第2回 エキサイティング・ガムラン+和太鼓

●とき/1990年6月24日(日) 4:00pm~
●ところ/ところ/ジーベックホール(神戸ポートアイランド)
●出演/ダルマ・ブダヤ:ガムラン、井上一路:和太鼓、高河原敦美:インドネシア舞踊
●主催/楽ネットワーク
●共催/ジーベックホール
●協賛/(株)クリエイト・エンタープライズ、ダイシャウツアー、P.T.ガルバ・インダストリー
●後援/インドネシア総領事館、兵庫県、神戸市、神戸市民文化振興財団、神戸国際交流協会、神戸新聞社、ラジオ関西、ガルーダ航空、日本インドネシア友好協会
●企画制作/天楽企画

プログラム

■ジャワ伝統音楽
 ダルマ・ブダヤ:ガムラン
■インドネシア舞踊
 ダルマ・ブダヤ+高河原敦美:インドネシア舞踊
■和太鼓ソロ
 井上一路:和太鼓
■コンテンポラリーガムラン
 ダルマ・ブダヤ:ガムラン
■エキサイティング・ガムラン+和太鼓
 ダルマ・ブダヤ+井上一路

企画主旨

「アジアの音楽シリーズ」は、日本と他のアジア諸国の伝統芸能をより広く一般に認識してもらおうとスターとしたものです。国際交流が叫ばれながら、アジアへ目を向けようといわれながら、今日の日本の文化状況は、依然、西洋偏重であることは否めません。そうした中でも、最近かなり、アジアからアーティストが来日しその豊かな伝統芸能が日本に紹介されてきていますが、まだまだ単に「珍しい」ものとしてしか受けとめられていないのが現状です。
 そこで、本シリーズの第一の主旨は、まずアジアおよび日本の伝統芸能を広く紹介すること。
 次に、アジアの国々の芸能は、実は、歴史的、社会的にも日本の伝統芸能と相互影響しあい、それぞれ独自のパフォーミング・アーツとして今日に至っているということを、それらを同時に視聴することで認識しよう、というのが第二の主旨です。
 第三の主旨は、この出会いから、伝統を越えた新しいパフォーミング・アーツの形を模索することです。また、音響機器メーカーの所有するホールに共催者として協力していただいておりますので、従来とは異なった音楽体験の提供も目指しています。そうした考え方で、シリーズ第一回目として「真言密教とインドのの音楽」(1989年11月25日)を開催し、好評を得ました。
 今回は、シリーズ第二弾として、インドネシアのガムランと和太鼓を取り上げました。
 ガムランは、インドネシアの伝統芸能です。しかし、単なる伝統芸能としてではなく、その響きやシステムが、現代音楽の作曲形をも刺激しており、今や世界中で注目されている音楽の一つです。アメリカでは、200ものガムランセットがあり、演奏ジャンルとして認識されているが、日本ではまだまだ一般的とはいえません。「ダルマ・ブダヤ」は、その数少ない日本での演奏グループとして活動しています。インドネシア古典のみならず、現代音楽の作品を意欲的に取り組んでいるグループです。
 和太鼓は、伝統的にお祭りの太鼓として主に使われてきました。しかし、近年、「鬼太鼓座」や「鼓童」などのグループが、伝統スタイルのみならず、伝統に加味した新しい作品を発表しており、日本はもとより海外でも非常な脚光を浴びています。生活の厳しい自己管理と肉体訓練、練習によって、和太鼓の普遍的な芸術性を高めてきた井上一路氏は、その「鬼太鼓座」のリーダー、音楽監督としてだけではなく、ソリストとしても高く評価されている演奏家です。