2018年8月16日(木) メキシコ3週間よれよれ日記  前の日 次の日


 8時起床。調子の悪い下田は「ギリギリまで寝てますわ」とのこと。昨日くたびれて書けなかった日記を書く。「寝れました。でっかいイモリ。風邪気味。免疫力が落ちてきたのか、鼻の横にヘルペス」と沙也加。
 11時「ドーニャ・マルセ」でブランチ。ほぼ1日1食のせいか食欲があり、ビフテキ、サラダ、コーヒーを頼んだ。薄くて硬いビフテキは噛むのに苦労する。そこへ、プリシリアーノ、カルラ、真っ赤なドレスの市長秘書アレハンドラが合流した。カルラとアレハンドラも朝食をとったが、プリシリアーノは様子を見にきた感じだ。通りかかった家族が挨拶に来た。長身細身のミノ、アイコの初々しいモリヤ家の夫妻、ベビーカーに寝かされたアオキだ。アイコの顔はそのまま日本人として通りそうだ。新婚旅行は日本だったという。

アイコ、ミノ、アオキ 薄くて硬いビフテキ
「ドーニャ・マルセ」のマルセ

ティエラ・カリエンテ音楽WS

 マルコス・ヒメーネス文化館へ12時過ぎに行くと、小ギターを抱えた昨日の講師ウリセ(後で聞くと23歳、こんなに若いと思わなかった)、手伝いのインド人のような顔つきのアレリ(実はホテル従業員アンヘリカの娘、ケビン少年の姉)が準備していた。彼女もまだ20代前半かもしれない。


 昨日の続きのティエラ・カリエンテのWS。椅子に座って開始をまつ沙也加にコーヒーが届けられた。カフェ・アシエンダの従業員、ガブリエル青年の差し入れだった。ガブリエルはかなり沙也加に入れ込んでいる。口数が少ない美形の沙也加はメキシコ人青年たちに大人気なのだ。
 準備運動から速いステップの練習が始まる。ウリセのヴァイオリン、地元の青年と下田のギター、象くんの肩掛けドラムで昨日習った曲を演奏。ワダスも持っていったソプラニーノでメロディーをなぞったりしてみたが、キーがDなので指使いになれない。メロディーを把握して吹くには練習がいる。
 吹いているうちに急に便意。プリシリアーノのカフェ・アシエンダまで行ってトイレを借りた。プリシリアーノは従業員と何か作業中だった。終わって流そうとしたがな何度やってもトイレットペーパーが残る。どうもメキシコのトイレは排出に問題がありそうだ。
 戻ってワークシッョプに合流した。踊るのはやめてソプラニーノで適当に音を出した。
 終わって帰り支度をしていると、ケーナが何本か入ったバッグ、スピーカーを肩からかけた寡黙な青年が、ケーナを取り出し吹き出した。さらにサンポーニャも取り出す。楽器は全てプラスチック製だ。右肩にかけたごついスピーカーのスイッチを入れると、ラッパー風のベースのきいた音とともにケーナを吹く。流しで演奏しているのだろうか。

マリアンの自宅訪問

 参加者の中のルピタ祖母、アリ母、マリアン娘から自宅訪問の誘いを受けた。女子三人組は18日のワークショップの準備で行けないが、男4人は招待を受けることにした。
 いったん全員でホテルに戻った。ここのホテルの従業員アンヘリカが母だという少年ケヴィン(10歳)と会話したが、ほとんど伝わらない。下田や象くんのレベルだと子供とスペイン語会話するのはまだまだ難しいようだ。夕紀は可愛らしいケヴィン少年が気に入り頭などを撫でる。


