ラーガ・サラスヴァティー〜弁財天の響き

 ヒンドゥー教の多くの神々の例にもれず、サラスヴァティーSarasvati神には一般に広く定着した視覚的イメージがある。学問・芸術の女神とされるサラスヴァティーは、絵画や彫刻ではヴィーナーVinaという弦楽器を持った姿で描かれることが多い。音楽や舞踊の公演では、舞台袖に安置されたサラスヴァティーの像に、演者が演奏の開始前に礼拝する姿をよく目にする。
 一方こうした視覚的イメージとともに、サラスヴァティー神には音楽による聴覚的イメージもある。それがラーガ・サラスヴァティーである。元来はカルナータカ音楽Karnataka Music(南インド古典音楽)のラーガであったが、現在はヒンドゥスターニー音楽Hindustani Music(北インド古典音楽)でも比較的ポピュラーなラーガとして知られている。
 ちなみにヒンドゥー教の神々にちなんで名付けられたラーガはサラスヴァティーだけではなく他にもある。バイラヴBhairav(シヴァ)、バイラヴィーBhairavi(カーリー)、バヴァーニーBhavani(パールヴァティー、ドゥルガー)、ドゥルガーDurga、シャンカラーSankara(シヴァ)など。特定の旋律の響きがどうして神々と結びついて命名されたのか、今となっては知る由もない。
 本稿ではラーガ・サラスヴァティーを紹介し、それがどのようなものかを具体的に説明するが、その前にまず、インド音楽を理解する上で最も重要な概念であるラーガについて簡単に述べておきたい。ラーガ・サラスヴァティーは、即興演奏などの基礎となる音階、つまりインド音楽に特有のラーガと呼ばれるものの一つである。西洋音楽におけるような、ある定まった旋律によって作曲された「曲」ではない。

ラーガとは

 ラーガとは、一般に「音階」「音階型」「旋律型」と訳される。しかし、このような簡単な定義からはその本質を理解することは難しい。
 西洋音楽の音階は、1オクターブ内の7音を低いものから高いものへ、階段のように並べたものである。西洋音楽の音階は基本的に2種類しかない。ドレミファソラシの長音階(Major scale)と、ドレミ♭ファソラ♭シ♭の短音階(Minor scale)である。そして短音階は実際の音楽に用いられる場合、旋律的短音階や和声的短音階などに変化する。
 インド音楽のラーガは、西洋音楽の音階とは概念をまったく異にする。ラーガを理解するには、まずラーガを構成する楽音(スヴァラsvara)と、その楽音がどういう順序で並べられ、演奏されるかを知る必要がある。
 西洋音楽では、たとえば、ハ長調のラ(A)の音高を振動数440に規定するといった絶対音の考え方があるが、インド音楽にはない。音階の始まりの音、つまり基音の音高は、楽器や声の音域によって相対的に決まる。音階の開始音は楽器の構造(北インドの代表的弦楽器シタールはC#とかD)や男声(平均的にはCかC#)、女声に(A♭~B♭)よってある程度の範囲に収まってくるが、基本的にはどの高さでもよい。
 西洋音楽のドレミファにあたる音名は、サリガマパダニである。

   サ(Sa)  リ(Ri)  ガ(Ga)  マ(Ma)  パ(Pa)  ダ(Dha)  ニ(Ni)・・・インド音名
        (ド    レ    ミ    ファ   ソ    ラ     シ  ・・・西洋音名)

 この音名は下記のように短縮形である。
   Sa シャドジャSadja
  Ri リシャバRsabha
  Ga ガーンダーラGandhara
  Ma マディヤマMadyama
  Pa パンチャマPancama
  Dha ダイヴァタDhaivata
  Ni  ニシャーダNisada
 インドの1オクターブ内の音列を、西洋音楽と近似的に対比させたものを下に示した。「近似的」という理由は、インド音楽における1オクターブ内の各音は、西洋音楽のように平均律で分割されていないためである。1オクターブは西洋音楽と同様、12の音に分割される。微分音(シュルティsruti)を含めると22音の分割となるが、ここでは触れない。Saからの相対的距離で特定されるそれぞれの音の配置を、仮に西洋音楽のC-Majorの音列になぞらえると次のようになる。( )内がそれぞれ近似的に相当する西洋音名だ。

        ri(D♭)     ga(E♭)             ma(F#)      dha(A♭)  ni(B♭)
  Sa(C)      Ri(D)     Ga(E) Ma(F)    Pa(G)    Dha(A)       Ni(B)

