メキシコよれよれ日記 (2019年4月12日〜9月10日)
8月3日(土) 前日 翌日
今日はワダスのコンサートがある。2時前セントロへ向かって散歩。まず今日の会場のグラン・カラベラへ行った。入り口にコンサートのポスターが貼ってあった。「今日は雨は降らない」とヴィンセントがスマホの天気予報を見せた。
楽器を預かってもらって伝統食堂La Tradicionへ。牛干し肉と卵を煮込んだアポレアディーヨApporreadillo、豚肉モレソースのランチ。アポレアディーヨがなかなかに美味しい。久代さんが頼んだ豚肉は骨つきで見た目よりも肉が少ない。人気のレストランらしく客席はほとんど埋まっていた。いつもド派手な衣装の店主のビクトリアは今日は赤、ピンク、黄色のストライプのワンピース姿だった。ビールとチップ込みで260ペソ(1560円)。クレジットカードで支払った。
文化センターの前庭では大きめのテントの下で民芸品展が開かれていたが、客は少なく、店主たちが暇そうだ。家具などの木工品、銅製品、刺繍のある布製品、土産物など、街でよく見かける商品なので見あきた感じもある。
大広場の人気店でアイスクリーム。テキーラとバニラ味の入った中カップで22ペソ(132円)。
公演時間までたっぷり時間がある。以前に入ったことがある小広場のホテルLa Parroquia(「教区」という意味。隣の映画館や図書館を含む一角がかつて教会だったことからこの名になったのかもしれない)でコーヒーを飲みつつ「国際ギターコンクール」最終日の11日に出かけようとしているパラチョの宿をネットで探すが、どのページを見ても値段が分からない。
6時半、グラン・カラベラへ。エリサとヤコが舞台設営中だった。テーブルの上に一部クッションを敷きその上から布を被せてあった。マイクの位置と音量をチッェク。簡単なアンプにはリバーブもついていた。空は曇っていて寒く湿度があり、ピッチが低くなっていた。笛を触ると表面がベタつくのでベビーパウダーを借りた。
開演の8時まではまだ1時間以上あったが、バチェとマルタがやって来た。マルタはエリサと次の展覧会のためなのか、何かギャラリーで相談していた。そのうち一見インディヘナに見えなくもないフランス人女性が「アマルー」(南米の龍)という名の犬を連れてきた。黒く小さなアマルーがテニスボールを追いかけて遊び、それに他の客もけしかけていた。軍の関係で九州と東京にいたことがあるというカリフォルニア出身のアメリカ女性、この間までバチェのギャラリーで作品を展示していたアイダ、咲子さんと見るたびに背が大きくなっている長女シズちゃん、前回のライブでも顔を見せた一見浮浪者のように見える男、先週ここでブルースの演奏会をやったという男の姿もあった。彼はブルース・ハーモニカを吹きエリカ宅に泊まっていた。その他、アメリカ人風のカップルなど、全体に年齢の高い客がぼちぼちやって来てなんとなく客席が埋まってきた。神戸にしばらく住んでいたというアメリカ女性もいた。「奈良に住んでいた近畿大学教授の日本人と付き合ってたのよ。彼はアメリカ女性と結婚したかったみたい」と話す。客は40人ほどか。
撮影:Erika Atlitzin Auanda |
8時20分、エリサのアナウンスで舞台に座り演奏開始。簡単な挨拶の後、まず最上川舟唄。ついで持参した小さなスピーカーからドローンを流そうとしたがうまくいかない。電源を切ったり入れたりしているうちになんとか繋がったので一安心。ラーガ・ヘーマーヴァティーRaga Hemavatiのアーラープを約40分演奏した。最後に定例のベンガルの舟歌バティヤーリー。吹き終わると客席から「オトロ、オトロ」と声が上がったので「いつも何度でも」を吹いた。
中央がリナ、右がアリシア | エリカと友達 | エリカの友達 |
終わって、最前列のテーブルに座るアリシア、エリカ、リナとメスカルを飲みつつ歓談。アリシアもメスカルを飲んでいた。エリカの友達という2人の若い女性も加わった。メキシコシティに住む政治学専攻の学生とモレーリア在の教育学を治めた女性。アリシアから水曜日の食事に招待された。
エリサが陶器でできた骸骨の中のお金を取り出してワダスに見せた。「今日の喜捨よ」。1000ペソ以上あった。ありがたい。小広場でタクシーを拾い帰宅。タクシー代は70ペソ(420円)。
エリサと | ヤコ(ヴィンセント) |
なんとなく興奮していたせいか、寝たのは2時過ぎだった。