レッスンは昨日我々が食べたものや、何をしたかなどのフリートークで始まる。エリカはワダスの日記を毎日チェックしているので、昨日のレストランの話題になった。「あそこは昔はすごく大きくて迷路のようになっていたのよ。それが楽しかった。ブリトー食べた? 大きめのトルティーヤに肉や野菜、チーズなんかを乗せ、それを巻いて食べる。一人分を二人で食べたほうがいいわね。全部だとかなりがつんとくるから」
 テキストではワダスよりも進んでいる久代さんの過去形の変化を含む宿題の答え合せ。さらに英語のagoに当たるhaceを使った表現、Ya+過去形で「もう食べちゃったの?」、todaviaを使ったその否定形の表現も出てきた。宿題は動詞の現在形、進行形、〜しなければならない、過去形、未来形の練習と、ベラクルスとハラパに関する動画を見ること。今日は夕方にお呼ばれがあるのでできるかなあ。
 そのお呼ばれは、ここから近いサンタ・アナ・チャピティロにあるパトリック・リー、ヴェロニカの住む家のランチだった。当初バチェから4時半に出かけると聞いていたが、マルタの調子が悪く、家を出たのは結局6時過ぎていた。


  それまでの間、我々は例によって船着場へ散歩。なかなかの人出で賑わっていた。もう一つの船着場はほとんど人の姿がなくひっそりしていた。


 湖を見下ろす丘に建つ大きな邸宅だった。間仕切りのない広々とした居間には彼らやバチェの作品などが壁を飾り、いかにもアーティストの住まいだ。彼らは普段はニューオーリンズに住んでいるが、この邸宅には年に2ヶ月ほど来て住む。前はヴェロニカの母親が留守の間住んでいたが今はテキサスにいるという。2階も見せてもらった。大きな嵌め殺しのガラス窓から湖やハニツィオ島がよく見える。住宅からゆるい坂になった庭に続き、境界に松が植えられていた。この家は夫婦でデザインしたが、きちんとした建築家ではないのでところどころ具合の悪い部分もあるのだという。


 パトリックはバチェのギャラリーのオープニングで会った華僑系アメリカ人の美術作家。モレーリアに近いラサロ・カルディナスLazaro cardenas出身のヴェロニカとの間に二人の息子がいる。パトリックはもともとマレーシアのクアラルンプール生まれで4歳の時に家族とアメリカへ来た。画家の父親は短期滞在の予定だったが成功して移住した。パトリックもそこそこに長身だが、長男のセバスティアンは父親を超えて背が高い。次男のホアキンはまだ小学生。二人とも父親に似て東洋系の顔つきだ。


 パトリックとヴェロニカは、パトリックが26歳、メキシコから奨学金をもらって渡米したヴェロニカが19歳の時にニューヨークで知り合い2ヶ月で結婚したとのこと。「父親の作品がマイアミでべらぼうな値段で売れたけど、買ったのは金が余っているマフィアかも」とパトリック。彼ら二人も、これだけの邸宅を建てられるくらいだからアーティストとして成功しているんだろう。自宅で取れたという蜂蜜やクルミをつまみつつ、バチェとマルタの馴れ初めも聞いたり、ジョークを言ったり、話をしたり聞いたりなかなかに楽しい食事会だった。


 ランチというか夕食はなんとインドカレー、マッシュルームの炒め物、ご飯、それに我々が日曜日に買って持参した生ハムだった。素晴らしい景色を眺めつつの食事は素晴らしい。ワインもたくさん飲んでしまった。


 9時頃帰宅。

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