 Saを西洋音楽のCという音高にしたのはあくまで理解のための目安である。この音列の並びをピアノの鍵盤に擬えれば、上段が黒鍵、下段が白鍵というイメージになるが、Saの位置はCである必要はなく、C以外の音、たとえばC#でもDでもE♭でもFでもF#でもなんでもよい。
 上記ではインド音名のローマ字表記を大文字と小文字で区別した。大文字が標準音、小文字が変音である。このうち大文字の標準音だけからなる音列はラーガ・ビラーヴァルBilavalのもので、この音列がヒンドゥスターニー音楽の標準音階である。

  Sa(C) Ri(D) Ga(E) Ma(F) Pa(G) Dha(A) Ni(B)・・・ラーガ・ビラーヴァルの音列

 一方、カルナータカ音楽では、17世紀の著述家、ヴェーカタマキーVenkatamakhiがこのカナカーンギーを基礎に72種類のメーラカルターMelakartaという音階体系を作った。以下がカルナータカ音楽の標準音階である。

  Sa(C) Ri(D♭) Ga(E♭♭) Ma(F) Pa(G) Dha(A♭) Ni(B♭♭)
         ・・・ラーガ・カナカーンギーKanakangiの音列

  さてビラーヴァルの音列の、たとえばRi(D)をri(D♭)に置き換え、順に音を出していくと、ビラーヴァルとはまったく異なった雰囲気の音階ができあがる。
   1.Sa(C) ri(D♭) Ga(E) Ma(F) Pa(G) Dha(A) Ni(B)
 さらに、Ga(E)をga(E♭)に置き換えるとまた雰囲気の異なった音階ができる。
   2.Sa(C) Ri(D) ga(E♭) Ma(F) Pa(G) Dha Ni(B)
 このように、ビラーヴァルの音列の標準音をそれぞれ単純に変音に置き換えるだけでも5種類の音階を作ることができる。
   3.Sa(C) Ri(D) Ga(E) ma(F#) Pa(G) Dha(A) Ni(B)
   4.Sa(C) Ri(D) Ga(E) Ma(F) Pa(G) dha(A♭) Ni(B)
   5.Sa(C) Ri(D) Ga(E) Ma(F) Pa(G) Dha(A) ni(B♭)
 数学的に考えれば1オクターブ12音から7音を選び取って作られ得る音階は膨大な数になる。音階を構成する音の数は必ずしも7である必要はなく、5や6でもよいし、また上行と下降で数が違っても良いので、さらにその数は膨れ上がる1。しかし、それらすべてが音楽を作る上で基礎となる音階になる訳ではない。音楽的に満足のできる音列の組み合わせが取捨選択され、それぞれに名前がつけられて現在あるようなラーガになったと考えられる2。
 ラーガを形作る要素は音階型と1オクターブ内で使用される音の数だけではない。上行・下降の進行がストレートか蛇行か、特有のフレーズ(パカルpakad)、強調すべき主要音(ヴァーディーvadi)、演奏時間帯や季節、旋律が高低どの音域を中心とするか、内在する感情(ラサrasa)など、多くの要素によって成り立っている。
 現在知られているラーガの数は諸説2あるが、文献やディスコグラフィなどによって筆者が調べた範囲では少なくとも581を確認できた3。
 

ラーガ・サラスヴァティー

 
 ラーガ・サラスヴァティーの音階構造は一般に以下のように紹介される。( )はSaをCとした場合の西洋音名。ピアノなどでもある程度の雰囲気はつかめるだろう。
使用音と音列順序
上行(アーローハaroha) :Sa(C) Ri(D) ma(F#) Pa(G) (B♭) Dha(A) Sa'(C')
下降(アヴァローハavaroha) :Ri'(D') ni(B♭) Dha(A) Pa(G) Dha(A) ma(F#) Pa(G) ma(F#) Ri(D) Sa(C)
Sarasvatiascend.jpg
Sarasvatidescend.jpg
 この音階は、ストレートに上下行しない。このような蛇行した音階の動きはヴァクラ・サンチャーラvakra samcara(曲がった動き)と呼ばれる。ヴァクラ・サンチャーラをもつラーガは数多くある。同じ音が使われる音階でも、こうした動きの違いによっても異なったラーガが作られ得ることを示している。

