HIROSのジョーク集5

けちな夫と若妻 国外に出たい理由 長電話 忘れた自転車 発掘品が示すこと 4人の男の息子たち 乳搾り一番は誰だ インドの技術力 睡眠薬 井戸のなかで30年 複雑な家族 


けちな夫と若妻・・・クシュワント・スィンのジョークより 

 非常にけちなある中年の金持ちが、若くて美しいがお金にだらしない妻をめとった。
 彼は、妻にお金を貯めることを教える計画を思いついた。彼は妻に、コイン穴のついた小さなブリキ缶をプレゼントした。裏ブタには錠がかけてあり、鍵は彼のポケットに入れておくことにした。
「ハニー、お前がわたしにキスをさせてくれるたびに儂はこの缶に25パイサ硬貨を入れよう。そして、毎月末に缶からお金を出す。その金はお前が自由に使っていいよ」
 計画はとてもうまくいった。若妻はもっともっととキスをせがみ、そのたびに中年夫は嬉々として25パイサ硬貨を缶に入れた。
 月末になり、中年夫は、若妻に「さてと、いくら貯まったかな、どれどれ」といいつつ、おおげさな仕草で缶の裏ブタを開けた。なかには25パイサの他に50パイサや1ルピー硬貨もたくさん入っていた。
「儂は25パイサ硬貨しか入れてないはずだが、どうしてこんなに別のコインもあるんだ?」と夫は妻に詰問した。
「あらあなた、世の男みんながあなたみたいにケチとは限らないのよ」


国外に出たい理由・・・クシュワント・スィンのジョークより

 パキスタンの前大統領であるズィア将軍が、首都のイスラマバード市中を車で移動中、多くのパキスタン人が外国の大使館にビザを申請する長い列に出くわした。彼は車を降り、それらの列の一つに加わり、なぜこんなに多くの人が国を出たがっているのか知ろうとした。列の中にズィアの姿を認めた人々は、みな列を離れ帰宅し始めた。ズィア大統領は、彼らをつかまえて
「この長い列と、わしを見たとたんにいなくなったのはどうしてなんだ?」
 と訊ねた。彼らは答えた。
「あんたが国を出るんだったらわれわれはもう出る必要はないからさ」


長電話・・・クシュワント・スィンのジョークより

 あるサルダールの夫人は、ときには1時間以上にもなる長電話好きだ。
 あるとき、夫人が20分で電話を切った。
「あれっ、ずいぶん短い電話じゃないか。どうしたんだ?」
  サルダールジーの夫が訊ねた。
「番号間違ってたのよ」


忘れた自転車・・・クシュワント・スィンのジョークより

 ある司祭が自転車をどこかに置き忘れてしまった。困り果てた司祭は、友人にどうしたらいいか相談した。
「きみの信者の一人がもっていったんじゃないか。だとしたら、次の日曜日の説法のときに十戒の話をしたらいい。汝、盗むなかれ、という部分を読んだら一呼吸おいて、信者を見回す。盗った本人はきっと罪の意識を感じて表情に出るから、誰が盗ったか分かるよ」
 その日曜日がきて、友人は司祭に自転車が見つかったかどうかを尋ねた。
「うん、戻ってきたんだが」
「ということは、わたしのアドバイスのように、盗んだ男を見つけたというわけだ」
「まあ、そういうことにはなるが・・・。実は、汝、姦淫するなかれ、という部分を読んでいるときに、置き忘れた場所を思い出したんだ」。


発掘品が示すこと・・・クシュワント・スィンのジョークより

 アメリカ人とロシア人の考古学者が、サルダールジーに向かって自慢話を始めた。
「ロシアの遺跡を発掘しているとき、太いケーブルが見つかった。このことは、電報システムが発明されるずっと前に、ロシアに電報がすでにあったことを示している」とロシア人が自慢げにいった。
「われわれがアメリカの遺跡を発掘中、細いワイヤーが出てきた。われわれの祖先がすでに電話を使っていたことは明らかだ」。アメリカ人も負けずに宣言した。
 二人の言葉をだまって聞いていたサルダージーは、不敵な笑みをみせつつ、こういった。
「われわれがインドの遺跡を発掘していたとき、残念ながらケーブルも電線も見つからなかった。しかし、このことは、われわれの祖先が非常に洗練された無線通信システムを使っていたことの明白な証拠だ」


4人の男の息子たち・・・クシュワント・スィンのジョークより

 4人の男が、待合室で列車を待つあいだ話し始めた。
 最初の男:「わしは陸軍大佐。結婚して3人の息子があるが、3人とも医者になった」
 2番目の男:「実はわしも陸軍大佐なんだ。きみと同じように、結婚して3人の息子があるが、3人とも技術者になった」
 3番目の男:「なんと、実はわしも陸軍大佐なんだ。きみらと同じように、結婚して3人の息子があるが、3人とも弁護士をしておる」
 4人目の男は、3人の話を聞いていたが、あんたはどうなんだ、と聞かれてこう答えた。
 「オレは、陸軍大佐でもなんでもないし、結婚もしとらん。しかし、3人の息子がいて、3人とも陸軍大佐だ」。

