メキシコよれよれ日記 (2019年4月12日〜9月10日)

8月26日(月) 前日 翌日

 8時前、広場に面したマクドナルドでコーヒーと朝食セット85ペソ。朝食はスクランブル・エッグとマフィン、ハッシュド・ポテトだ。


 広場の一部に人が固まって整列していた。広場の隅に待機していたブラスバンドが演奏を始めた。音楽に合わせて警官らしい一団がマクドナルドの隣のビルの市役所から登場し、手足を大きく上げて行進する。中にはちぐはぐな人もいて、メキシコらしい。その様子を人々が起立挙手して見守る。国旗掲揚の儀式だった。


 11時、ホテルでタクシーを呼んでもらう。バスターミナルまで80ペソ。1時、ベラクルス行きのバスに乗った。


 途中の風景が徐々に変わってくる。最初は遠くの山々の裾に平原が広がりトウモロコシの畑が延々と続いた。ポポカテペトル山はやはり雲に隠れて見えなかったが、ゆるい角度で裾の広がる別の火山らしい山が見えた。背の低い樹木がぽつんぽつんと立っている。バスは高速道路をどんどん下っていく。石だらけの大地にサボテンだけが生えている一帯を過ぎると別の平原になり、今度は鬱蒼としたジャングルが続いた。

左には深い谷と対岸の集落が見えた。さらに下ると両側に見えるのはさとうきび畑になった。ベラクルスの海岸から奥へ奥へ登り探検していったスペイン人たちの苦労は並大抵ではなかったに違いない。標高2135mのプエブラから標高ゼロのベラクルスまでは274.1kmある。
 バスは熱帯の雰囲気のベラクルスに近づいた。雑然とした煉瓦造りの建物と商店の雰囲気はここもどこかインドの田舎を思い起こさせる。歩いている人は皆半ズボンとTシャツだ。

 5時頃バスターミナルに着いた。バスを降りると、太陽が眩しく、ムッとする暑さと湿気だった。プリペイド・タクシー35ペソでホテルHotel El Faro Veracruzへ。2号室に案内されたが、エアコンのスイッチが入らない。狭い中庭を挟んだ3号室に変えてもらった。ホテルの前の道をまっすぐ行くとすぐに海岸に出る。大西洋だ。近所には数階建てのホテル、尖塔に時計のある白い灯台の建物、海軍博物館などがあった。しかし人通りは少なく商店もないので通りは薄暗くどこか寂しげな風景だ。しかもまったりと暑い。

 


 荷物を解いてセントロまで歩いた。メイン広場に続く回廊の一部で年老いた男女が音楽に合わせて踊っていた。広場に面したLa fonda de las Gordasというおばさんたちがやっている店へ。料理名が印刷してある紙を手渡され、それに注文したいものをチェックするというシステム。相変わらず膨満感のワダスはケサディーヤ30ペソ、相変わらず食欲の衰えない久代さんがPicada a caballo con cecina de aracherra44ペソ。ケサディーヤの中の具はチーズだけで、上からチーズとクリームがかかっている。味は悪くないが、全く野菜がないのが寂しい。久代さんの頼んだものは、縁のあるトルティーヤにトマトソースのかかったパイ状のものとハラミ肉。我々が食べていると、ロシア語らしい言葉を話す男たちが英語で注文し、おばさんたちがそれを面白がって笑っていた。ビールは置いてないというので隣のOXXOで買ってきて飲んだ。ロング缶ビールが17ペソ。コーラと値段は変わらない。ここは店名にあるようにゴルディタスが有名らしいので1個頼んで食べてみた。13ペソと安い。中にカルニタスが入ったものだった。ミチョアカンでゴルディタスというと具のない甘い饅頭のようなものが一般的だったが、ここでは肉類の入ったものだ。


 隣のパン屋でハム・チーズ入りのパン18ペソを朝食用に買ってホテルに戻った。

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