Asian Fantasy Orchestra 1998~Asian Tour

エイジアン・ファンタジー・オーケストラの1998年アジア・ツアーの企画書です。この企画書は、プロデュースしたのエイジアン・ファンタジィ実行委員会によるものです。
 わたしは、1993年から始まったエイジアン・ファンタジー・プロジェクト以来、通訳兼コーディネーター兼バーンスリー奏者として2003年ツアーまで参加しました。

企画書


もくじ■はじめに | Asian Fantasyについて | Asian Fantasy Orchestraについて | 企画概要 | 出演者


はじめに                                  1998年は、インドでは独立50周年、フィリピンでは独立100周年に当たります。
 国際交流基金では、この機に「エイジアン・ファンタジィ・オーケストラ アジア公演1998(仮題)」と題し、1998年2月から4月上旬にかけて、日本をはじめとするアジアの音楽家たちで構成された公演団によるアジア3カ国(インド、ベトナム、フィリピン)の巡回公演及び帰国公演(東京、名古屋、大阪 / 主催:エイジアン ファンタジィ実行委員会)を本書の通り企画いたしました。
 この企画は、1991年より毎年1回、東京・Bunkamura シアターコクーンにおいて開催されている音楽祭 " Asian Fantasy " に源を発します。
 " Asian Fantasy "ではこれまで、アジアの音楽家たちの「音楽を通した出会いと交流」、そして「相互理解」を目的に、日本をはじめアジアの国々から多彩な音楽ジャンル(伝統音楽、民謡、ポップス、ジャズ、クラシック等)で活躍する多くの優れた演奏家や歌い手たちを迎え、毎回、様々なテーマを設定した意欲的な公演が繰り広げられてきました。
 戦後50年の節目となった1995年、国際交流基金では、" Asian Fantasy "に文化交流事業の新たな可能性を見出し、そこで積み重ねられてきた成果をもとに、32名の音楽家により構成された多国籍音楽集団 "Asian Fantasy Orchestra" の東南アジア巡回公演(シンガポール、ジャカルタ、クアラルンプール)を行い、各公演地において新鮮な感動と大きな反響を呼びました。この巡回公演を通し私たちは、"Asian Fantasy Orchestra"が持つ大きな可能性とその世界の拡がりに、改めて確信を持つに至りました。
 今回のアジア公演には、現在の日本の音楽シーンを代表する音楽家である仙波清彦(パーカッション)、久米大作(キーボード)、梅津和時(サックス)、さらにインド伝統音楽界の担い手、ナヤン・ゴーシュ(シタール)、ドゥルバ・ゴーシュ(サーランギ)、中国伝統音楽の研究者であり優れた胡弓の演奏家である賈鵬芳らを中心に、日本、中国、インドの多彩な音楽ジャンルで活躍する30数名の意欲に溢れた素晴らしい音楽家たちが参加することとなっております。また今回は、"Asian Fantasy Orchestra"としては2回目の海外公演でもあり、前回とは異なる国々を訪れることから、その成果にはまた新しいものが加わり、彼らの創り出す音楽により深みと新たな拡がりが増すことと期待いたします。
 私共は、この国境を越えた創造的な試みが、今後のアジアの音楽の発展と音楽家同士の交流に寄与することを願ってやみません。
 つきましては、本書をご参照の上、ご理解を戴き、何卒、本公演へのご支援、ご協力をお願い申しあげます。

 1997年10月
国際交流基金・芸術交流部公演課
エイジアン・ファンタジィ実行委員会


「Asian Fantasy」について    

 音楽祭「Asian Fantasy」は、アジアの音楽家たちの「音楽を通した出会いと交流」、そして「相互理解」を目的に、1991年より毎年1回、東京・Bunkamura シアターコクーンにおいて開催してまいりました。
 これまでこの音楽祭では、日本を始めアジアの国々から伝統音楽、民俗音楽、ポップス、ジャズ等、多彩な音楽ジャンルで活躍する多くの優れた演奏家や歌い手たちを迎え、西洋音楽とは異なるアジアの国々(地域)の音楽が固有する旋律、リズム、歌唱法、楽器等の特徴にテーマをあてた様々な内容のプログラムを設定し、意欲的な公演を繰り広げてきました。
 また、ここに参加した音楽家たちは、それまで知らなかった「人」と「音楽」に出会い、互いが発する「音」や「歌声」に触発されながら一つ一つの音楽を創りあげていく過程でその存在と音楽のエネルギーを実感し合う。そして、互いの音楽の違いを乗り越えた数々の共演を通して新たな音楽を創る歓びを共有し、回を重ねるごとにその友情を深めるとともにアジアの音楽の大きな可能性を見いだしてまいりました。