ジャーティーJati分類  :5音-6音 audava-sadava
 ラーガは使用される音の数によっていくつかのジャーティーjati(タイプ)に分けられる。
  アウタヴァaudava・・・5音音階(ペンタトニック)
  シャーダヴァsadava・・・6音音階(ヘクサトニック)
  サンプールナsampurna・・・7音音階(ヘプタトニック)
 ラーガ・サラスヴァティーは、上行が5音、下降が6音なので、アウタヴァ・シャーダヴァ・ジャーティー・ラーガとなる。
 筆者の確認した581のラーガのうち、7音音階は全体の6割、6音音階、5音音階がそれぞれ2割である。一般にラーガの最小音数は5とされるが4、まれな例外として3音、4音のものもある。

主要音vadi:Pa(G) 副主要音samvadi:Ri(D)
 ラーガで使用される音はすべて均等に扱われる訳ではなく、それぞれの音はラーガの特徴的な旋律を形作るために下記のように性格づけられる。()内はそれぞれの性格を位階になぞらえた一般的な表現である。
ヴァーディーvadi・・・主要音(王様)
  サンヴァーディーsamvadi・・・副主要音(大臣)
  アヌヴァーディーanuvadi・・・主要音と副主要音を除いた音(召使い)
  ヴィヴァーディーvivadi・・・調和しない音(敵)
 ヴァーディーとはラーガにおける主要な音のことである。デーヴァは「この音は、ラーガ自身に色を与える。言葉の意味は、『話すもの』である。最も重要な音であるためラーガの『王様』と呼ばれる。音楽が非常に多様に発展してきたために、このスヴァラが主要にものとして浮上してきた。他の音よりも長くとどまったり、その音が強調されるように慣用句が作られ、繰り返される」(『インド音楽序説』)と紹介している。またサンヴァーディーはヴァーディーの4度ないし5度の関係の音が多いが、演奏者によって解釈が異なる場合がある。
 同じ音列を持ちながら異なったラーガであり得るのは、こうした性格付けによっている。

演奏時間帯 :日没後または深夜
 ヒンドゥスターニー音楽では一般に、あるラーガの演奏にはふさわしい時間や季節があるとされる。実際、演奏会でも演奏家は演奏しようとするラーガ名とともに「これは夜のラーガである」といった紹介をする。メーグMegh (雲)、マルハールMalharなどは雨期、マールカウンスMalkaunsやバーゲーシュリーBagesriは深夜のラーガとして有名である。カルナータカ音楽ではラーガの演奏時間帯は特にない。
 ラーガ・サラスヴァティーの演奏時間帯が日没後または深夜となっているのは、演奏者によって時間帯の解釈が異なっているためである。

特徴的な動き(パカル) :ma Pa ni Dha Pa, Sa'ni Dha Pa, ma ma Pa Ri Sa
 パカルとはヒンディー語で「捕まえる」という意味だが、音楽で使用される場合は「キャッチ・フレーズ」といった意味である。どのラーガにも特有の旋律単位があり、それを聴けばラーガの全体像が類推できるようになっている。パカルの代わりにチェヘラーcehla(顔の意味)と呼ばれる場合もある。

●音の動きの例(calan)
nS, PnDS, R, Rm, SRm, mP, mP, nDP, mR, nS, Rm, nDS'nDP, Dm, mP, mR, nS, mR, Pm, RmR, R'nDP, DmP, RmR, mPm, nD, PDmP, mR, SmR, nS, S', nS', PnD, R'nDP, DDPmP, mRm, RSRS, RmP, RPmR, nDPnDP, DmP, RPmR, S'nDP, nDS', R'nD, RmPnD, SRmP, Dm, PR, m, SRnS, R, Rm, RP, R, RnDnPDmP, RmSR, nS, R'nDP, DmP, mRS, mPnDP, S'nDP, mmPRS, SRmPnDS', R'nDPDmP, mRS, nSRS, RPmP, PmPRmR, nRSnDS, PmP, DPDnDPmPDPRmSRnS, PPnD, S', S'R'nDmRPPmD, nDS', nnDS', nDRm, RnDnmDPm, P, mR, nS
・・・Sruti Vilas P.326
 音名表記は短縮している。S=Sa、R=Ri、m=ma、D=Dha、P=Pa、n=niである。またアンダーラインはSaよりも下の音域、'は1オクターブ上の音を示す。
 チャランはヒンディー語で「動き」を意味し、文字通りラーガで使われる音の典型的な動きを表す。ヒンドゥスターニー音楽の演奏家はラーガそれぞれのこうした特有の動きに習熟してラーガの全体像を表現する。
 
 インターネットのYou Tubeなどには「Raga Saraswati」と検索すれば多数の公開動画があるので、実際の演奏も視聴可能である。

 

