メキシコよれよれ日記 (2019年4月12日〜9月10日)

8月11日(日) 前日 翌日
 今日は特に予定が何もない。久代さんは晴れ間に洗濯。雨が降らなければ2、3時間で乾くのだが、天気は変化しやすく油断がならない。とはいえ、我が家の備蓄飲食料が乏しくなってきたので買い物に出かける必要があった。16日にはここに何も残さないで退去するつもりなので消費量も計算しなければならない。ということで、お昼過ぎに家を出た。

 ボデガ・スーパーへのコースを歩いた。途中から空模様が怪しくなってきたがまだ雨は来そうにない。住宅街で時々見かける駐車禁止のサインが漢字の「民」のように見えるのが面白いので写真に撮った。EはEstacionamiento(駐車)の頭文字だ。
 ドン・チュチョの前まで来ると、周辺に週末限定臨時食堂が隣接して開いていた。人もそれなりに入っている。久代さんが近所にできた新しいスーパーで買い物をしている間、ワダスだけその店の一つに入って、牛の臓物スープのソパ・メヌド(60ペソ)を食べた。前に食べた時は皿の大小を尋ねられたのだが、今回は注文すると自動的に大きな皿で出てきた。牛の胃袋らしい臓物がたくさん入った赤いスープだ。一緒に出てきたトルティーヤをかじりつつスープを味わう。旨味がイマイチだが優しい味だ。

左 パブロのオートバイ修理屋


 空が一段と暗くなってきた。今にも雨が降りそうな気配だ。同じコースを通って帰宅の途についた。エリカの父親パブロがやっているオートバイ修理屋は日曜日で閉まっていた。途中にある道端の養牧場では牛が一心に草を食べていた。その草の山のくぼみに犬がちょこんと座ってじっとこちらを見る。


 一旦帰宅すると日が差してきた。久代さんは乾かしている洗濯物を取り込み一安心。そのうち空が明るくなったので再び散歩。今度は定例の船着場方面に向かう。船着場の駐車場からでかい2階建バスが駐車したトラックをすれすれにかわしながら出てきた。数センチも離れていない。船着場はごった返すほどではないが、かなりの人出だった。ハニツィオ島から帰る人、これから船に乗り込む人たちが桟橋への階段ですれ違う。両手に重そうなバケツや手荷物を下げた伝統衣装のおばさんたち。東屋で何気なく佇む人たち。その周りを土産物、アイスクリーム、小魚フライ、サングラスなどを商う店が囲むいつもの風景。横の広い駐車場の奥ではミュージシャンの演奏に合わせて人々が踊っていた。エレキベースと小さなアコーディオンを演奏している男たちの足元にはアンプ付きスピーカーが置いてある。他にスネアドラムとギターといった編成。


 駐車場を横切って線路を渡り、エスタシオンの広場に出る。いつも見るガソリンスタンドには今日のガソリン価格が表示されていた。1 リッター19.74ペソ(118.44円)とある。今日本での値段は分からないが、こちらの物価からすればかなり割高だ。


 対岸のアイスクリーム屋が目についた。看板には白いエプロンをつけた伝統衣装の女性が描かれている。エレンディアERENDIAという、この辺でよく見る店だ。セントロのレストラン「スルティドーラ」の前にいつも行列ができている店と同じ系列の店。そこで22ペソ(132円)のカップにテキーラ味とピスタチオ味の2種類のアイスクリームを入れてもらい、広場の大木の下に座って食べた。よく見ると同じ系列の店が対岸にもあった。広場周辺は飲食店が実に多い。こんなに店が多いと競争も激しいはずだが、成り立っているんだろうかと心配になる。


 この界隈で一番大きい「ドン・プリスィ」のタコス部門に見知った顔があった。先日、彼の自宅で録音したヘススだ。きちんとヒゲを剃り、バリッとした白い制服と黒いエプロンを着けていたので見間違う感じだ。彼にちょっと挨拶したが、注文が次々に入ってきて忙しそうだ。


 明るく日が差しているにも関わらず雨が降ってきた。我が家の門まで来た頃には本格的に降り出した。
 帰宅して久代さんが作っておいた野菜スープをちょっと食べつつ日記をアップロードしていたら、雷の音と共に猛烈に激しい雨が降り出した。先日、バチェが職人を呼んで改修したはずのキッチンと寝室から再び雨漏り。慌ててボールなどの入れ物を寝室の今の間に置いて水を受けた。さらに二つある窓の隙間からも水が侵入してきた。窓を閉め、紙を隙間に挟んで対処する。そのうち雨足が弱まってきたのでなんとかしのげた。ドアを開けて前庭を見ると、車の前輪が水に浸かり、手前にはプールのように大きな水溜りができていた。玄関扉の上の天井からは滝のように水が落ちている。


 久しぶりにメスカルを飲んでベッドに入った。

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