メキシコよれよれ日記 (2019年4月12日〜9月10日)

7月25日(木) 前日 翌日
 とにかく寒い。特に我が家は大きな松の木の下にあるので太陽が出ていても寒いのだ。ネットでパツクアロの天気を見ると、気温は最高17度、最低12度、湿度77%、降水確率100%とある。多分、我が家の室内は10度以下かもしれない。天気予報ではこれからどんどん気温は下がっていくようだ。日本では梅雨明けの高温が心配されているようだが、日本よりもずっと南に位置するメキシコの7月がこんなに寒いとは想像していなかった。
 これだけ寒いと練習も日記も捗らない。悶々としているうちに昼になった。雨は降ったり止んだりで食事と散歩に出かけるタイミングが取れない。家にあるものでも食べてあったまるしかない。しかしあるのは玉ねぎ、イワシのトマト煮缶詰、米だけ。
 大きめの楕円形のプルトップ式缶詰を開けようとした。これが硬くて無理に引っ張ると怪我しそうだ。缶切りでキコキコするが、両端の細い部分は缶切りのハサミが捕捉できない。仕方がないので開いた箇所からフォークで無理やり中身を出した。
 メキシコのたいていの缶詰にはプルトップが付いているがすんなりと開けられた試しがない。工場でこれを作っている人たちは自分で開けたことがあるんだろうか。ミルクの紙パックも問題。小さな円形のキャップのネジがきついし、なんとか開けてコップに注ぐと中の空気圧のせいかゴボッと出てきてこぼしてしまう。お菓子のパックは両端のギザギザをちぎって開けようとしてもすんなりといかない。ものすごい力が要る。20l入りの水タンクの口を開けるのもひと苦労する。ものすごく固いのだ。しかも蓋を止めていたプラスチックの切れ目の一部が頑丈すぎて残ってしまう。そんなこんなをブツブツ言いながら缶詰を開けた。

我が家のキッチンの棚。調理用の水20リットルの入った青い瓶。キャップの開けにくさ、取り付けの重さにいつも苦労する


 玉ねぎと米を炒めて沸騰した湯を注ぎ、コンソメスープの素を投入した後、缶詰のイワシを投入し米が煮えたら終わり。冷蔵庫や食品引き出しを眺めても何もない。潤沢にあるのはビールだけだ。今日って、雨が降っていてこんなに寒いのに、食えるものがこれだけというのはなんとも悲しい。とはいえ食べ終えて少し体が温まってきた。
 こんな風に雨が降り続くようだと食料の備蓄が必要になる。5時過ぎ、雨が止んだのを機に散歩に出た。雨のせいで側道はぐちゃぐちゃでスニーカーの先端から水が入り込み足が冷たくなる。スニーカーは軽くて歩きやすいが、通気性のための繊維素材は水の侵入に弱い。いつもは鶏が歩き回る道端に羊が草を食べていたので写真を撮ろうと近づくと警戒して離れいってしまった。 

  
 人や車の少ないいつもの道を歩くとツバメが地面すれすれに飛んでいた。ツバメなんて見るのはいつ以来だろう。道路に面した住宅の軒下に、3、4羽の子ツバメが口を開けて親鳥を待つ何個かの巣があった。途中「界隈一」のタコス屋のおばさんが息子らと車に乗り込むところだった。何度か食べていて我々を知っている彼女は手を振って走り去った。
 ボデガまで行こうとしたが空模様が不穏なので、ドン・チュチョの近くにできた新しいスーパーまでにした。客の姿はほとんどなく店内はがらんとしている。マルちゃんヌードル、お菓子、パハイヤ、玉ねぎ、トマト、ハムを購入。ここはクレジット・カードが使える。
 ドン・チュチョにも寄ってタマゴ10個15ペソ(90円)購入し帰宅したらまた雨が降ってきた。

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