注記
<注1>13世紀に書かれた『サンギータラトナーカラ』Samgita Ratnakaraには任意順序音列の生成可能な数を317,930だと述べている。(『サンギータラトナーカラ第一章試訳』p.38)。
 The Ragas of Northern Indian Music のなかで著者のアラン・ダニエルーAlain Danielouは、17世紀の著述家アホーバラAhobalaが『サンギータパーリジャータSamgita Parijata』に、7音で18,687、6音で31,050、5音で17,505の音列組み合わせが可能という記述があることを紹介している。また同書では、クリシュナーナンダ・ヴィアーサKrishnananda Vyasaの著作Raga Kalpa-drumaの次のような逸話も紹介している。「黒色の肌の神クリシュナは、16,108人の乳搾り女のため、その数だけの自分の分身を作った。乳搾り女たちはそれぞれのクリシュナに、違ったラーガ、違ったリズムで歌った。こうして16,108の音階が生まれた」(P.92)。
 またヒンドゥスターニー音楽理論の再整理を試みたヴィシュヌ・ナーラーヤン・バートカンデーVishnu Narayan Bhatkhande(1860-1936)は、1種類の7音の音列から、ペンタトニック(5音音階)、ヘクサトニック(6音音階)、へプタトニック(7音音階)の組み合わせの可能性は484通りあるとし、この数字を南インドの72メーラカルターMelakartaに適用し、最終的に組み合わせ可能な種類を34,848と計算している (Laksya Samgeet)。もっとも、同じ音列でも上行、下行の違いや主要音の位置などによって異なったラーガが作られ得るので、ラーガ生成可能の数は単純な数学的計算以上になる。しかし、こうした「計算」はもちろん実際の音楽とは直接関係しない。

<注2>「スケールの数は天文学的になる。しかし実際は、それらのすべてが感覚的満足を伴わないので、300種類くらいが知られているにすぎない。そのうち一般的なものはせいぜい100種類程度である。おそらく、1人の音楽家がそれなりの自信を持って演奏できるのは50くらい、完全にマスターしているものとなれば25くらいであろう。演奏の場でラーガの複雑微妙さを高水準で制御し、あらゆるガマカを駆使し完璧な調子で歌い、それにリズムの変化をもたせ、それでいて芸術美を表現するのは容易なことではない。したがって、ほとんどの芸術家が完全に把握しきっているラーガは5、6ということだろう」・・・『インド音楽序説』P.121(B.C.Deva)
「音楽家たちは、約75,000のラーガがあるという。しかしこの言葉は文字通りではなく、単に仮定上のものである。・・・実際のラーガの数はずっと少ない。おそらく、これまでの歴史で演奏されたラーガの数は2、3千くらいだろう。事実、どの時代をとっても、実質的には数百種にすぎない。一定レベルの演奏家は、年齢、訓練度合いにもよるが、レパートリーとしては20から50くらいのラーガになる。もちろん、特徴を認識できるラーガ数はこれよりも多いが、公演で演奏するには表現の準備ができていないと感じている」・・・"The Classical Music of North India" P.267, by George Ruckert
「可能なラーガの数は、ほとんど無限に近い。学者たちは、すべての音の配列によって導き出された72の親になるインド音楽の音列から、何百という異なった音階の組み合わせができることを示した。つまり、72の親音列から何千もの音列パターンを創出するのだ。さらに、2つの音階を組み合わせるというような違った方法をとれば、可能なラーガの数はそれこそ無限になる。しかし、実際には、数百種類のラーガが使用されている」・・・"My Music My Life",P.20, by Ravi Shankar
「ラーガの数は不明である。一般に知られているのはだいたい40か50で、ほとんどの演奏家の基本的なレパートリーである。約100を超えるラーガはきちんと確立しているが、元になるものの変形や混合したものも数えれば、おそらく500に近い数字であろう。もちろん、大演奏家が、これは独立したものだとする多くの珍しいラーガをさらに加えることができる。本来のものにわずかに加えられた変形や主要ラーガの混合型は、1回限りのものでしかないものもある。また、同じ名前のラーガであっても、地方や流派によって表現が異なる場合もある。基本的にはどのラーガであれそれぞれが独立した表現の基礎であるべきだが、ときとして、あるラーガの小さな変形が二つの異なったラーガへ成長する場合もある。・・・ラーガの種類を数えるのは困難である。というのは、同じ名前で異なったラーガがありえる一方、一つのラーガが何種類かの名前を持っていたりするからだ」・・・"Hindustani Music in the 20th Century", P.5, by Wim Van Der Meer

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サラスヴァティー研究会機関誌『サラスヴァティー』第3号掲載(2012年12月27日)