「Asian Fantasy Orchestra」について

 音楽祭「Asian Fantasy 」の一つの成果として企画された、このオーケストラは、アジアの音楽家たちがこの音楽祭での数々の共演体験を通し、共に培ってきた多くの音楽的成果と互に対する信頼を軸に、このオーケストラに参加したアジアの音楽家たち個々の音楽的な背景と独自性を尊重した、言うなれば多様な価値観の共存と調和をめざすプロジェクトです。
 そして、この「オーケストラ」は、単にアジアの伝統、民俗、ポップスなどの音楽を紹介することだけに留まらず、ここに参加した音楽家一人一人の存在(音楽)を介し、多様なアジアの音楽の生命力と普遍性、そして現代性を表現するものです。
 また、このオーケストラの公演では、次の3つの大きな要素から公演全体が構成されるものと考えます。

  1. アジアの地域(国々)が有する特徴的な旋律、リズム、旋法、楽器、即興性といった様々な音楽的要素を織り込んだ創作曲を新たに作曲し、このオーケストラの独自性を通し、豊かなエネルギーに溢れたアジアの音楽を「今」を表現する。
  2. このオーケストラに参加している日本を始め、中国、インド演奏家や歌い手たちの国々の特徴的な楽曲(伝統・民俗音楽などの)を、このオーケストラならではの解釈と手法によりそれぞれの演奏家や歌い手たちを中心に、アジアの音楽の持つ生命力、普遍性を表現する。
  3. この公演の開催国の伝統・民族音楽などの演奏家(個人又は、グループ)や民謡、ポップスの歌い手などをゲストに迎え、新たな出会いと交流を通し、このオーケストラの可能性と新たな拡がりを目指す。

企画概要
  1. 本公演の名称について

      1)英文表記: Asian Fantasy Orchestra Asian Tour 1998
      2)和文表記: エイジアン・ファンタジィ・オーケストラ アジア公演 1998
      3)副題表記: Song for People, Song for Love 

  1. 本公演の実施期間について

      1)1998年3月上旬から4月上旬
        *帰国公演を含む。

  1. アジア公演の実施概要(都市、会場、日程、運営組織)について 
      1)インド公演(インド独立50周年の記念事業として実施する。)

       ○ニューデリー公演(New Delhi / India)

        会 場: シリフォート・オーディトリアム (Sirifort Aouditorium - 1) *2,156席
        日 時: 3月4日(水)、5日(木) 開演18:30~
        出 演: エイジアン・ファンタジィ・オーケストラ
             ゲスト: アーシシ・カーン (サロード)、ほか。
        主 催: Indian Council Cultural Relations (ICCR)、国際交流基金
        後 援: 在インド日本大使館

       ○ムンバイ公演 (Mumbai / India) *ボンベイ 

        会 場: タータ・シアター(TATA Theatre) *1,100席
        日 時: 3月11日(水)、12日(木) 開演18:30~
        出 演: エイジアン・ファンタジィ・オーケストラ
             ゲスト: アーシシ・カーン (サロード)、ほか。
        主 催: Indian Council Cultural Relations (ICCR)
             National Centre For The Performing Arts (NCPA)
             国際交流基金、在ムンバイ日本総領事館

      2)ベトナム(ハノイ)公演 (Hanoi / Viet Nam)

        会 場: 越ソ文化宮 (Viet Xo Culture Palace Hanoi) *1,600席
        日 時: 3月18日(水)、19日(木) 開演20:00~
        出 演: エイジアン・ファンタジィ・オーケストラ
             ゲスト: ミー・リン(Vo)、香西かおり(Vo)、ほか。
        主 催: Ministry Of Culture and Information、国際交流基金、在ベトナム日本大使館

       *日本・ベトナム外交樹立25周年の記念事業として実施する。

      3)フィリピン(マニラ)公演 (Manila / Philippines) 

        会 場: Cultural Centre of Philippines (CCP)   *1,893席
        日 時: 3月25日(水)、26日(木)開演20:00~
        出 演: エイジアン・ファンタジィ・オーケストラ
             ゲスト: ジョイ・アヤラ(Vo)、香西かおり(Vo)、ほか
        主 催: 国際交流基金、Cultural Centre of Philippines (CCP) 
        後 援: フィリピン独立100周年委員会、在フィリピン日本大使館

