「マルセイユ~ベルン~神戸:アクト・コウベ」
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阪神淡路大震災は私達に大きな被害をもたらしましたが、一方でこれから大きく発展する可能性を秘めた国際的な芸術家のネットワークを生み出しました。
この事件に関わってきたC.A.P.のメンバー、神戸の音楽家、そしてジーベックで、アクト・コウベ実行委員会を設立し、震災から一年後の1996年1月から2月にかけて、この国際ネットワークを更に発展させるべく「マルセイユ ~ ベルン ~ 神戸:アクト・コウベ」を開催しました。
マルセイユ、ベルンでの二つの義援イベント「アクト・コウベ」、そしてそれを受けて開催された神戸のアートパーティー「CAPARTY vol.1」。これらの記録を写真、ビデオなどで紹介する展覧会を1/17から2/29まで開催し、またマルセイユ、ベルンから招いたオーガナイザー、主旨に賛同してくれた多くの音楽家達を迎えてのオールナイトのコンサートを1/27-28にかけて行ないました。この催しは実行委員会、出演者、様々な協力者が一同に会し「次はどうする?」という暗黙のテーマを共有した貴重なコミュニケーションの場となりました。
マルセイユ~ベルン~神戸:アクト・コウベ
とき/1996年1月27日08:00PM~28日06:00AMところ/ジーベック・ホール(神戸ポートアイランド)
名称/「マルセイユ~ベルン~神戸:アクト・コウベ」
主催/アクト・コウベ実行委員会、ジーベック、C.A.P.
賛助/A.M.I., "La Friche", Marseille, and W.I.M., Bern、日本コロムビア株式会社
後援/神戸市、神戸市民文化振興財団、マルセイユ市、TOA株式会社
協賛/アサヒビール株式会社
Official airlines/スイスエア、エールフランス
Special thanks to The Bulgarian Voices ANGELITE, Uli Balss at JARO
メセナ認定事業
主旨宣言
'95年l月17日に阪神地域を襲った大地震は、世界中に大きく報道されました。このニュースを聞いてフランスのマルセイユでは、音楽家バール・フィリップス氏と画家のアラン・ディオ氏、A.M.I 協会(代表=フェルディナン・リシャール氏)が、阪神大震災で影響を受けている芸術家を支援するためにアクト・コウベ(ACTE KOBE-神戸のためにアクションを起こそう!)というイベントを4~6月におこないました。このイベントには音楽家、造形作家、写真家、映画人、舞踊家、詩人、作家など、150人ものアーティストが趣旨に賛同し参加されたそうです。
また9月15日には、スイスのベルンでやはり音楽家のハンス・バークナー氏とW.I.M.協会が同じ主旨 のもと、アクト・コウベ2という昼夜に渡るイベントをおこないました。ジャズ、現代音楽、ロックなどの音楽家、またダンサー、写真家、映像作家、など40以上の多様なグループが参加されています。そしてこれらのイベントの収益金が私達のもとに送られてきました。
このお金の一部は10月28日にジーベックで開催された、関西の美術家グループC.A.P.のプレゼンテーションを兼ねたアートパーティー「CAPARTY vol.1」に使われました。C.A.P.では、旧居留地(神 戸)に芸術センターを作りこの地区の新生を推進してゆこうというプランを行政サイドに投げかけていたのですが、多くの人にこの活動を知ってもらい、意見を交わすためにこのようなアートパーティーをおこなうことにしたのです。
阪神大震災は私達に大きな被害をもたらしましたが、一方でこれから大きく発展する可能性を秘めた国際的な芸術家のネットワークを生み出しました。私達、アクト・コウベ実行委員会では、このネットワークを更に発展させること、またアートが社会の中でどのように機能できるか、あるいはどうしたらよりよく機能できるかを考え、マルセイユとベルンからの支援金をもとに、この催し「マルセ イユ~ベルン~神戸:アクト・コウベ」を開催しました。
最後になりましたが、マルセイユ、ベルンのアーティストのみなさん、このプロジェクトを推進することに力を貸してくださった多くの方々、また主旨に賛同し無償で遠方から駆けつけてくださったアーティストのみなさん、そして深夜にも関わらずご来場頂きましたみなさんに心からお礼申し上げます。 アクト・コウベ実行委員会 下田展久
