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1950年代から今日までのディスコグラフィーおよび文献情報からみたヒンドゥスターニー音楽のラーガの実態

9.IDiscの出現頻度によるラーガ・ランキング

順位	ラーガ(器楽)	頻度	ラーガ(声楽)	頻度
1	Bhairavi	82	Bhairavi	80
2	Misra Pilu	51	Bihag	31
3	Bagesri	46	Des	29
4	Des	46	Yaman	28
5	Ahir Bhairav	46	Basant	26
6	Pahadi	43	Malkauns	26
7	Malkauns	41	Pilu	26
8	Yaman	41	Bagesri	25
9	Khamaj	40	Lalit	25
10	Pilu	37	Ahir Bhairav	23
11	Ragesvari	34	Darbari Kanhra	21
12	Marva	33	Ragesvari	21
13	Bihag	32	Jaijaivanti	20
14	Candrakauns	32	Kedar	20
15	Lalit	32	Puriya	20
16	Jaijaivanti	31	Bhairav	19
17	Jhinjhoti	30	Maru Bihag	19
18	Kirvani	29	Marva	19
19	Puriya Kalyan	29	Misra Khamaj	19
20	Darbari Kanhra	28	Miyan Ki Malhar	19
21	Jog	28	Kafi	18
22	Madhuvanti	28	Multani	18
23	Bhimpalasi	27	Todi	18
24	Hansdhvani	27	Bhimpalasi	17
25	Puriya Dhanasri	27	Bhupali	17
26	Durga	26	Jaunpuri	17
27	Misra Khamaj	26	Jog	17
28	Suddh Sarang	25	Madhuvanti	17
29	Maru Bihag	24	Sankara	17
30	Sindhu Bhairavi	24	Suddh Kalyan	17

表17
　表17は、DHKM同様、IDiscデータの器楽、声楽での出現頻度によるラーガ順位30位までの抜粋である。2回以上現れるラーガの総合順位は表18(器楽)、表19(声楽)参照。
　30位までのラーガのうち、器楽のみに現れるものは12、声楽のみが13、共通が18、合計43である。IDiscとDHKM両者に共通するラーガ数は35。DHKMデータにはなかったラーガは、バサントBasant(またはヴァサントVasant)、バイラヴBhairav、プーリヤーPuriya、ラーゲーシュヴァリーRagesvari(またはラーゲーシュリーRagesri)、シャンカラーSankara、シュッド・カルヤーンSuddh Kalyan、シュッド・サーラングSuddh Sarangの7種である。逆に言えば35のラーガが年代によっても変化しなかったことになる。これだけを見て年代によって「好み」が変化したかどうかはなんともいえない。
　器楽と声楽に分けない出現頻度からランキングは表20に示しているが、うち上位30位までは以下の表21に示した。
　表20で示しているのは2回以上出現したラーガすべてで、その数は228であった。IDisc全体のラーガ総数は表11のように461だったので、1度だけ録音されたラーガは233である。DHKM同様、半数以上はめったに演奏(録音)されないラーガである。

順位	ラーガ	頻度	順位	ラーガ	頻度
1	Bhairavi	215	16	Marva	49
2	Pilu	128	17	Jog	45
3	Khamaj	101	18	Madhuvanti	45
4	Des	96	19	Bhimpalasi	44
5	Darbari Kanhra	88	20	Maru Bihag	43
6	Pahadi	74	21	Puriya Dhanasri	43
7	Bagesri	71	22	Hamsdhvani	42
8	Ahir Bhairav	69	23	Miyan Ki Todi	42
9	Yaman	69	24	Tilak Kamod	39
10	Malkauns	67	25	Jhinjhoti	38
11	Bihag	63	26	Miyan Ki Malhar	38
12	Lalit	57	27	Kirvani	38
13	Ragesvari	55	28	Bhupali	37
14	Jaijaivanti	51	29	Candrakauns	37
15	Kafi	50	30	Durga	37

表21
　表16同様、バイラヴィーとスィンドゥー・バイラヴィー、ミシュラを冠するものは元になるラーガとして扱った。バイラヴィー、ピールー、カマージ、パハーリーPahadi、シヴランジャニーSivranjani、ティラングTilang、キールヴァーニーKirvaniなど。これが2004年調査時点でのヒンドゥスターニー音楽のラーガ・ベスト30ということになるだろう。

バーンスリーによる北インド古典音楽演奏、アジア音楽プロデュース、聲明公演プロデュース

9.IDiscの出現頻度によるラーガ・ランキング