メキシコよれよれ日記 (2019年4月12日〜9月10日)

8月7日(水) 前日 翌日
 朝久代さんがバスタオルを巻きつけてバスルームから出て来た。
「途中から水が出なくなったのよ」
「えっ? キッチンは出るのかな。あれっ出ない。バチェたちは外出しちゃったし。とりあえずメッセンジャーに書いておくか」
 これではトイレも使えないので、久代さんが庭の散水用の蛇口からポリタンクに水をためておいた。
「ワダスは散髪に行きたい。今は空いているはずだよね」
「多分。じゃあ一人で行って来て。あ、ついでにホルヘのとこでビールを買って来て」
 というわけで散髪屋まで行ったがシャッターが閉まっていた。隣の店の女性に聞くと「5時からよ」と言う。仕方ないので向かいのホルヘの店でビール6本90ペソ(540円)とタバコ48ペソ(288円)を買って帰宅した。
 というような出来事で始まったのでした。で、今日はなんの予定もないし、家でゴロゴロするつもりが水がないのではどうしようもない。食料もほぼ尽きかけているので買い物に出る必要がある。昨日の日記を書き終え、2時過ぎに家を出た。


 定例の船着場は人出が少なく割と閑散としていた。なんとなく怪しい空模様だ。
 レストラン「ドン・プリスィ」に入って食事。何組かの客が食事していた。我々の座ったテーブルのガラス越しに中庭が見えた。小学生くらいの金髪の少年がおもちゃのリングの上で二人のレスラーを戦わせていた。それが終わると背中を壁にもたせかけスマホを眺めている。ここのオーナーの息子なんだろうか。一人遊びの少年がなんとなく寂しそうだ。
 ここのキャッチフレーズにもなっているビーリア・デ・レスBirria de res(牛肉煮込みスープ)とケサディーヤを食べた。途中から小雨になった。見知った白髪の女性がタコス部門のスタッフと何か話していて我々には気がついていない。カフェ・ハカランダを運営しているディエゴ、キッツイァ、今ブータンにいるアナイの母親カルメンだった。そのうち彼女は何やら包みを手に出て行った。


 勘定はチップ込みで125ペソ(750円)。店を出るときも小雨がぱらついていたのでこのままコンビで帰ることにした。
 帰宅するとバチェが小雨の中、フード付きのジャンパーを着て庭を動き回っていた。断水の原因を探っていたようだ。メッセンジャーで伝わっていたようだ。
「タンクに今水をためているからそのうち出るようになる。今日はモレーリアへ行っててさっき帰って来たんだ」
 しばらくして水が出始めた。5時になったが雨は降り続いているので散髪屋は止め。しばらくベッドで本を読んでいるうちに眠っていた。7時ごろ起きたが、やることもないので9時ごろ再びベッドに入って「消費税増税は日本を滅ぼす」とか松尾豊の「人工知能について」みたいなのを聞きつついつしか意識を失っていた。

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