AKF来日アーティスト非公式プロフィール 

○クロード・アバド(画家、♂57)ak01  小児マヒのため両手が使えないので、口の機能をフルに活用している。しゃべる、食べる、筆をくわえて絵を描く、グラスをくわえて飲み物を飲む、細い棒をくわえてキーボードに入力する。どんな状況でも決して不満をいうことがなく、淡々と自分の場所を見つける。日本酒が大好き。英語力1センチ。しかし、わたしが「~へ行こう」とフランス語でいうと、なぜか「イエース」と答える。ジョーク係数3。

○イヴェット・ブスケ(写真、ビデオ、♀55?)ak01  クロードのパートナー。クロードは彼女の存在抜きには生活も難しい。背は高くなく、全体に丸い。パチリンコとした目と赤毛が特徴的。ハイテク機械の購入に旺盛な意欲を見せる。自宅ではiMac使用。英語力3センチ。比較的マイペース。ジョーク係数4。

○アレキサンドル・ディオ(DJ、♂26)ak01  短髪、眼鏡のひょろっとした好青年。常に楽天的笑顔だ。ただし、ときどきだだをこねるときもある。英語力5センチだが、強烈なフランス訛。日本にいること自体が歓び。かなりマイペース。ブランドものはおそらく似合わない。ジョーク係数4。

○アラン・ディオ(画家、♂56)ak01  短髪、大きな頭、つぶらな瞳、顔のほとんどを覆うヒゲが特徴。日本酒大好き。英語力0.1ミリ。議論好き。仏語読解能力0.05ミリのわたしに、まじめな顔してまじめな話をする。強烈な自尊心と独特の芸術思考を秘めている。ヤシャにいわせると「噴火手前の活火山」、「ダコー、ノープロブレーム」がときどき問題ありを匂わせるとか。通風もち。わりと体臭が強い。ジョーク係数2。

○マガリ・ラティ(造形作家、♀36)ak01 視線に落ち着きあり。ときどき視線を長く固定されるので、こっちがどきまぎすることも。他のメンバーの自分勝手な主張にうんざりしている。決して自ら歓談の輪に加わらず、一定の距離を保っている。自分のやるべきことをしっかりと認識し、黙々と実行する。この9月、AKFの代表に選任された。英語力25センチ。ジョーク係数1。

○オリヴィエ・ウーア(画家、♂32)ak01  頭頂部の単位あたり毛髪係数はゼロに近い。長身。俳優のタランティーノに似た三日月型の顔。剽軽なようでいて、根はきわめて真面目。家庭を愛する。英語力70センチ。ときおり孤独な表情を見せるが、充足したものを内包している。ジョーク係数2。

○マキ(音楽、写真記録、♂36)ak01  耳ピアス、濃い赤ら顔、きちんと整髪された黒髪、自分の居所を常に探し求めるように表情が変化する。ホモではないかと噂されたが、本人は自他共に認める女好き。相当マイペース。個人的利害について敏感。他人にもっともっと誉められたい。場を読めないときがある。ジョーク係数1.5、英語力67センチ。オレを認めないフランス人は嫌いだあ。

○アラン・パパローン(画家、CD-ROM制作、♂47)ak01  大柄でバランスのとれた体なのに大きく見えないのは、恥ずかしがりと愛の欠乏放射、視力問題からくる目の潤みなどからか。いつもは濃いサングラスをかけている。いまだ孤独に慣れきれない楽天的厭世主義者(オプティミスティックペシミスト)。したがって、究極の孤独を観念した人にはない、どこか憎めない人物像を形成している。彼の油絵の人物のリアルな描写と超現実的な背景には、現実に対する深い絶望と甘美な幻想が混然となっている。英語力88センチ、ジョーク係数3。

○ヤシャ・アジンスキー(映像作家、♂57)ak01  赤ら顔の、ちょっと知的な、愛すべきスケベオジサンという風情なので、二度もアカデミー賞候補にノミネートされた映画監督には見えない。フランスに住むアメリカ人だが、ソ連からアメリカにまで至った両親の物語は複雑。ドキュメンタリー制作現場で鍛えられた観察力で、冷静に場を読みとる。禅大好きなヒッピー。72年の暮れにわたしはアフガニスタンのカブールにいたが、まったく同時期に彼も住んでいた。英語力100センチ、ジョーク係数4。

○キャリ・アジンスキー(俳優、歌手、写真家、映画作家、♀56)ak01  ヤシャの配偶者で二児の母。かすかな白髪混じりの長い黒髪、細面にときどき老眼鏡。ニューヨーク育ちなのにカリフォルニア風の楽天性を見せるが、国籍はイタリア。滞在フランス人の生活関連お世話係り。スカートをたくし上げて扇風機に当たっている姿が記憶に残る。ヤシャとの会話は、まるで漫才師のように呼吸がよく合っているが、多少出過ぎの感があるためか、ときおりヤシャにたしなめられる。会期中、東北地方の秘境温泉地の研究に余念がなかった。英語力100センチ、ジョーク係数4。

