メキシコよれよれ日記 (2019年4月12日〜9月10日)

7月13日(土) 前日 翌日
 昨日に引き続き、何の予定もない。雨季というのは困ったものだ。
 ギャラリーへ出かける前にマルタがやってきて「雨漏りの修理屋が来ている。30分ほどしたら中を見せてあげてね」という。程なく職人風の3人の男がやってきた。漏る箇所を確認して屋根に登った。道具らしいものは持っていなかった。
 晴れの隙間を狙ってとりあえず船着場まで散歩した。今日も人出が多い。ハニツィオ島行きのボートに乗り込む人たちで桟橋はごった返していた。ミュージシャンたちが食堂や東屋にたむろしていた。演奏しているグループもあった。


 アイスクリーム屋のおっさんのところで立ち止まると、ミュージシャンの一人が「食べて行ったら」みたいに話しかけてきた。店の男が小さなプラスチックのスプーンに味の違うアイスクリームをすくいだし味見しろと差し出したので舐めた。買う気はないのでグラシアスと言ってその場を離れた。
 船着場から先日行った緑食堂の前の通りを抜けた。この辺りは、ガソリンスタンドと警察の溜まり場から旧鉄道駅舎つまりエスタシオンまで食堂が隣り合って並んでいる。これまで4軒ほどで食べた。途中の小商店でタバコ50ペソ(300円)を購入。タバコの値段は店によって微妙に違う。いつものホルヘの店では48ペソだ。
 ふとカルニタスの看板文字が目を引いた。「本物のカルニタス、ヴァスコ・デ・キロガ、カルニタス世界の首都ミチョアカンのキロガ・・・」うーむ、すごいキャッチフレーズだ。入らないわけにはいかない。当初は外食する気はなかったが、ふらふらと店に入ってしまった。広い店内は一切の不要な装飾を廃し、食堂として必要最小限の簡素さだ。いかつい若い男がカルニタスを温め、妻らしい女性がトルティーヤを焼く。その周りを小さな女の子がまとわりつく。客は我々の他におっさん一人。


 メニューは実にシンプル。カルニタス250gセット65ペソ、500gセット120ペソ、1kgセット185ペソとあるだけ。我々はビール2本と250gセットを頼んだ。焼きたてのトルティーヤと唐辛子チレと人参のピクルス、サルサ・メヒカーノ、サルサ・ベルデ(緑)、玉ねぎとチレの酢漬け、ノパル(食用サボテン)などサルサ類のセットがテーブルの上に並べられる。そしてアルミフォイルで包んだカルニタスが登場した。細かく刻んだカルニタスが湯気を上げている。それをトルティーヤにたっぷり乗せ、サルサ類をどばどば振りかけて巻いてかぶりつく。トルティーヤの練り方が足りないせいか、皿の底に残ったチレの汁を吸ってふやけるが、味はなかなかだった。勘定は105ペソ(630円)。
 帰宅して宿題。久代さんはYouTubeでメキシコ料理の同じ映像を何度も見ていた。そのうち雷の音がしたかと思うと猛烈な雨が降ってきた。というわけで、今日も昨日に引き続き単調な日になった。

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