       *フィリピン独立100周年の記念事業として実施する。

  1. 帰国公演の実施概要(都市、会場、日程、運営組織)について。
      1)東 京  公 演

        名 称; Asian Fantasy Orchestra 1998
            - Song for People, Song for Love -
        会 場: 新宿文化センター・大ホール
        日 時: 4月7日(火)、8日(水) 開演19:00~
        料 金:
         前 売: S 席:5,000円(税込み)、A 席:4,500円(税込み)
         当 日: S 席:5,500円(税込み)、A 席:5,000円(税込み)
      出 演: エイジアン・ファンタジィ・オーケストラ (Asian Fantasy Orchestra)
             ゲスト: 香西かおり (Vo)、グレース・ノノ(Vo)
       問い合せ: ピットイン ミュージック Tel; 03-3352-0381
       チケット: チケットぴあ   Tel; 03-5237-9999
             チケットセゾン  Tel; 03-3250-9999 
             PIT INN MUSIC Tel; 03-3352-0381
            *上記にて12月12日(金)よりチケットを発売いたします。

        主 催: エイジアンファンタジィ実行委員会
        共 催: 財団法人 新宿文化振興会
        後 援: ぴ あ
        助 成: 国際交流基金
        協 賛: トヨタ自動車株式会社
        協 力: スリー・ディー、u'-shi、ほか。

        *上記の東京公演以外の都市での本公演の開催を計画しております。

  1. 本公演の主催運営、制作について。 
      1)アジア公演の主催運営と問い合せ先 
        国際交流基金・芸術交流部公演課 担当:島田靖也
        Tel; 03-5562-3530 Fax; 03-5562-3500
        東京都港区赤坂1ー12ー32 アーク森ビル20F

      2)本公演の企画制作 と帰国公演の問い合せ先: 
        エイジアン・ファンタジィ実行委員会 
        担当: 本村鐐之輔、小林絵美(株式会社ピットイン ミュージック内)
        Tel; 03-3352-0381 Fax; 03-3352-6047
        東京都新宿区新宿3ー27ー4


【出 演 者】Asian Fantasy Orchestra

仙波 清彦 SENBA Kiyohiko/Percussion, 小 鼓
梅津 和時 UMEZU Kazutoki/Saxophone
久米 大作 KUME Daisaku/Keyboard
三好 功郎 MIYOSHI Isao/Guitar
坂井 紅介 SAKAI Benisuke/Contrabass
中原 信雄 NAKAHARA Nobuo/Electoric Bass
新井田 耕造 NIIDA Kozo/Drums
佐藤 一憲 SATO Kazunori/Percussion, 太 鼓
田中 顕 TANAKA Akira/Percussion, 大 鼓
矢野 晴子 YANO Haruko/Violin
深見 邦代 FUKAMI Kuniyo/Violin
武内 香織 TAKEUCHI Kaori/Violin
大久保 祐子 OKUBO Yuko/Violin
高橋 淑子 TAKAHASHI Shizuko/Viola
森田 芳子 MORITA Yoshiko/Viola
立花 まゆみ TACHIBANA Mayumi/Cello
笠原 あやの KASAHARA Ayano/Cello
賈 鵬芳 JIA Peng-Fang/二 胡 / Erhu (China)
張 林 ZHANG Lin/揚 琴 / Yangqin (China)
姜 小青 JIANG Xiao-Qing/古 箏 / Guzheng (China)
中川 博志 NAKAGAWA Hiroshi/Bansuri
ナヤン ・ ゴーシュ Nayan GHOSH/Sitar (India)
ドゥルバ・ ゴーシュ Dhruba GHOSH/Sarangi (India)
アニ-シュ ・ プラダーン Aneesh PRADHAN/Tabla (India)
竹井 誠 TAKEI Makoto/尺八、笛 / Shakuhachi, Fue
木下 伸市 KINOSHITA Shinichi/津軽三味線、唄 / Tsugaru-Shamisen
大工 哲弘 DAIKU Tetsuhiro/沖縄島唄、三絃 / Folk Vocal, Sanshin
大工 苗子 DAIKU Naeko/沖縄島唄 / Folk Vocal
グレース・ノノ Grace Nono/Vocal (Philippines)


☆各公演開催地のゲスト出演者

○デ リ ー 公 演:アーシシ・カーン Aashish KHAN(Sarod) 、ほか

○ムンバイー公演:アーシシ・カーン Aashish KHAN(Sarod) 、ほか
○ハ ノ イ 公 演:ミー・リン My Linh (Vocal) 、ほか
香西かおり KOZAI Kaori (民謡 / Vocal)
○マ ニ ラ 公 演:ジョイ・アヤラ Joey AYALA (Vocal, Guitar)
   香西かおり KOZAI Kaori (民謡 / Vocal)
○帰 国 公 演 :香西かおり KOZAI Kaori (民謡 / Vocal)
   グレース・ノノ Grace Nono (Vocal/ Philippines)


*このオーケストラは31名の出演者で構成いたします。
*上記の出演者に多少の変更がでる場合もあります。
○ゲスト出演者について
本公演の各公演開催地において、各公演開催国の音楽家をゲストに迎える。