アリ、マリアン親娘と記念写真 アリ親娘自宅玄関で


 しばらくして待ち合わせ場所のマルコス・ヒメーネス文化館へ。ほどなくアリとマリアン、マリアンの友達だというひょろっとした17歳のラウル少年がやってきて我々を自宅へ案内した。ちょっと英語ができるということでラウルも呼ばれたらしい。自宅はカフェ・アシエンダに近い。壁面にフィットネス・クラブと書かれていた。
 1階は様々な運動マシンの並んだスタジオになっていた。外からは想像できない光景だった。2階へ行くと、老人とまではいかない男がカンナがけをしていた。大工をしているアリの父ヘラルド、59歳だ。100年前のドアなどを修理していたようだ。
「91になる親父もいるんだ」とヘラルド。
 壁に若い女性の写真があった。マリアンが「おばあちゃんだ」という。ワークショップに参加していた初老の上品な婦人だった。ルピタこと、マリア・グアダルーペ・ディアス・ミランダ55歳。実はフィットネスクラブの経営者。以前は市長もしていたらしい。
 3階がルピタの家になっていた。余裕のあるキッチンと居間。アリが狭い階段を指しさらに上の階に案内する。アリとマリアンの住む4階は3階の部屋よりも狭く、いろんなものがぎっしり詰め込まれていた。さらに上がマリアンの部屋だった。最上階からの眺めがいい。カテドラルのドームがすぐ近くに見える。
 スムーズにはいかないスペイン語とかなり怪しいラウルの英語でわかったこと。現在34歳のAriadnaことアリは、今はモレリアに住む夫と離婚し、11歳のマリアンと一緒にここに住んでいる。仕事は幼稚園の先生。フリーダ・カーロが大好きで、画集、カーロの顔が描かれたカバン、コップ、イヤリングなどなど、カーロだらけのものを次々に見せてくれる。
 人形、フリーダ・カーロの映画DVD、小さな飾り物をプレゼントされた。象くんはフリーダ・カーロのパズル、下田は老人舞踊人形などなど。アリは家を見回してさらにプレゼントするものを探している。マリアンが家族の写真集を広げて見せる。さらに2年前に旅行したというアオハカの海で遊ぶ写真なども披露。2人の歓待したい気持ちが伝わってくる。
 マンゴ、パパイヤ、グアバなどの果物とライムの入った水をいただいた。果物は塩の入ったチリのふりかけをかけると美味しい。
 マリアンがギターを持ち出し、日本の歌と教会で歌っているという賛美歌を披露。
 マリアンは15歳になったら日本に行くという。
 歓待プレゼント攻勢後、下の階に降りた。フィットネス・スタジオには祖母のルピタがレオタード姿で2人の女性を指導していた。ルピタに「あなた方もどう」と誘われたがお断りして玄関から外に出た。
 角のパン屋でマリアンがパンを買った。プレゼントの仕上げだった。

マリナのサークルダンスWS

 6時近くなり全員でワークショップ会場のマルコス・ヒメーネス文化館へ。マリナがスピーカー、マックなどを用意して待っていた。手助けは、30代の女性ルビとアリ。マリナに大人しく付き従う感じのルビは市役所に勤務しているが、9月に市長が変わると失職するという。

 マリナの指導する踊りは、メキシコの伝統とは全く異なり、世界中の音楽に合わせて輪になって踊るというもの。簡単なステップ、振り付けのもので、激しいステップではない。世界平和の踊りでブルガリアで始まった運動なのだという。参加者が増えてきたので広場に場所を移した。
 メキシコ・レゲエ、ブラジル、ジプシー、イランの音楽に合わせて踊る。少女と老女が多い参加者は30人ほど。
 8時、ワークショップ終了。ホテルへの帰途、サント・ニーニョ広場で舞踊会が開かれていた。噴水を中心に老若男女が踊り、見る人たちが取り巻いていた。
 ホテルに戻り、盆踊りワークショップの進め方などを男だけで打ち合わせ。
 9時、本来店でディナーをするはずだったベニートの店から出前が届いた。ビール5本200ペソを飲みつつ夕食。ワダスは皆の分をちょこっとつまむ程度にした。
 食後、パツクアロのワークショップ準備の下田、沙也加、象くんを除き、角、夕紀、優希子と歓談。スミ語が炸裂し女性2人はなかなか理解できない。ワダスもほとんど理解できない。角の言葉は、抽象的な語彙が連続してどんどん滑って行くような感じなのだ。
 11時頃、ベッドに入る。今日もかなりくたびれた日だった。

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