○クローデット・マルラン(画家、♀57?)ak01  小柄な老眼鏡をかけた陽気な熟年るんるん少女。会話をすると顔が接近する。かなりマイペース。芸術創造的苦悩は伺えないが、実際は不明。英語力7センチ、ジョーク係数2。

○マルグリット・リーベン(ドラムス、38♀)ak01  明るい茶のソバージュ風長髪、すらりとした体躯、その起居動作はアルプスのように涼しく素朴で、心なしか1ミリほど焦点がぼける。英語力68センチ、存在としてのジョーク係数4。

○アマンダ・ギャルドン(コントラバス、♀26)ak01  AKF来日者の最年少。はにかみ的美少女の面影を残す、わりと大柄で無口のミュージシャン。どういう訳かリハーサルの舞台で泣き出した彼女を、恋人のリオネルがなだめている姿が記憶に残る。英語力3センチ、ジョーク係数0.2。

○ジャン‐ ピエール・ジュリアン(打楽器、♂ 43)ak01  ちょっと小太り、灰色頭髪やや後退、どんなことでも対応できるもんねといった職人的自信を漂わせつつ、淡々と行動する。中島さん提供の打楽器を見つけて狂喜していた。英語力27センチ、ジョーク係数4。

○ジェヌヴィエーヴ・ソラン(ダンス、振り付け、♀51?)ak01  反応のよいバネのようなスリムな長身、ひっつめに束ねた銀髪が歩くたびに揺れる。普段は当たり障りのないことしかしゃべらないが、ダンスに関しては妥協を許さない芯の強さを感じさせる。アランDとの関係でAKFを脱会したギタリスト、レイモン・ボニの配偶者。アコーディオン奏者でもある。英語力42センチ、ジョーク係数2。

○シルヴィ・クニコウ(ダンス、♀49)ak01  小柄だががっしりとした体型と、ロシア出身の父から受け継いだ典型的なスラブ系の重々しい顔立ちが、たくましいロシアの農婦か、港湾労働者を思わせる。ちょっと鼻にかかった重めの声が意外にやさしい、のたうち系ダンサー。英語力23センチ、ジョーク係数2。

○シルヴィ・セネシャ(美術、♀38)ak01  病的なほど徹底して寡黙、アラブ系を思わすじゃっかん褐色系の肌、憂いを含んだ、ちょっと投げやりな表情。実際、彼女は鬱病の傾向があるのだという。メンバーがさまざまな活動や会話をしているのをよそに、ちょっと離れたところでゆっくりとタバコを吸いつつ、滞日をじっくり楽しんでいるように見える。完全マイペース。英語力0.3センチ、ジョーク係数0.9。

○バール・フィリップス(コントラバス、♂67)ak01  白く短い髪がわずかに残る頭、褐色と青の中間色の眼球がときに鋭い光を帯びる。ひょろりとした体はじゃっかん猫背気味。たいていおどけてはいるが、要所ではしまる。来日者の最高齢者だが、精神的には若い。舞台でコントラバスをもつ姿には、ペーソスと自信と脱力感とどことない滑稽さが漂う。サンフランシスコ生まれだが、現在はプロバンスに住む。AKF代表。英語力100センチ、ジョーク係数6。

○フランソワーズ・バスティネリ(会計、♀50)ak01  褐色短髪中背、じゃっかん中年女性のふくよかさはあるにせよ動きに無駄がなく、頭の中で常に数字の計算をしているかのようだ。現に彼女はCDレーベルを運営するAKFの会計担当。不合理なことには容赦しないという雰囲気だが、バカ騒ぎに自ら飛び込む陽気さをあわせもつ。英語力37センチ、ジョーク係数2。

○リオネル・ギャルサン(サキソフォン、♂29)ak01  ひょろりとして端正な体躯と、きょとんとした目が印象的。ミュージシャンとしては発展途上で、人格的にもまだ荒削りな印象だが、どこかふてぶてしい自信もうかがえる。恋人であるアマンダへの気配りを絶やさない。英語力9センチ、ジョーク係数2。

○リシャール・レアンドル(コントラバス、♂45?)ak01  痩せ形で長髪、ハンサムな顔といえる。しかし、ヒゲ剃り跡の濃さと自信なさそうなうつむき視線によって、裕福顔からほど遠い印象を人に与える。半袖のシャツは大量の汗でいつも濡れていた。相当マイペースだが、かなりナイーブな性格なのかも知れない。英語力0.1センチ、ジョーク係数7(存在として)。

○ステファノ・フォゲール(チェロ、俳優、♂45)ak01  均整のとれた体躯全体が表現力と活力にあふれている。イタリア出身のためか、身振りや表情がいかにもラテンを思わせる明るさがあると同時に、沈着な知性も伺える。完全スキンヘッド。今回は、演奏家としてよりも、メインパフォーマンスでの照明や舞台進行などを担当した。英語力63センチ、ジョーク係数8。