 


乳搾り一番は誰だ・・・クシュワント・スィンのジョークより

 もっとも優れた乳搾りを選ぶ競技会が開かれた。牛1頭いる小屋に競技者が入り、外から施錠される。どれくらいの時間にどれくらいのミルクを搾ったか、が勝者を決めるルールである。
 一番目にアメリカ人が挑んだ。彼は2時間後に30リットルの乳を搾って出てきた。2番目のロシア人は、4時間で40リットル搾った。日本人は最初の二人よりもずっと多かったが、オーストラリア人は10時間かけて80リットルも搾った。
 サルダールジーの出番となった。彼は誇らしげに牛小屋に入った。しかし、丸1日たっても出てこない。なかから、牛をののしる声が聞こえてくる。1日半が過ぎてようやく、コップ一杯のミルクを手にしたサルダールジーが出てきた。みんなは彼を見て笑い転げた。
 サルダールジーが憮然としてコメントした。
「みんなはミルクの出る乳牛を与えられたけど、オレのはオス牛だったんだ。オレが何をやっていたのか、これで分かるだろう?」とコップ一杯のミルクをみなに掲げて見せた。


インドの技術力

 優秀な技術を競う世界大会が開かれた。各国は、それぞれの巧みな技術を披露し、その水準の高さを誇示しようと奮闘した。
 アメリカは、直径1ミリのグラスファイバーチューブを数日で作り上げ、そのチューブをロシアに送った。ロシアは、チューブの内側に細いワイヤーを通した。日本は、ロシア人の通したワイヤーの中心を穿ちさらに細いチューブにして、その精密技術の粋を誇示した。それが最終的にインドに送られた。
 しばらくして、それは審査員のもとへ届けられた。一見するとなにも手を加えられていないように見えた。そこで、審査員はインド人に「いったい、これをどうしたのかね」と尋ねた。インド人は「これでよく見てくれ」といいつつ、ワイヤーを顕微鏡の下に持っていった。ワイヤーには、「Made in India」という文字がくっきりと刻印されていた。


睡眠薬

「ねえねえ、起きて、起きてよ、ダーリン」
「うん?どうしたんだよ。夜中の3時じゃないか。ぐっすり寝てたのに、ったく」
「大変なことじゃないけど、あなたに睡眠薬をあげるのを忘れちゃったのを思い出したのよ」


井戸のなかで30年

 二人のサルダージーが互いに自慢話をしていた。
A:「オレの爺さんの時計が井戸に落っこちたんだけど、30年後に拾い上げてみるとまだ動いていたんだよ」
B:「それのどこがすごいってんだ。オレんとこの爺さんなんか井戸に落っこちて、30年後に引き揚げられたけど、まだ生きてたんだぜ」
A:「うっそだい。ありっこないよ、そんなこと。30年も井戸の中で何をしてたっていうんだ」
B:「分からないかなあ?お前の爺さんの時計のねじを巻いてたんだ」


複雑な家族

 二人の男がバーで知り合い、会話を始めた。しばらくして、一人がいった。
「なあ、きみんとこは家族関係はなにも問題ないかい?オレんとこはちょっとこみいっちゃっててね。どんなか聞いてくれる?」
「いいよ」
「数年前にさ、オレは妙齢の娘をもった若い未亡人と出会って結婚したんだよ。で、しばらくしたら、オレの親父がその義理の娘と結婚してね。ということはだ、オレの義理の娘がオレの義理の母親ということになり、かつオレの父親はオレの義理の息子でもあるということになったわけだ。と同時に、オレの妻はオレの義理の母になったと。で、そのオレの妻の娘つまりオレの義理の娘でありかつオレの義理の母親に息子が生まれたんだ。オレの父親の息子なんだから、その息子はオレにとっては義理の兄弟だよな。しかも、彼はオレの妻の娘の息子ということで、オレの妻はその息子の祖母になるわけだ。さらに、オレの義理の兄弟であるその息子は、同時にオレの孫ということになる。ま、ここまでは、ちょっややこしいけどまだいいんだ。オレたち夫婦に息子ができてからは、俄然ややこしくなってきた。つまり、オレの息子の義理の姉でありかつオレの義理の母親は、オレの息子の義理の祖母になった。こうなると、オレの父親はオレの息子の義理の兄弟であり、オレの息子の義理の姉がオレの父親の妻なわけだ。オレ自身は義理の母親の義理の兄弟で、妻は自分の息子の叔母にあたり、オレの息子はオレの父親の甥で、オレはオレの祖父になっちゃうわけだ。きみんとこは、こんな問題はない?」