出演者
バール・フィリップス(b)、アラン・ディオ(ライブペイント)、フェルディナン・リシャール(eb)、杉山知子(C.A.P)、井口泰子(通訳)、斎藤徹(b)、沢井一恵(箏)、クラット・ヒロコ(tabla)、松原臨(sax)、内橋和久(gt)、福島匠(vn)、久田舜一郎(小鼓)、赤井啓三(能管)、吉沢元治(b)、リチャムド・タイテルバウ ム(synth)、鈴木昭男(サウンドパフォーマンス)、和田淳子(ダンス)、川端稔(sax)、林樹一郎(gt)、小島剛(コンピュータ)、赤松正行(コンピュータ)、ニシジマアツシ(コンピュータ)、和泉希洋志(コンピュータ)、庄司勝治(sax)、坂本悦子(sax)、山内桂(sax)、樋野展子(sax)、山沢輝人(sax)、佐野真紀子(ダンス)、川崎義博(synth)、イナミスナオ(gt)、角正之(ダンス)、HACO(vo)、サム・ベネット(perc)、中川博志 (バーンスリー)、ピーター・クラット(シタール)来日アーティスト
Barre PHILLIPS/Bass(マルセイユでのアクト・コウベオーガナイザー)Alain DIOT/painter(マルセイユでのアクト・コウベオーガナイザー)
Ferdinand RICHARD(A.M.I.=マルセイユでのアクトコウベ1運営母体代表)
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1973年、ETRON FOU LELOUBLANというロックバンドにベース奏者、ボーカルとしてまた作詞家として参加。1989年2月にはマルセイユ市の委嘱によりイヴァ・ビトワ(vl,vo)等とともにマルセイユ市の歌を作曲。また演奏、作曲活動以外にも、1986年にMMI Festivalをプロヴァンスで設立する。このフェスティバルではコンサート以外にも様々なジャンルの音楽家の出会いによるワークショップも開催されている。A.M.I.協会を創設し代表をつとめる。またフェルディアンは、マルセイユ市の文化委員 会の顧問もつとめ、1995年には芸術文化遺産ヨーロッパフォーラムの特別委員となる。
MMI=Mouvement International des Musiques Innovatrices/ A.M.I.=Aide aux Musiques Innovatrices
Hans BURGENER/vl,e.vl(W.I.M.代表、スイス・ベルンでのアクト・コウベ2オーガナイザー)
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1952年生まれ。スイスのベルン在住。クラシックバイオリンをベルン音楽学校で学び、幾つかのオーケストラで演奏。現在、スイス、ローザンヌのジェーン・マークグローブ率いるPSRオーケストラに在籍。1981年、"Workshop for Improvising Music:WIM Bern"(即興音楽に興味を持っているミュージシャンのための団体)を設立。1991年、バール・フィリップスと、"トリオ・ストリングス:バーグナー/フィリップス/シューツ"を結成、1994年CD『LOOKING OUT OUR WINDOW』(4 Ears Records)を制 作。同年、バール・フィリップス、斉藤徹、沢井一恵、アライン・ジョウル、ミッシェル・ドネダ、マーティン・シューツ等が出演したプロジェクト"FIFTH SEASON"に参加。フランス、スイスでコンサートを行った。また、様々なアーティストと共演するためにサウンドインスタレーションを作成。マ ルセイユでのアクト・コウベに賛同し、W.I.M.とともに'95年9月15日、スイスのベルンでのアクト・コウベ2を計画、開催した。
アクト・コウベ国際会議
震災という負の出来事を、 発展的な芸術家の国際ネットワーク活動に変えていこうという今後の活動継続が同意されました。とき/1996年1月18日 ところ/鴻華園 出席者/バール・フィリップス、アラン・ディオ、フェルディナン・リシャール、ハンス・バーグナー、中川博志、川崎義博、下田展久、森信子