メキシコよれよれ日記 (2019年4月12日〜9月10日)

7月15日(月) 前日 翌日
 レッスンは宿題の答え合せから。動詞の過去形変化を覚えようとすると現在形とごっちゃになり、さらに単複男性女性によって冠詞や形容詞の語尾も変化するのでワダスの脳内の混乱が著しい。記述式の宿題の回答をノートに書き込むにはある程度時間がかかるし勉強した感もあるのだが、記憶の定着にはほとんど繋がらないのが問題だ。レッスンも残り少なくなったことを考えると、今回の滞在で「普通」の会話まではとても覚束ない感じだ。スペイン語会話環境のほとんどない日本に帰国したらおそらくすごいスピードで忘れてしまうに違いない。ま、ぼんやりとスペイン語とはこういうもんだとわかればいいかと自己合理化するしかない。
 雑談では、エリカは母親と行った久しぶりのメキシコ・シティのデパートや食べ物に興奮していた。日本の物産を売る店「misoなんとか」が評判らしい。店に入ると日本人少年販売員に声をかけられ、思わず絹製のアイマスクを買った、肌触りが最高だ、地下鉄が安い、などなど。


 エリカが帰った後、とりあえず歩いてセントロへ行って、それからどこで食事するか決めようとなった。ウルアパン方面の街道筋方向へ向かう。いつもとは違った散歩コースだ。エスタシオンからセントロへは緩やかな坂の街道を登っていくことになるが、街道の右側は崖に近い勾配になるので自動車用道路はない。崖を登るセントロへの近道の道があるはずだと思いつつ、住宅街の舗装工事中の作業員や道具類を避けながら歩く。崖下のどん詰まりまで来て、どうやら道はなさそうだとわかった。雨も降り出した。そのうち、どん詰まりの家まで客を乗せてきたタクシーが見えたので乗ることにした。値段を聞くと50ペソ(300円)。
 タクシーは雨の中、バイパスを猛スピードで走り10分ほどでセントロの大広場に着いた。レストラン・アサデロAsaderoに入った。頼んだのはブリトー70ペソ、半定食60ペソ、ビール2本80ペソ。ビールがちょっと高い。チップ入れて230ペソ(1380円)。
 白板のメニューにブリトーは書いてなかった。「ブリトーはあるの?」「ありますよ」とのこと。実はメニューにブロスBurrosとあったのがブリトーのことだった。エリカが「ブリトーは大きいから二人で分けた方がいい」と言っていたのを思い出した。確かに直径数センチ、長さ25cmほどもあり、ずっしりしている。中には牛肉とご飯とチーズが詰まっていた。一人ではとても食べきれない量だった。ケサディーヤ数個分あるので、二人で食べると経済的かもしれない。味も大満足。隣のテーブルの男はアルミフォイルに包んだブリトーを両手に持ってかぶりつき1本食べていた。すごい食欲だ。


 半定食は牛肉の煮物、フリホーレス豆の煮物、スパゲティ。ピンクのソースが絡んだスパゲティはアルデンテとは程遠くクタクタ。でも牛肉の煮物の味が素晴らしい。
 食事が終わっても雨が降り止まないのでテーブルでしばらく待った。人々が屋根のある回廊に固まり雨宿りをしていた。若い男女が柱に寄りかかって抱き合いイチャイチャしている。


 小降りになったので店を出てホデガ・スーパーまで歩き買い物。エリカ宅食事招待用に持っていく特売ワイン95ペソ、特売ビール6本49ペソ、緑トマト(赤くない。料理に使われるもの。メキシコでは緑のものをトマテ、赤い普通のものをヒトマテと呼んでいる)、ほうれん草、ピーマン、ジャガイモ、玉ねぎ、洋ナシ、すもも、ハムを挟んだパン(4個33ペソ)、特売ミルク(1リットル17ペソを2本)、タバコ47ペソを購入。全部で317ペソ。ぬかるみを避けつつ徒歩で帰宅。
 宿題のベラクルスのビデオを見た。有名な「ラ・バンバ」という曲がベラクルス地方の民謡だと初めて知った。またベラクルスには、数多くのヒット曲を作った音楽家アグスティン・ララAgustin Laraが住んでいて、現在は博物館になっているという。宿題はビデオを見てスペイン語で作文するというもの。これまで習ったものではとても作文は無理だ。日本語で書いたものをGoogleで翻訳してごまかした。こんなことやってたらスペイン語は身につかないだろう。「ラ・バンバ」と「シエリト・リンド」の楽譜を見つけたのでちょこっと練習。2曲とも繰り返しが多くそう難しくない。久代さんもベラクルスの食についてのビデオを見て作文していた。彼女は真面目なのでグーグル翻訳はせず、辞書を引きつつちゃんと作文していた。

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