第13回 アジア音楽台風

●とき/1994年4月27日(水)7:00 pm
●ところ/ジーベックホール(神戸ポートアイランド)
●出演/ジョン・海山・ネプチューン:尺八、ルイス・プラガサム:ドラムス、ユージーン・パオ:ギター、キルバ:インド打楽器、松田昌:キーボード、石橋敬一:ベース、福原左和子(ゲスト):箏
●主催/ジーベック、(財)兵庫現代芸術劇場
●協賛/(株)TOA
●協力/エアインディア
●後援/兵庫県、神戸市、神戸市教育委員会、神戸市民文化振興財団、神戸国際交流協会、神戸市民文化振興財団
●協力/佼成出版社、Tower Records Osaka、カンバラ・ミュージック・コーポレーション
●企画制作/天楽企画

プログラム

Joy/Shades Of blue/Rapids/River Rhythm/鶴の巣籠もり/春の海/High on Five/West of Somewhere

企画主旨

今回の公演は、日本の伝統音楽をふまえながら独自の音楽を展開している尺八のジョン・海山・ネプチューンと、彼の出会ったアジアの音楽家たちによる交流と融合の試みを紹介するのを主眼としています。
 これまで、さまざまな民族音楽が紹介されてきていますが、国や民族の伝統を軽々と越える、新たな普遍的音楽を模索する動きは活発になってきています。こうした傾向は、さまざまな民族が混在するアジアの国々において顕著に見られます。もっとも、当初は珍しいサウンドを取り込むという形でした。しかし、聴衆も演奏家たちも、それまでの単なる「珍しい」音楽の興味から、新たな表現手段として積極的に評価する方向に向かっています。
 アメリカ人であるジョン・海山・ネプチューンは、こうしたいわゆる民族音楽の壁を当初から取り払った音楽家といえます。彼の専門である尺八は、もちろん日本の伝統楽器であり、今日でも邦楽の重要な楽器であることは周知の事実です。彼は、この楽器を伝統的な教育の元で習得し、この分野の師範の地位まで獲得していますが、彼にとって重要だったのは、自身の音楽表現の手段としてこの楽器のもつ表現力を拡張することでした。
 彼の作曲の基本にあるのは、アメリカの「伝統音楽」であるジャズにあるといえます。もともと、ジャズという即興音楽の様式には、あらゆるスタイル、楽器を飲み込む寛容さがありますが、ネプチューンがアジアの音楽家たちとの交流を通して見えてきたものは、そうしたジャズ以上に広がりのある世界ではないかと思います。